今回は「未来」のことを表す文法のお話です。
以前、未来を表す表現として “will” と “be going to” を紹介しましたが、実際には現在形や現在進行形で未来を表すこともあります。
これって、皆さんどうやって使い分けていますか?
ちゃんと使い分けられていますか?
“will” や “be going to” 以外で表す未来
“will” と “be going to” で表す未来のことについては、以下のコラムをご覧ください↓
“will” でも “be going to” でもない【現在進行形を使った未来】をまずは見てみましょう。
例えば、こんな文章です。
- I’m visiting a friend in Paris next month.
現在進行形で未来を表す場合って、学校でこう教わりませんでしたか?
「直近の未来は現在進行形で表すことができる」と。
私はこれが全く理解できませんでした。
直近って、いつまでが直近なんでしょうか…?
どれぐらい先のことまで現在進行形で表せるのか
皆さん、どれぐらい直近のことだったら現在進行形を使っていますか?
また、どれぐらい先だったら “will” を使いますか?
実はこれ、全然意味がない議論なんです。
来週のことを “What are you doing next Sunday?” と聞くこともできますし、逆に、今すぐのことでも “I’ll go and shut the door.” のように “will” を使うこともあります。
では、未来を表す【現在進行形】って、どう使えばいいのでしょうか?
実は、一番重要なのは「どれぐらい先か」ではないんです。
現在進行形で表す未来
いつもオススメしている English Grammar in Use の出番です。今回のテーマもバッチリ分かりやすく英語で説明されています。
【現在進行形を使う未来】の解説はこうです↓
I’m doing something (tomorrow) = I have already decided and arranged to do it
話している時点で「すでに決定していて、準備したり手はずを整えたりしている未来のこと」を表す場合に現在進行形が使われるんですね。
すでにもう物事が「進んでいる」感じが進行形から感じ取れます。
- What are you doing on Saturday evening?
– I’m going to the theatre. - What time is Cathy arriving tomorrow?
– Half past ten. I’m meeting her at the station.
そして、こんな注意書きもあります。
‘I’m going to (do)’ is also possible in these sentences:
- What are you going to do on Saturday evening?
But the present continuous is more natural for arrangements.
“be going to 〜” は「〜するつもり」とすでに決めている未来のことを表す場合に使うんでしたよね。
でも、決めただけではなく、具体的に準備したり手はずを整えたりしていることを表すには、”be going to” よりも現在進行形の方がナチュラルだと書いてあります。
さらに、現在進行形で表す未来のことに関して、こんなことも書いてあります。
Do not use will to talk about what you have arranged to do.
すでに具体的に手はずを整えたりしていることに関してwillは使わない、とハッキリ書いてあります。
例えば、こんな例文があります。
- Alex is getting married next month.
“will” でも “be going to” でもない、現在進行形が使われている理由が分かりますよね。
これが話されている時点で、来月の結婚はすでに計画されていて、しかも準備が進んでいるからです。
ではこれを踏まえて、下の2つの文章の違いを考えてみましょう。
- I’m going to visit my sister when I’m in Kyoto.
- I’m visiting my sister when I’m in Kyoto.
上の文章は「妹(もしくは姉)を訪ねるつもりをしている」ぐらいの意味ですが、下の文章では具体的に計画が進んでいることが分かります。すでに日程も決まっていて新幹線などの手配を済ませているのかもしれませんね。
簡単に言ってしまえば、自分のスケジュール帳に書き込むような具体的に計画した個人の予定には現在進行形を使うのが自然ということですね。
しつこいようですが、もうすでに計画して動き出している感じが、現在進行形にあらわれています。
■関連記事はこちら:「もうすぐ子どもが生まれます」はどう表す?
現在形で表す未来
【現在形で表す未来】は、タイムテーブルや時刻表に載っていることや、動かない確定した未来のこと、不変の事実を表す場合です。例えば、
- The train arrives at 10:15.
電車は10時15分に到着します - The sale ends tomorrow.
セールは明日で終わりです - It’s Wednesday tomorrow.
明日は水曜日です
などですね。現在形が「いつもそうだ(そうしている)」という習慣を表す場合に使われることからも、変わらない・動かないというイメージができると思います。
そして、今回のコラムの内容を踏まえると、こんな未来を表す文章がすんなり理解できると思います↓
- I’m meeting her at the cinema at 11:15 tomorrow because the film starts at 11:30.
いかがですか?スッと分かりましたか?
■ “will” と “be going to” の使い分けについては、こちらも参考にしてくださいね!↓
■「未来=will」と暗記している人は要注意です↓
■ “meet” と “see” の「会う」の使い分けはこちらで詳しく紹介しています↓