“-ee” で終わる単語ってどんなものを思い浮かべますか?
例えば、“employee” とか “trainee“、“interviewee” なんかがありますよね。
これらの共通点は「〜される人」を表していることです。これは学校でも習ったような気がします。
でも実は “-ee” は「〜する人」を表すこともあるって知っていましたか?
“-ee” で終わる単語
“-ee” で終わる単語は冒頭に出てきたように、
- employee:従業員(雇われている人)
- trainee:研修中の人(研修を受けている人)
- interviewee:インタビュー(面接)を受ける人
などがありますよね。他にも、
- payee:支払いを受ける人
- licensee:ライセンスを受ける人
- franchisee:(フランチャイズの)加盟店
- deportee:強制送還された(される)人
などもあります。これらはどれも「行為を受ける側の人」ですね。
“-ee” の意味は?
“-ee” の意味を英英辞書で改めて引いてみると、こう書かれています↓
added to a verb to form a noun that refers to the person to whom the action of the verb is being done
Cambridge Dictionary
動詞にくっついて「その行為をされる側の人」を表します。
なので、アカデミー賞の話題になるとに出てくる “nominee(候補者、候補作品)” は “nominate(候補として指名する)” の「される側の人」 です。
また、アメリカの大統領選の “nominee(指名候補者)” も “nominate” の「される側の人」 ですね。
そして、この “-ee” との対比で出てくるのが “-er(もしくは -or)” です。これは反対に「する側の人」を表します。
- employee / employer
従業員(雇用される人) / 雇用主(雇用する人) - trainee / trainer
訓練される人 / 訓練をする人 - interviewee / interviewer
インタビューされる人 / インタビューする人
(面接を受ける人 / 面接官) - payee / payer
支払受取人 / 支払人 - licensee / licensor
認可・許可を受ける人 / 認可・許可を与える人 - franchisee / franchiser
フランチャイズ加盟店 / 本部
私は昔、“employer” と “employee” がどっちがどっちなのか覚えられなかったのですが、“-er(する人)” と “-ee(される人)” の代表的なものですね。
と、ここまでが “-er” と “-ee” の基本的な意味と使い方です。
では、“escapee”、“returnee”、“attendee” ってそれぞれどんな意味になると思いますか?
“-ee” には「〜する人」という意味もある
以前、コロナの時にニュージーランドのニュースによく出てきた単語が、
- escapee
- returnee
です。それぞれ動詞の “escape” と “return” から派生していますが、これらはどんな意味になるかというと、
- escapee:逃亡者
- returnee:帰国者、帰還者
なんです。外国からニュージーランドに帰国した帰国者の中からコロナ感染者が毎日のように見つかったり、帰国者の一時隔離施設から逃亡者が出た時などに報道でよく使われていた単語ですが、ここでもう一度よく見てみてください。
“escapee” も “returnee” も「行為をされる人」ではなく、むしろ「する側の人」です。なぜこんなことになるのでしょうか?
それは、先ほどの英英辞書の “-ee” の定義にはもう一つ、こんなことが書かれています↓
added to an adjective, noun, or verb to refer to a person who is in that condition or state
形容詞・名詞・動詞に “-ee” がくっつくと「〜の状態にある人」という意味になることもあるんですね。この “-ee” の例は他にも、
- absentee:欠席者
- refugee:難民
- attendee:出席者、参加者
などがあります。それぞれ、“absent(欠席して)”、“refuge(避難)”、“attend(出席する)” という形容詞・名詞・動詞に “-ee” がくっついています。
“-er” と “-ee” の基本の使い分けだけではなく、こんな使い方もあるんだなぁぐらいの参考になれば嬉しいです。