“sound” と言えば、多くの人が頭の中にイメージするものは「♪」や「♫」のようなものだと思います。
実際に “sound” には「音」という意味があって、日本語でも「サウンド」という言葉は音楽と強く結びついていますよね。
例えば「サウンドトラック」や「サウンドチェック」と言えば音楽を連想させたり、不朽の名作『サウンドオブミュージック』も音楽満載の映画です。
そんな「音」のイメージが強い “sound” ですが、実は「音」が全く関係ない意味もあるって知っていましたか?
“sound” の「音」は幅広い
まずはたいていの人が連想する「sound=音」のおさらいを少し。
“sound” は冒頭でも触れたように「音楽」ととっても関連のある単語ですが、必ずしも「音楽」の「音」だけとは限りません。オックスフォード現代英英辞典に、
something that you can hear
とあるように、耳で聞こえるものを “sound” と表現します。
なので、ハチの羽音も “sound” だし、森がザワザワする音も “sound”、人の足音も “sound”、物音も “sound” です。
これらの “sound” が耳障りだったり不快になると、違う単語が使われます。それは “noise” です。定義を見てみると、
a sound, especially when it is loud, unpleasant or disturbing
と書かれています。ということは、広い意味では “noise” も “sound” なんですね。
そんな「耳で聞こえる音」を広く表す “sound” ですが、まったく「音」と関係ない意味があるとしたら、意味を想像するのはちょっと難しいかもしれません。
“sound” の「音」以外の意味
次に紹介する「音」と関係ない “sound” ですが、私は結構よく目にしたり耳にすることがあります。
例えば、次の文章はどんな意味だと思いますか?
- I got home safe and sound after twelve hours’ drive.
「私は家に着いた。12時間の運転の後に」というのは分かりますよね。12時間運転してようやく家に辿り着いた場面が想像できます。
問題は “safe and sound” です。”safe” は「安全な」ですよね。では、この “sound” はどう訳しますか?
勘のいい方は何となくお気付きだと思いますが、実はこの “sound” は名詞ではありません。形容詞です。”sound” には形容詞で、
in good condition; not damaged, injured, or diseased
という意味があるんです。
そうすると、”safe and sound” がどんなものか何となくイメージできませんか?
“safe and sound” とは「無事に、何事もなく無事に」という意味のフレーズで「行く、来る、到着する、見つかる」などの動詞と一緒によく使われます。
- The girl was found safe and sound three days later.
その少女は3日後に無事に見つかった
みたいな感じですね。私は初めて耳にした時に「ほほぉ、そんな表現があるのか」と思いましたが、それ以来わりとよく耳にします。
こんな意味もある、形容詞の “sound”
形容詞の “sound” には、上で紹介した以外の意味もあります。それは、
deep and undisturbed
という意味で、これは睡眠を表す際によく使われる形容詞です。
“sound sleep” で、ちょっとやそっとでは起きないぐらい、ぐっすり熟睡している眠りを表します。
- I had a sound sleep.
ぐっすり熟睡した
みたいな感じですね。また、
- Did you have a sound sleep last night?
昨日の夜はぐっすり眠れた?
と聞かれることもあるので、この意味を知っていると「ん?音?」と、名詞の “sound” と混乱せずに済みますよね。
副詞の “sound” は形容詞の “asleep” とくっついて、”sound asleep(ぐっすり眠って)” という意味で、こちらもよく使われます。
- He’s sound asleep.
彼はぐっすり眠っている
こんな意味もある、名詞の “sound”
他にも、”sound” は名詞で「海峡、入り江」という意味もあります。
ニュージーランドには、Milford Sound(ミルフォード・サウンド)という世界遺産のフィヨルドがありますよ。
動詞の “sound” の使い方
“sound” は「〜に聞こえる」という意味の動詞として使われることも多い単語です。
例えば、会話で相手の提案に対して、
- Sounds good (to me).
いいね
のように言ったり、相手の提案に乗り気で返事する場合には、
- Sounds like a plan.
いいね、そうしよう!
というフレーズもよく使います。
使い方は「主語+sound+形容詞」や「主語+sound(s) like+名詞や文章」という使い分けが必要です。こちらについては、以下のコラムで詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください↓
身近な単語にも発見がいっぱい
今回紹介した “sound” の使い方もそうですが、ネイティブの会話を注意して聞いていると、自分が知っているはずの単語なのに、意味が分からない文章に遭遇することがあります。
そんな時こそボキャブラリーを増やすチャンスです!
その場で相手に聞けない場合でも、携帯のメモ帳機能などを使って残しておき、後で調べるクセをつけましょう。
自分が知らなかったけど意外とよく使われている表現や「おー!そんな意味があったのか」という表現に出会うことができます。かなり地道な作業ですが、そんな小さな発見の繰り返しが一番《使える英語》が身に付くのではないかと思います。