“a couple of 〜” というフレーズ、どこかで一度は耳にしたことがあると思います。
では、どんな意味だと思いますか?
私は学校で「2、3の」という意味で教わったような記憶があったので、ずっとその意味で理解していました。
でも、ニュージーランドで働きだしてから、その意味に違和感を感じることが何度かあったんです。
今回は、ネイティブがとてもよく使う “a couple of 〜” の意味と使い方のお話です。
口語でよく使われる “a couple of 〜”
私はニュージーランドで暮らし始めるまで “a couple of 〜” というフレーズは一応知っていたものの、自分で使ったことはありませんでした。
それが、ニュージーランドで暮らし始めてからは会話の中に本当によく出てくるので、日常的に使われるフレーズなんだと気付きました。
「2、3の」という意味は知っていたので、”I went to Japan a couple of years ago.” と言われても「?」とはならず、何事もなく過ごせていました。皆さんもこの文章を特に難しいと感じることはないと思います。
でも、ニュージーランドのカフェで働き始めてから、この「2、3の」という解釈に疑問を持ち始めたんです。
“a couple of 〜” の意味は「2、3の〜」ではない?
ある日、カフェのレジで働いていた私にお客さんがこんなふうに注文してきました。
お客さん:Can I have a couple of muffins?
私:How many?
お客さん:A couple, please.
私:???
私は「2個」なのか「3個」なのか、どちらかを聞きたかったのに、それでも “a couple” という答えが返ってきました。このお客さんは一体、何個欲しいのでしょうか?
結局、お客さんが買ったマフィンは「2個」だったんです。
また、別のお客さんに “Can I borrow a couple of wine glasses?” と言われた時には、”Two glasses?” と聞き返して “Yes, please” と言われたこともありました。
…もうお気付きですよね。
これらの “a couple of 〜” は「2、3の〜」ではなく「2」を限定して表しています。
「2」なら “two” って言ってくれた方が分かりやすいのに…といつも思うのですが、私の周りでは “a couple” を使う人は結構多いです。特に上のような、数をはっきり限定して言う場面では「2」と考えてほぼ間違いないです。
“a couple of” は「2、3の」を表すこともある
では、学校で習った「2、3の」は何だったのでしょうか?
ここで英英辞書を引いてみると、こんなふうに書いてあります↓
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
- two people or things
- a small number of people or things
一つ目の定義が先ほど出てきた「2つ(2人)」を表す使い方ですね。
そして二つ目の定義が「a couple of=2、3の」と習った理由だと思います。でも、いくつかの英英辞書を見ても、どこにも具体的な数は書かれていません。
例えば “I had a couple of beers last night.” なら2本かもしれないし、3本かもしれません(もしかしたらそれ以上の可能性も)。
また、”I’ll be back in a couple of minutes.” はたいていの場合、ピッタリ「2分で戻る」のではなくて「すぐに戻る」という意味で使われます(”a couple more minutes” もよく使われる表現でこちらも「あと数分」のニュアンスです)。
こういった、定義の2番目にある意味で “a couple of 〜” を使う時には、数が大切なのではなくて「数が少ないこと」を表すので、場面によっても人によってもイメージする数は若干変わります。
さらに、”a few” も少ない数を表しますが、こちらは “a couple of” よりも多くて、だいたい「3」以上で使われることが多いように思います。
ただ、これも文脈で違ったり個人差があるので、絶対にそうだとは言い切れません。
“a couple of 〜” とは「2つの」「少ない数の」
“a couple of 〜” は、ハッキリした数を表す場合には「2つ、2人」という意味になる、ということに加えて「基本は2だけど、それよりちょっと多い意味でも使われる」という曖昧なイメージで捉えるのがいいかと思います。
「たくさんの(many)」と同じで「いくつかの」も具体的な数で表すのは難しいんですね。
もしハッキリした数を知りたければ、聞き返してみましょう。
文脈で意味を考えないといけない表現ってなかなか難しいですが、できるだけたくさんの例に触れて、自分でも使ってみてくださいね。自分で使って間違えたとしても、実はそれが上達への近道だったりしますよ。
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