今回のコラムは「外国人」を英語でどう言うか、です。
私がニュージーランドで暮らし始めてから何となくずっと思っていたことで、ニュージーランド人の友人と話をしていたときに思い出したことがあったので、そのことを書いてみようと思います。
ニュージーランドは移民がとても多い国なので「外国人」がたくさんいます。そんな中で私がよく耳にした「外国人」の表現を紹介したいと思います。
「外国人=foreigner」しか思い付かない方はぜひ参考にしてみてください!
「外国人」は英語で “foreigner”?
「外国人」は英語で “foreigner” と言う、と学校で習ったような気がします。
でも、他の国ではどうか分かりませんが、ニュージーランドで生活をしていて “foreigner” という言葉自体、見たり聞いたりすることはほとんどありませんでした。
冒頭でも少し触れたように、ニュージーランドは移民がとても多い国にもかかわらず、誰も “foreigner” という言葉を使わないんですね。
そもそも “foreigner” って、どういう意味なのでしょうか?英英辞書で調べてみました。
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
- a person who comes from a different country
- a person who does not belong in a particular place
「他の国の出身者」ということですね。でも、ひっかかるのは「そこに属さない人(部外者、よそ者)」というニュアンスも含んでいるわけです。
となると、他の国出身の人のことを “fireigner” と言ってしまうと「部外者」というニュアンスになって失礼なんじゃないでしょうか。誰だって『よそ者』 と呼ばれたらいい気がしませんよね。
■”belong” は単なる「属する」ではなく「あるべき(いるべき)場所にいる」というニュアンスであることを理解することが非常に重要です↓
英語で「外国人」は何て言う?
友人のニュージーランド人夫婦と話をしていた時に、彼らが話の中で誰かのことを『彼女は◯◯出身で…』と表現していたんです。その時に私は「あ、やっぱり “foreigner” って言わないんだな」と再確認しました。
この人たちだけがそうなのではなく、会話の中で外国出身の人や知り合い、友達のことが話題になっても、誰もその人を “foreigner” と表現しません。
ニュージーランド生まれではないことを表現する必要がある場合は “He/She is a foreigner.” とは言わずに、
- She is from Australia.
彼女はオーストラリア出身です
のように「どこの国の出身」という表現をするんです。また、ニュージーランド人ではないと表現する場合にも、
- He is British.
彼はイギリス人です
のように言うことが多いです。どこの国出身なのかが分からない場合でも、
- from another country
- people from different countries
- people from other countries
- immigrant
- expat
のような表現を使ったりしますが、これも本当に国籍を表現する必要があるときだけですし、たとえ親しくない人であっても、”He’s a foreigner” と表現することはまずありません。
また、海外からの留学生も、日本では「外国人留学生」と呼びますが、英語では、
- international students
が一般的です。「外国人旅行者」は、”international tourists / visitors” とも言いますが、特別に「外国人」と付ける必要がない場合は単に、
- tourists / visitors
です。
「外国人」の英語表現いろいろ
これまでの話を踏まえると「外国人」は “foreigner” ではなく、こんなふうに表せますね。
- I like talking to people from other countries.
外国人と話すのが好きです - She has lots of friends from different countries.
彼女は外国人の友達がたくさんいる - More than a third of my classmates are international students.
クラスメイトの3分の1以上は外国人です - His wife is American.
彼の奥さんはアメリカ人です
“foreign ○○” で表す「外国人○○」
「訪日外国人」「外国人労働者」のような「外国人」を表す場合には “foreigner” ではなくて、”foreign ○○” が使われます。
- The number of foreign visitors to Japan rose by 10 percent.
訪日外国人(外国人観光客)の数が10%増えた - A lot of foreign workers are expected to come to Japan.
多くの外国人労働者が日本に来ることが予期されている - New Zealand bans foreign buyers from purchasing existing homes.
ニュージーランドは外国人が現存の家を買うことを禁止している - Three persons, including two foreign nationals, were arrested.
外国人2人を含む3人が逮捕された
“foreigners” は絶対に使われない、ということではないので「その国の人ではない」と意識して表現する場合には使われることもあると思います。
- Foreigners are easily targeted as they are not familiar with the city.
外国人は街をよく知らないのでターゲットになりやすい
みたいな感じですね。”foreigner” は誰か特定の人を指して表現すると失礼だったりネガティブな印象を与えますが、そうでない場合は使っても問題ないかと思います。
「外国人=foreigner」は要注意
日本では「外人という呼び方は失礼」とは言いながらも「外国人なのに日本語がうまい」「外国人なのに箸を使うのが上手」といった、心の中に「あの人は日本人ではない」という無意識の壁が常にどこかにあるような気がします。
それに対して、私が感じたニュージーランドの社会は、ニュージーランド人ではないのが重要なのではなく、その人個人がどういう人かが重要なので、特別なことがない限りわざわざ国籍を言うこともありませんし、「ニュージーランド人ではない」と表す場合にも “foreigner” とは言わずに出身地・国籍で表します。
この違いはそれぞれの国の成り立ちや歴史といったところが大きいとは思いますが、「海外出身者=外国人」を “foreigner(s)” と呼ぶのにはやはり違和感を覚えます。
意図的ではないにしても “foreigner” は「外人」と同じく「よそ者」というニュアンスを含んでしまうことがあるのを忘れないでくださいね(特に相手を目の前にして言うととても失礼です)。
一括りに「外人」「外国人」「foreigner」と表現してしまうのではなく、嫌な思いをする人がいるかもしれないと感じたら、別の表現を選ぶことをおすすめします。
「◯◯人」って英語でどう表す?
「彼は◯◯人だよ」や「私は日本人です」を表す英語表現、さらに、英語で言うとちょっとややこしい都市名は以下のコラムで紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてください!↓