パプリカという野菜がありますよね。大きいピーマンみたいな野菜で、赤や黄色、オレンジに緑などいろんな色のものがあります。
では、この「パプリカ」は英語で何と言うと思いますか?
実は英語ではちょっと違う呼び方をすることが多いんです。しかも、ニュージーランドやオーストラリアでは、アメリカ英語とは違う名前で呼ばれています。
そして、英語で「パプリカ」と言うと、相手が想像するものはきっと別物です。それは何だと思いますか?
「パプリカ」は英語で何て言う?
早速、和英辞書で「パプリカ」を引いてみると、
bell pepper
と書かれています。ベルみたいな形をしているから “bell pepper” です。
ただ、これはアメリカ英語での呼び方なんです。
ニュージーランド・オーストラリアでは「パプリカ=capsicum」
ニュージーランドやオーストラリアでは「パプリカ」のことを、
capsicum
と呼びます。発音は /ˈkæp.sɪ.kəm/ で、頭にアクセントがあります。
「赤パプリカ」は “red capsicum”、「黄パプリカ」は “yellow capsicum”、「緑パプリカ」は “green capsicum” と言います。
私はニュージーランドに移住する前は「パプリカ」を英語で言おうとしたこともなかったので、ニュージーランドで初めて英語では “capsicum” と言うと知りました。なので、どこの英語圏でも通じるものだと思っていたんです。
ところがある日カフェで働いていた時に、アメリカから来たお客さんに「”capsicum” って何?」と聞かれて衝撃を受けました。その時に初めてアメリカでは “bell pepper” と呼ぶのだと知ったのですが、ネイティブから英語の質問をされるなんて思ってもみませんでした…。
ちなみに、植物の分類学上の「ナス科トウガラシ属」のことを英語で “(the genus) Capsicum” と呼びます。日本の緑色のピーマンや辛い唐辛子やシシトウなどと並んで、パプリカもこれに含まれています。
ニュージーランド・オーストラリア英語はちょっとイレギュラーで、その中でも「パプリカ」だけを “capsicum” で表す、ということです。
英語の “paprika” の意味とは?
英語にも「パプリカ」と呼ばれるものがあります。スペリングは “paprika” と書くのですが、これが表すものは生鮮野菜の「パプリカ」ではなく、
パプリカパウダー
なんです。ちょっとくすんだ赤い色の香辛料で、パプリカを乾燥させて粉末にしたものです(日本で売られている生鮮パプリカとは品種が違うそうです)。
ニュージーランドでは “paprika” と “smoked paprika” という2種類のパプリカパウダーが売られていましたが、”paprika powder” とは言わないことからも “paprika” 自体が「パプリカパウダー」を表しているのが分かりますよね。
そもそも “paprika” とはハンガリー語で “pepper” を表すそうです。ハンガリー料理といえばパプリカと言うほど、ハンガリーはパプリカの一大産地なんだそう。パプリカパウダーもハンガリーの特産品で、ハンガリー料理に欠かせないものだそうですよ!
英語で書かれたレシピに “paprika” とあったら「パプリカ」ではなくて「パプリカパウダー」なので気をつけてくださいね。
おまけ「パプリカの色の違いは何?」「パプリカは妊婦さんにおすすめ?」
ここからは英語の話からちょっと離れて、ニュージーランドで生活して知った「パプリカ」にまつわるお話です。
そもそも、なぜ「パプリカ」の話がそんなにあるのかと言うと、ニュージーランドでは日本で売られている普通の「ピーマン」が売られていないからです。
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