“really” という単語がありますよね。
皆さんよくご存じだと思いますが、実はちょっとだけ注意が必要な単語でもあるんです。
それは、文章の中での【位置】です。
会話にも何かとよく登場する “really” ですが、文章の中のどこに “really” をもってくるかが、実はとても重要なポイントなんです。
“really” の位置とは?
例えば、友人のホームパーティーに招待されて、自分が嫌いな食べ物をすすめられたとします。
あなたなら下の2つのうち、どちらを使って断りますか?
1. Sorry, but I don’t really like it.
2. Sorry, but I really don’t like it.
“really” の位置とは、こういうことです。2つの文章には全く同じ単語が使われていますが、”really” が置かれている場所が違いますよね。
では、この違いで文章全体の意味はどう変わってくるのでしょうか?
“I don’t really like it” と “I really don’t like it” の違い
もう一度、先ほどの2つの例文を見てみましょう。
1. Sorry, but I don’t really like it.
2. Sorry, but I really don’t like it.
ポイントは【否定のnot】と【really】の位置関係です。
“really” は「本当に、とても」のように意味を強めるときに使うんでしたよね。
そして “really” は、強調したい言葉の直前に置かれます。言い換えれば “really” はすぐ後ろに来る言葉を強調します。
そうすると、1の “I don’t really like it” は “like” を強調して “don’t” で否定しているので「【本当に好き】ではない」という意味ですが、自然な日本語では「そんなに(それほど)好きじゃない」という言い方をしますよね。
それに対して2の “I really don’t like it” は “don’t like” を強調するので「【本当に】好きではない」となります。これは「本当に嫌い=大嫌い」と、かなり強いニュアンスになります。まとめると、
1. Sorry, but I don’t really like it.
ごめんなさい、それはそんなに好きじゃないんです
2. Sorry, but I really don’t like it.
ごめんなさい、それは本当に嫌いなんです
と、文章全体の意味がかなり変わってきます。なので、”really” を否定文の中で使うときには、その位置が重要なんですね。
そして、これを上手に使うと、やんわりした表現ができます。
例えば「〜ではない」と言いたい場合には、
- I don’t like it.
それは好きじゃないんです - It doesn’t matter.
それは重要(問題)ではない
と言うよりも、
- I don’t really like it.
それはそんなに好きじゃないんです - It doesn’t really matter.
それはそんなに重要(問題)ではない
のほうが印象がやわらかくなります。なので、”really” を特に付けなくてもいい場合でも、口調や印象をやわらかくするために使われたりもします。
“Not really” は必ず覚えたい
“Not really.” は、日常会話でとってもよく出てくるので必ず覚えておきたいフレーズです。
上に出てきた1のパターンと同じで「それほど〜ではない」という否定の文章ですが、質問に対する答えとして “Not really.” 単独でも使われます。
例えば、”Are you hungry?” と聞かれた場合。
お腹が全く空いていなければ “No” と答えればいいのですが、全く空いてなくはないけどそれほど空いていない時ってありますよね。
“No” でも “Yes” でもないけど、どちらかというと “No” に近い感じの曖昧なニュアンスを表せる答えが “Not really.” です。
この “Not really.” も、本当は “No” だけどズバッと答えるのがためらわれる…という場合にもよく使われます。オブラートに包む、ちょっと大人な受け答えですね。
そんなやんわりした “No” を表す方法は、こちらのコラムで紹介しています↓
ちょっとした違いが大きな違い
たいていの場合、たった一つの単語の位置だけで文章全体の意味が大きく変わるということはあまりないので、ちょっとした語順のミスに神経質になる必要はないと思います。
ただ、今回紹介した “really” 以外にも “always” も同じように、否定文で使う時は位置次第で文章の意味やニュアンスが変わってしまいます。
自分が意図した意味ではなく受け取られてしまわないように、少しだけ気をつけてくださいね。
慣れないと頭で考えてしまいますが、慣れてくると自然に使い分けられるようになります。実際にどんどん使ってみるのが、慣れる近道ですね!
■”just” も否定形で使う場合には位置に注意が必要です↓
■否定の “not” はどこに入れる? “I think 〜” と “I hope 〜” を否定形にすると?
■”There is A.” と “A is there.” の違いとは?
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