意外と知らない?「この」ではない “this” の意味とは?

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“this book” は「この本」、”this pen” は「このペン」、”this dog” は「この犬」という意味ですよね。

どれも目の前に本・ペンがあったり、犬がいたりする時にそれを指して「この〜」と言う時に使うのが “this” です。

ところが、会話の中では目の前にあるわけでもなく、また、それまで話に出てきていない人や物のことを、突然 “this 〜” と言うことが結構あるんです。

今回はこんな “this” の意味と使い方を紹介します!

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“this” には「この」以外の意味がある?

例えば、誰かと会話をしていたら、その人が突然、

  • I met this weird guy the other day.

と言ったとします。それまでに男性の話はしておらず、今目の前にいるわけでもないとしたら、この急に出てきた “this” はどんな意味で使われているのでしょうか?

「先日、この変な男に出会った」と訳してしまうと変ですよね。聞き手は「この」が何を指しているのか分かりません。

実はこの “this” は「とある」や「ある」「こんな」という意味で使われる “this” なんです。

“this” には「とある」「こんな」の意味がある

“this” を英英辞書で引いてみると、こんな定義が書かれています↓

[SPOKEN PHRASES] used in stories, jokes etc when you mention a person or thing for the first time

ロングマン現代英英辞典

注目すべきポイントは “for the first time” です。話やジョークで、人物や物事を「初めて」言及する時に使うんですね。上に出てきた例で言うと、

  • I met this weird guy the other day.
    先日、とある変な男に会ったんだよ

とポンっと言うことで「ある人物」を話題に登場させるんです。そして、その後にどんなふうに変だったのか、どんなことがあったのかという話が続く感じです。

こんな “this” の使い方はあまり知られていないように思うのですが、ニュージーランドで生活をしていた時は本当にとてもよく耳にしました。

上の辞書にも [SPOKEN PHRASES] とある通り、あくまでも口語で使う表現です。

“a” の代わりに使われる “this”

この使い方の “this” は “a” に置き換えることができます。試しに置き換えてみましょう。

  • I met a weird guy the other day.

これならよく目にする、ごく普通の文ですよね。「先日、一人の変な男に出会った」です。

では、”a” でもいいのになぜ “this” を使うのかと言うと、聞き手を話にぐいっと引き込んだり、臨場感を持たせる役割があると言われています。

  1. I met a weird guy the other day.
  2. I met this weird guy the other day.

1は特に注意を引くことはない表現ですが、2はどんな人物なのかにパッとスポットライトが当たります。そうすることで聞き手の注意を引きつけたり、話にイキイキした感じ→臨場感が出るんですね。

こんな “this” は他にも、

  • I’ve got this idea.

と言ってから、その後に具体的にどんなアイデアかを話す、みたいな使い方もありますが「新しく話題に上らせる」「その物事・人物にスポットライトを当てる」という役割は同じですね。

会話の中で「この」と訳したら違和感のある “this” に遭遇したら、この使い方を疑ってみてください。ネイティブは結構よく使っていますよ。

■副詞の “this / that” も口語でめちゃめちゃよく使います。使い方はこちら!↓

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