感情を表す形容詞ってどんなものを思い浮かべますか?
happy、sad、glad、sorry、excited、thrilled…などなど、いろんな表現がありますよね。
今回はその中でも「怒っている」という表現を取りあげたいと思います。
「怒る=angry」はよく知られていますが、他にはどんな表現があるのでしょうか?
イギリス英語圏でよく使われる「怒っている」も合わせて紹介します!
「怒っている」の英語表現いろいろ
まずは「私はあなたが遅刻したので怒っています」をいろんな英単語を使って英語にしてみましょう。
“angry”、“annoyed”、それに “mad” なんていう形容詞も使えますよね。
感情を表す形容詞は前置詞がちょっとややこしかったりするので、単語だけを覚えるのではなく、例文まるごと覚えておくといいと思います。
では、順番に見てみましょう!
●“angry” で表す「怒っている」
では、まずは教科書で習った “angry” を使って「私はあなたが遅刻したので怒っています」を英語にしてみましょう。
- I’m angry that you were late.
- I’m angry with you for being late.
ですね。「(人)に対して怒っている(腹を立てている)」を “angry with 〜” で表すと、怒りの方向が「何に」ではなく「人に」対して向いているニュアンスが出ます。
でも実は、“angry” は怒っている度合いが結構高いので、個人的にはそれほど耳にしないように思います。
●“annoyed” で表す「怒っている」
では、次は “annoyed” を使ってみましょう。
もとになる動詞の “annoy” はどんな意味かと言うと、英英辞書には、
make (someone) a little angry; irritate
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
とあります。“angry” よりも怒り度合いは少し低くなって、いらいらした感じが強くなるんですね。不満や不快に感じている「イラっとしているマイルドな怒り」ぐらいのニュアンスでしょうか。
では、“annoy” の形容詞 “annoyed” を使って「私はあなたが遅刻したので怒っています」を英語にしてみましょう。これは、
- I’m annoyed that you were late.
- I’m annoyed with you for being late.
となります。「(誰)に対して」を表現したい場合の前置詞の使い方は “angry” と同じで “with 〜” がくっついてきます。
●“upset” で表す「怒っている」
私はニュージーランドで暮らしていて、“upset” という単語をとてもよく耳にすることに気付きました。
“upset” とは日本語にするのが難しい単語の1つですが「心がひっくり返されて、乱されている状態」を表す形容詞で「怒っている」「悲しんでいる」「取り乱している」「動揺している」「心配している」「イライラしている」などを表すときにネイティブがとてもよく使う単語です。
なので「私のこと怒ってる?」は、
- Are you upset with me?
のように言うことが多く、“upset” は “angry” よりもマイルドな表現です。
●“mad” で表す「怒っている」
では、“mad” はどうでしょうか?
“mad” はフォーマルな場面では使われませんが「私はあなたが遅刻したので怒っています」を英語にすると、
- I’m mad that you were late.
- I’m mad at you for being late.
と、前置詞を使う場合は、ここでは “at” が登場します。
ちなみに、“mad” を「怒っている」という意味で使うのは主にアメリカ英語で、イギリス英語では “mad” は “crazy” の意味でよく使われますよ。

●“furious” で表す「怒っている」
他にも「激怒しています」と言う場合には、
- I’m furious that you were late.
- I’m furious with you for being late.
のように “furious” が使われることもありますが、これはただの “angry” よりも怒っている度合いがかなり高いです。「激怒」という感じですね。
他の「かなり怒っている」表現に “I’m pissed off.” というスラングもあります。「ムカつく」という意味で使われることもありますが、親しい友人同士で使うような表現です。
“cross” で表す「怒っている」
上にいろいろと「怒っている」の表現を挙げましたが、実はニュージーランド人がとてもよく使う「怒っている」は、
cross
という形容詞です。私はニュージーランドで初めて “cross” に形容詞の使い方があることを知りましたが、イギリス英語圏ではよく使われる単語のようで、不満やちょっとした苛立ちを表すぐらいの「怒っている」「ムカついている」を表します。
“cross” を使って「私は(あなたに)怒っています」を表すと、
- I’m cross.
- I’m cross with you.
となります。他にも、
- I’m so cross!
すごくムカついている - Don’t get cross (with me).
(私に)怒らないで、腹を立てないで
なんていうふうに使われることも多いです。
“rage” で表す「怒っている」
映画『Frozen(アナと雪の女王)』の主題歌 「Let it go」の歌詞にも「激怒する」という意味の単語が使われていたのを知っていますか?
“♪ Let the storm rage on” の “rage” です。ここでは嵐が「荒れ狂う・吹き荒れる」という意味で使われていますが、“rage” には名詞で「激怒」、動詞で「激怒する」という意味があります。
その部分をちょっと聞いてみましょう。
(出てくるのは1分22秒ぐらいですが、少し前から再生されるようになっています)
“rage” は「コントロールが利かなくなった」というニュアンスがあるので、天候や伝染病のコントロールがきかない場合には「荒れ狂う・猛威をふるう」という意味で使われる単語です。
同じように、感情のコントロールがきかないほど怒ると「激怒する」となり、
- I’m shaking with rage.
私は怒りで震えている(激怒しているニュアンス) - He stormed out of the room in a rage.
彼は激怒して部屋から出て行った - He raged at the media.
彼はメディアに激怒した
のように使います。激怒して怒鳴ったりするなど、何か行動にあらわれている「激怒」を表します。
ニュアンスによって使い分けてみよう!
今回紹介したいろんな「怒る」は、どれも微妙にニュアンスが違ったりするのですが、怒り度合いによって使い分けが出来ると、表現の幅も広がりますね。
次にもし怒ることがあれば、ちょっと冷静になって「この怒るはどれかな?」と思い出してもらうと、ちょっとは怒りがおさまるかもしれません(笑)
自分が “I’m raging at you.” と言われているシチュエーションなら、冷静になって考えている場合ではないかもしれませんが…。
感情を表す英語表現
「怒っている」だけでなく、感情を表す表現は会話でも頻出なので、こちらのコラムも参考にしてみてください!