“It takes a village.“
こんなフレーズを耳にしたことはありますか?
実はこれ、辞書にはあまり載っていないのですが、英語ではよく知られたフレーズです。
では、一体どんな意味だと思いますか?
“It takes a village.” の意味は?
It takes a village.
これだけ聞くと「それは村を取る」?みたいで、全然意味が分かりませんよね。
私も初めて聞いたときは何のことか全く分かりませんでした。しかも、ほとんどの辞書には載っていないので調べるのに手間取りましたが、意味を載せている辞書が1つだけありました↓
a saying that means that it takes a lot of people for example to achieve a good result or become successful.
macmillan dictionary online ※現在はサービス終了
この “take” は「必要である」という意味で、”It takes a village.” は、
何かを成し遂げるには多くの人の協力が必要だ
という意味で、子育て以外にも仕事のプロジェクトなんかにも使われるフレーズなんです。
でも、なぜ “village(村)” が出てくるのでしょうか?
“It takes a village to raise a child.”
実は “It takes a village.” とは、あるフレーズを短くしたもので、それが、
It takes a village to raise a child.
です。もしくは、”It takes a whole village to raise a child.” と言われることもあります。
これはアフリカで古くから伝わる格言だそうですが、英語でもよく使われるフレーズで、直訳すると「1人の子どもを育てるには村全体(の人の力)が必要だ」という意味になります。
“It takes a village to raise a child.” を考える
“It takes a village to raise a child.”
これは、子どもを育てるのはその親だけではなく、家族・学校や習い事の先生・友人や地域の人など、社会全体のいろんな人の知恵や協力があってなし得るものだというこということです。
今では文字通りvillageで育てられる子どもは少なくなったかもしれませんが、それでも周りで支えてくれる人、近所のスーパーでいつも声をかけてくれる店員さん、遠くに住んでいても支えてくれる家族も大切なvillageの一員だと思います。そんな様々な人たちとの関わりの中で子どもは大切なことを学び育っていくんですね。
また、子どもが直接関わらなくても、親をサポートしてくれている人たちもvillageの大事なメンバーです。villageの形は時代とともに変わっても、大事なことは変わらないのかもしれません。
逆に言うと、大事なことは変わらないのに、villageの形が変わってしまった現代では “It takes a village to raise a child.” は理解されにくいのかもしれないと「子持ち様論争」なんかを目にすると感じます。
そして、上で紹介した “It takes a village.(何かを成し遂げるにはいろんな人の協力が必要だ)” は単に「人手がたくさん必要」というよりも「多くの人たちが、それぞれの持つ力を合わせてこそ成し遂げられる」ということにポイントがあるのではないかと思います。
「他の人に迷惑をかけない」が良しとされることも多い今の時代、考えさせられるフレーズだなと感じたので紹介してみました。