“it” と “one” の違いは何?

「それ」を表すときに “it” ではなく “one” が使われているのを見たり聞いたりしたことはありませんか?

例えば、こんな場面を想像してみて下さい。

あなたの友達が最新モデルのスマホを持っているとします。それはあなたも欲しいなと思っていた機種でした。

そんなときに言う「私もそれ欲しいんだよね」。これ、あなたなら英語でどう言いますか?

目次

“it” と “one” が意味する「それ」

「私もそれが欲しい」をシンプルな英語で言うとすると、

  1. I want it too.
  2. I want one too.

があります。でも、冒頭に出てきた場面では、1番の “I want it.” は普通は使いません。
では、なぜ “I want it.” ではダメなのでしょうか。

それは、“it” が表す「それ」とは、何か特定のそのもの自体」を指すからです。
それに対して “one” の「それ」は “a 〜” 、特定していない1つのもの」を表します。

ちょっと分かりにくいかもしれないので、例を挙げて見てみましょう。

“it” と “one” の違い

例えば、あなたのペンが行方不明になってしまったとします。
隣にいた友達に下の2つの質問をした場合、それぞれどんな意味になるでしょうか?

  1. My pen is missing. Do you have it?
  2. My pen is missing. Do you have one?

1は「(行方不明になっている私の)ペンを持ってる?」
2は「(何でもいいから)ペンを1本持ってる?」

という意味になります。
1の “it” は「私のペン」という特定のペンを指していますが、2の “one” はペンなら何でもいいんです。

tin of pens

では、もう1つ例を挙げてみましょう。

海外旅行中にホテルのフロントの人が「このあたりの観光マップいる?」と地図を見せながら聞いてくれて「それはもうすでに持っています」と答えるとしたら、どんなふうに言えるでしょうか?

これもついつい、“I already have it.” と言ってしまいそうになりますが、この場合も、

  • I already have one.

がしっくりきます。フロントの人が手に持っている「それ自体」ではなくて、その観光マップを1枚持っているという意味なので、ここは “one” なんです。

“it” は “the 〜”、“one” は “a 〜”

ざっくりまとめてみると、“it” は “the/my/your 〜” とわざわざ言わない時に使われ、“one” は “a 〜” とわざわざ言わない時に使われます。
なので、“it” は特定した「ズバリそのもの」、“one” は不特定の「同じ種類のもの(1つ)」を表すんですね。

例えば、上の “My pen is missing.” の例で言うと、

  1. Do you have it (=my pen)?
  2. Do you have one (=a pen)?

ということです。
これを踏まえると、冒頭に出てきた友達のスマホの話もすんなり理解できますよね。

  • I want it (=your phone).
  • I want one (=a phone).

ということです。「私もそれを欲しい」に込められた意味は「友達のスマホを欲しい」のではなく「それと同じ種類のスマホを1つ欲しい」なので “one” になります。

日本語ってややこしい

日本語にすると “it” も “one” も「それ」と訳せてしまうので、ややこしいんですよね。

でも、上に挙げた例のように整理して考えてみると、それほど難しくありません。

もしも全てに “it” を使ってしまっても、会話なら流れで相手は分かってくれると思いますが、ちょっと意識して使い分けてみて下さいね。

■今回紹介した “it” と “one” の違いを知っていれば、お店で注文する時に言う “one of those” もストーンと理解できると思います!↓

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