否定文の “just” を入れる位置はどこが正しいのか、悩んだことはありませんか?
ここに、こんな2つの文があります↓
- I just don’t like it.
- I don’t just like it.
“just” の位置が違うだけですが、意味にどんな違いが出るのか、見ていきましょう!
「ただ〜だけ」を表す “just”
“just” にはいろんな使い方がありますが、その1つに「ただ〜だけ」があります。
例えば、こんなふうに使われているのを目にしたり耳にしたことがあると思います。
- I just wanted to say thank you.
ただお礼を言いたかったんだ - I just called to say I love you.
愛してるってただ言うために電話したんだ
これらの “just” は、すぐ後ろに来る語(wanted、called)にかかっていますよね。これが大事なポイントになるので、頭の片隅に置いておいてくださいね。
“just+not” の意味と使い方
否定文の “not” の前に “just” が来ることがあります。
これも、口語でよく出てくる、こんなフレーズをご存じではないでしょうか。
- I just can’t wait.
本当に待ちきれない - I just don’t get it.
どうしても解せない、分からない
否定の “not” の前に “just” が入って “just+not 〜” という形になった場合には、”not 〜” に “just” がかかります。すると、強調の「ただ」と「〜ではない」がくっついて、
- 全く〜ない
- 実に〜ない
- どうしても〜ない
- 本当に〜ない
といった意味になります。冒頭に出てきた1番目の文は “just not” という並びなので、
- I just don’t like it.
本当に(全く、どうしても)それが好きじゃないんだ
となります。
では、”just” が “not” の後ろに来て、”not just” になったら何が変わるのでしょうか?
“not+just” の意味は?ちょっと注意が必要
次は、先ほどとは違って “not just 〜” という並び方です。冒頭に出てきた2番の例文、
- I don’t just like it.
はどんな意味だと思いますか?
この “just” も後ろの “like” にかかっています。ここまでは先ほどと同じです。ところが、それを “not” で否定しているので「ただ好き、なのではない」という意味になります。
これは例えば、こんなふうに使われたりするんです。
- I don’t just like it, I love it!
ただ好きなんじゃないよ、すっごく好きなんだ!
つまり、”I just don’t like it.” は「嫌い」という意味になるのに対して、この “I don’t just like it.” は「大好き」という正反対の意味になるんですね。
なんとなくニュアンスはつかめましたか?では、次の文はどんな意味になるでしょうか。
- She didn’t just give me directions, but kindly took me here.
この “just” は “give” にかかっていて、それを “not” で否定しているので「道をただ教えてくれただけじゃなく、親切にここまで連れて来てくれた」ということですね。
“Birds don’t just fly” の意味は?
最後にもう一つ、”not+just” の例文を。
映画『Zootopia(ズートピア)』の主題歌『Try Everything』の歌詞の中に、こんなフレーズが出てきます。
Birds don’t just fly
They fall down and get up
Nobody learns without getting it wrong
“Birds don’t just fly” に “not just” という並びが出てきていますね。
これは鳥がどうだと言っているのでしょうか?上の解説を思い出してみてくださいね。
“just” が “fly” にかかっていて、それを “not” で打ち消しているので「鳥はただ飛ぶのではない、落ちてはまた起き上がる(立ち上がる?)んだ」ということですね。失敗や試行錯誤を乗り越えて成長していくんだという意味が込められています。
■”both” が入る位置は?これも間違えやすいので、こちらで復習!