“over” という単語、普段から意識して使うことってありますか?
「〜の向こうに」や「〜を越えて」といったイメージのある “over” ですが「”over” の使い方が上手になりたい!」と意識することってそんなに無いですよね。
でも実は、ちょっとした日常の会話も “over” を上手に使えば、簡単に表現できてしまうことがあるんです。
今回は、ネイティブも多用するそんな “over” の使い方を紹介します!
「うちに来ない?」のナチュラルな言い方
友達を家に呼びたい時に「うちに来ない?」と言って誘ったりしますよね。これを英語で言う場合、あなたならどんな表現をしますか?
「家に来る」なので “Do you want to come to my house?” や “Do you want to come to my place?” みたいに言うことが多くないですか?
もちろんこれで十分通じますし、間違っていません。でも、私の周りのネイティブはこんな場面で、
come over
という表現をとってもよく使います。
- Do you want to come over?
うちに来ない? - Do you want to come over for dinner tomorrow?
明日の夜、ごはん食べにウチに来ない?
みたいな感じですね。”over” を付けることによって、単なる「来る」から「やって来る」といったニュアンスになります。
“over”を使って「家に招く」も表せる
「やって来る」が “come over” で表現できるのと合わせて、もう一つ覚えておきたい “over” を使った表現が「〜を家に招く」です。
食事の誘いなどで「あなたを家にお招きしたいのですが」「うちにお越しください」と言いたい時は、”I’d like to invite you to my house.” や “Please come to my house.” などで表せますよね。
でも、この場合も “over” を使ったナチュラルな言い方があるんです。それは、
have 〜 over
という表現で、これも “to my house” とわざわざ付けなくても「家に招く・呼ぶ」が表せてしまいます。
- I’d like to have you over for dinner this weekend.
今週末(家に)夕食にお招きしたいのですが
夕食に家に来てください
みたいな感じですね。
「招く」「来てください」を直訳するとちょっと思いつきにくい、とても英語っぽい言い回しだと思います。
“over” の意味とニュアンス
「家に来る」以外に「(相手がいる所に)行く」にも “come over (to 〜)” が使われることもあります。
例えば、友達に渡したいものがあるけど、どこかで待ち合わせる時間もなかったりすると「そっちに行こうか?」「オフィスに行こうか?」みたいに提案することってありますよね。そんな時は、
- I can come over.
そっちに行こうか? - I can come over to your office.
オフィスに行こうか?
と表現することができるんです(「行けるよ」というのが直訳ですが「行こうか?」と言うような場合に使うことが多いので、意訳しています)。
“over” が無くても間違いではないのですが、この場合は “over” があることによって「そっちに」という空間的な移動のニュアンスが強く出ます。
上に出てきた “Do you want to come over?” の “over” も単なる「来る」ではなく「こっちに来る」という感じが出ていますよね。
■「行く」を表す時の “come” と “go” の使い分けは、以下のコラムで分かりやすく解説しています。混乱しやすいのでしっかり使い分けましょうね。
副詞って意外と大事
これらの “over” の使い方は、文法的に言うと副詞の使い方なのですが、こういった副詞を意識して勉強することって、ほとんどありませんよね。
「〜に来る」は基本的に “come to 〜” で表せたり、「招く」も “invite” で表現できてしまうので、会話の中で副詞を上手に使って表現しようと意識する必要もないのかもしれません。
でも、”over” に限らず、”along” や “around” などの副詞の使い方1つで、表現力がグッと高まったり、より自然な英語に近づくことができます。
動詞や名詞を頑張って覚えるのも大事ですが、会話ではこういったちょっとした副詞の使い方もポイントになってくるので、ネイティブの表現から盗んでみると、より伝わりやすくなるかもしれませんね。
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