日本語で「必ずしも〜である必要はない」「必ずしも〜でなくてもいい」という表現がありますよね。
例えば、彼女の誕生日に何を贈るか悩んでいる友達に対して「必ずしも高いものでなくていいんじゃない?」というふうに助言することができます。
また、お料理のレシピで材料に「ベーコン」と書かれていても「必ずしもベーコンでなくても、他のお肉でもOKです」のように書かれている事もあります。
そんな「必ずしも〜である必要はない」といったニュアンス、英語ではどうやって表すのでしょうか?
ちょっとややこしそうに聞こえますが、実は意外に簡単に表せてしまうんです。
「必ずしも〜でない」の定番の英語表現
「必ずしも〜でない」は文法書によると《部分否定》と書かれていることがあります。
こんな用語が出てくると急に難しく聞こえるので、私はあまり好きではないのですが「いつも〜なわけではない」「完全に〜なわけではない」などと同じ仲間ですね。
「必ずしも〜とは限らない」と言えば、定番の “not necessarily” を思い浮かべる人も多いかもしれません。ジーニアス英和大辞典にもこんな例文が載っています。
・The rich are not necessarily happy.
金持ちは必ずしも幸福とは限らない
・”We’ll need to employ another teacher, then.” “Not necessarily.”
「それではもう1人教師を雇わなきゃね」「そうとも限らないよ」
この2つ目の例の “Not necessarily” の使い方は会話でも出てくることがありますが、冒頭に出てきたような「必ずしも〜でなくていい」は、実はもっと簡単に、誰もが知っている単語たけで表現することができるんです。
「必ずしも〜でなくていい」を英語で言うと?
「必ずしも〜でなくていい」を表すフレーズは、日本でも大ヒットした映画『FROZEN(邦題:アナと雪の女王)』の中で使われていた『Do you want to build a snowman?(雪だるまつくろう)』という歌の中に出てきます。
どんなフレーズなのか、ちょっと見てみましょう(その部分の少し前から再生されるようになっています↓)
- Do you want to build a snowman? It doesn’t have to be a snowman.
と歌っているのを聞き取れましたか?
この “not have to be 〜” が会話の中でよく使われる「必ずしも〜でなくていい」の定番の表現なんです。
“have to do” は「〜しないといけない」という意味ですよね。なので “have to be 〜” は「〜でないといけない」という意味です。これを “not” で否定して「〜でないといけないということはない」が本来のニュアンスです。
すると、歌詞にでてきた “It doesn’t have to be a snowman” は「雪だるまでないといけないことはない→必ずしも雪だるまじゃなくていいよ」ということですね。
(少し話が逸れますが、日本語バージョンでは「雪だるまつくーろー♪大きな雪だるーまー」と、独自の歌詞で歌われています)
“not have to be” の使い方
“doesn’t have to be” のような “not have to be 〜” は日常生活のいろんな場面で出てきます。
例えば、何かの手続きをする時に、代理人でもいい場合は「必ずしもあなた本人でなくてもいいですよ」と言われることがありますよね。これは、
- It doesn’t have to be you.
のように言われます。
また、冒頭に出てきた「必ずしも高価なものでなくていい」というのも、
- It doesn’t have to be expensive.
- The perfect gift doesn’t have to be expensive.
と言うことができます。
さらに、お料理の材料を「必ずしもベーコンでなくても、何のお肉でもいいです」のように言う場合は、
- It doesn’t have to be bacon. You can use any meat.
と表せますが、これは単語を入れ替えると色んな文章に応用できそうですね。
単語の意味だけを丸暗記しない
「必ずしも〜ない」というキーワードが出ると “not necessarily” を使わなくちゃ、と思ってしまうかもしれません。
「必ずしも=necessarily」のように、ボキャブラリーを増やそうとして単語帳などで【単語の意味】だけを丸暗記してしまうと、もうそれ以外の表現が思い浮かばなくなってしまうことがあります。
新しい単語やフレーズに出会って「これ、使えそうだな・使いそうだな」と思った時には、意味だけを丸暗記するのではなく、文章まるごと覚えてしまいましょう!
そして、実際に使ってみることで、自分で使いこなせる表現がどんどん増えていくと思います!