以前、テレビのニュース番組で、あるテーマが取り上げられていました。
そのテーマとは「レストランで他人の子どもを叱ってもいいか?」だったのですが、実はその番組のニュースキャスターがレストランで家族と食事をしていた時に、行儀の悪い他人の子どもに迷惑を受けて叱りつけたことを受けてのテーマでした。
そんな、子どもを「叱る」って英語でどう言うのでしょうか?
調べたらよく出てくる単語と、ネイティブがよく使うフレーズは実はちょっと違うんです。
「叱る」は英語で “scold”?
「叱る」を意味する単語に “scold” というのがあります。
この “scold” はオックスフォード現代英英辞典によると、
(formal) to speak angrily to somebody, especially a child, because they have done something wrong
と定義されています。まさに「叱る」ですよね。
Google翻訳で「叱る」と入力すると “Scold” と出てくるように、わりと知られた単語かもしれませんが、私は日常会話で「子どもを叱る」と言う時にこの単語を使っている人に出会ったことがありません。
それは一体なぜなのでしょうか?
実は、上の辞書の定義に (formal) とあるように、”scold” はカタい表現なんです。なので、ネイティブは日常会話ではもっと砕けた表現をとてもよく使います。
冒頭に出てきたニュース番組でも、その表現が使われていたのですが、どんなフレーズだと思いますか?
「叱る」は英語で “tell off”
日常会話でよく出てくる「(子どもを)叱る」は、”tell off” です。
これもオックスフォード現代英英辞典の定義を引用すると、
(informal) to speak angrily to somebody for doing something wrong
となっています。インフォーマルと書かれてありますが、普通の会話ではたいてい “tell off” が使われるように思います。
実際にニュース番組で取り上げられていたテーマも、
- Is it OK to tell off other people’s kids at a restaurant?
レストランで他人の子どもを叱ってもいい?
でした。また、キャスター同士の話や視聴者からのコメントにも “scold” ではなく “tell off” が登場していましたよ。
“tell off” の使い方
先ほど「人の子どもを叱る」 はニュース番組で “tell off other people’s kids” となっていたと紹介しましたが、これは “tell other people’s kids off” のように間に挟んでもOKです。
こんな【動詞+副詞】のフレーズの場合、”it/me/you/him/her/them” などの代名詞は必ず真ん中に挟む、というルールがありますが、上の “other people’s kids” のような名詞は挟んでも挟まなくても、どちらでもいいんです。
なので、子どもに「靴を履きなさい!」という場合も、
- Put your shoes on!
- Put on your shoes!
のどちらもOKです。でも「それを着なさい」は、”Put it on!” になって “Put on it!” とは言わないので注意してくださいね。
そして、具体的に「〜のことで叱る」と言う場合には “for 〜” で続けるだけです。例えば、
- My mum told me off for coming home late from school.
母は私が学校から帰ってくるのが遅かったので叱りました - John got told off for talking during class.
ジョンは授業中にしゃべって叱られた
みたいな感じです。
上司に「叱られる」は英語で何て言う?
職場で「叱られた」場合にも、”got told off” が使えますが、怒鳴られた時には “got yelled at”、説教された時には “got lectured” のように言うことも多いように感じます。
- I got told off at work.
職場で叱られました - I got yelled at by my boss.
上司に怒鳴られました - I got lectured by my boss yesterday.
昨日、上司に説教されました
他には “reprimand” もよく似ていて「叱責する」という意味があります。こちらは日本語訳からも分かるように、仕事などで使われるちょっとフォーマルな単語です。
- He was reprimanded for his behaviour.
彼はふるまい(行動)を叱責された
できれば叱られたくはないですが、もし使う場合にはシチュエーションに合わせて使い分けてみてくださいね。
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