「変異株」って英語で何て言う?

ここ最近ニュースでよく目にする「インフルエンザの変異株」という言葉。

「変異株」というのはコロナ禍にも目にしたり耳にする機会が多かったですよね。

では、こんな「変異株」って英語で何て言うのでしょうか?

目次

「変異株、変異種」を英語で言うと?

最近のインフルエンザの爆発的な広がりは日本だけではありません。英語のニュースを追っていると、イギリス・カナダ・アメリカでも感染拡大が止まらないようです。

今回世界的な広がりを見せているのは「サブクレードK(subclade K)」と呼ばれる変異株だそうで、そんな「変異株」を表す時によく使われる表現の1つが、

a new variant

という英語です。これはインフルエンザに限らずコロナ禍でもとてもよく使われていましたが、例えば、

  • a new flu variant:インフルエンザの新しい変異株
  • a new variant of coronavirus:コロナの新しい変異株

のように表したり、コロナの場合は新しい変異株が発見されると、

  • Delta variant (of COVID-19):デルタ株(変異種)
  • Omicron variant:オミクロン株(変異種)

のような英語表現が使われています。

では、このあまり普段耳にしない “variant” ってどんな意味なのでしょうか?

“variant” の意味とは?

上に出てきた “variant” は /ˈveəriənt/ と発音する名詞です。

意味を英英辞書で調べてみると、

something that is slightly different from other similar things

Cambridge Dictionary

と定義されていて「やや異なるもの、変形、バリエーション」などと訳されたりするようです。「異なる」を意味する動詞に “vary” がありますが、その関連語ですね。

そして、これが突然変異したウイルスの話で使われると、

a form of a virus or disease that is slightly different from other forms, for example because the virus causing the disease has mutated (= its physical characteristics have changed permanently)

Cambridge Dictionary

という「変異株」や「変異種」「変異型」を表します。ウイルスの一部が変異していろんな変異株(変異種)が出てくる、そんな「ちょっと違うもの」を “a variant” と呼ぶんですね。

ニュースに出てきていた “variant” の例をいくつか挙げてみると、

  • The new flu strain, called subclade K, is a variant of the H3N2 virus that has been circulating since the summer in other countries. −ABC NEWS
  • A New, Potentially Severe Flu Variant Is Spreading in the US. −TODAY.com
  • A new variant of influenza H3N2 is spreading in other countries. −USA Today

過去のコロナの変異株の報道では、

  • the variant may be up to 70% more transmissible −BBC
    (この変異株は最大で70%、より感染しやすい)
  • France has confirmed the first case in the country of the more contagious coronavirus variant recently identified in the UK. −BBC
    (フランスは、最近イギリスで確認されたより感染力の高い変異株の1例目を国内で確認した)
  • Nineteen new coronavirus infections, six of which are the new more infectious variant from the UK, have been detected at New Zealand’s border since Thursday −Newshub
    (木曜日以来19人の新規感染者、うち6人はより感染力の強いイギリスの変異株、がニュージーランド国境で確認された)

のように “variant” が登場していました。

また、“variant” には形容詞で「異なる」という意味もあり、

  • ‘Donut’ is a variant spelling of ‘doughnut’.

のように、同じ言葉のスペリング違いを表す時なんかにも使われますよ。

“mutated/mutant/new strain” で表す「変異株」

英語の報道を見ていると「変異株」は “variant” 以外にも、

a mutated strain
a mutant strain
a new strain

なんかも使われています。日本で「ミュータント」と言えば「突然変異体」を思い浮かべると思いますが、英語の “mutant” は「突然変異の」という形容詞的な働きもあります。

そして、“strain” はウイルスの「」を表します。インフルエンザのワクチンには毎シーズン3つの「株」が選定されています。この「株」に当たる言葉が “strain” です。

なので “mutated/mutant strain” は「突然変異株」ということですね。

“mutated” は動詞の “mutate(突然変異する)” の過去分詞で、ここでは「突然変異した」という形容詞のような働きをしています。

これも報道に使われている表現を挙げてみると、

  • A mutated strain of influenza A, H3N2 subclade K, is surging worldwide, sparking concerns about a severe flu season in the U.S. Here’s what to symptoms to look out for. −TODAY.com
  • Japan and the U.K. are currently grappling with an unexpectedly early uptick in severe flu cases. A mutated strain known to cause severe disease may be behind some of the unusual activity. −Scientific American
  • A mutant strain of the flu could be behind the UK’s worst flu season ever recorded, responsible for ‘thousands’ of deaths, experts fear. −Daily Mail

みたいな感じです。

今回は2パターンの「変異株」を表す英語を紹介しましたが、急激に世界に広まっているインフルエンザの変異株を英語で話すときの参考になれば嬉しいです。

■以下のコラムはコロナ禍でよく使われた英語表現「医療崩壊」「無症状」「軽症」「検査を受ける」「陽性」などをまとめています。インフルエンザの感染爆発にも役立つ表現ばかりなので、ぜひこちらも参考にしてみてください↓

■「インフルエンザが流行っている」を英語で言うと?

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