友達に「会う」「会った」を表すときに “meet” と “see” のどちらを使うのか悩んだことはありませんか?
そもそも「(人と)会う」を意味する “meet” と “see” の違いって何なのでしょうか?
今回は、そんな “meet” と “see” の「会う」の違い・使い分けをおさらいしたいと思います!
「〜に会う」は “meet”?”see”?
あなたにBenという友達がいるとしましょう。
何日か前にBenと会ってご飯を食べたのを別の友人に話す時に、日本語では「こないだBenに会ったよ」なんて言いますよね。
これを英語で言うとしたら、どんなふうに表現しますか?
- I met Ben the other day.
- I saw Ben the other day.
こんな場合、実際には “see(saw)” がとてもよく使われます。
それは一体なぜなのでしょうか?
“meet” の「会う」の意味
まずは “meet” の意味からおさらいしてみましょう。
そもそも、”meet” とは、2つ(もしくはそれ以上)のものが「(出)合う」イメージです。例えば、道と道が交わったり川と川が合流したりするのも “meet” で表します。
つまり、人と人の “meet” が表すのは「(出)会う」というニュアンスです。
このイメージを持つことがとっても大切です。
①「(〜と)初めて会う」の “meet”
“meet” が使われる代表例は「(〜と)初めて会う、出会う」の意味です。
「初めて会って知り合いになる」というところまでが意味に含まれていて、それまで他人同士だった人たちが、その時点で「合う=出会う」イメージです。
- Nice to meet you.
初めまして(お会いできて嬉しいです) - Have you met John?
ジョンに会ったことある? - We met at work.
私たちは職場で出会いました - I met Tom about ten years ago.
トムとは10年ぐらい前に出会いました - I’m going to meet my sister’s boyfriend tomorrow.
姉(妹)の彼に明日初めて会います
などが代表的な例ですね。
②約束した時間・場所で「会う」の “meet”
2つ目の “meet” は「約束した時間や場所に誰かに会いに行く」という意味の「会う」です。
ここで一つ注意しておきたいのは「会って楽しい時間を過ごす」という意味ではなく、お互いが特定の時間や場所で「合う=出会う」ことにポイントがあるのが “meet” です。
なので「待ち合わせる」に使うことが多く、「時間(いつ)」や「場所(どこで)」を表す語句と一緒に使われることがとても多いです。
- I’ll meet you in the bar at seven.
7時にでバーで会いましょう - Why don’t we meet for lunch tomorrow?
明日、会ってランチしない? - Sara and I are meeting at ten.
サラと10時に会うよ(待ち合わせしてるよ) - Meet me at ABC cafe.
ABCカフェで会おう(待ち合わせしよう) - I‘m meeting someone here.
ここで人と待ち合わせしてるんだ - Where should we meet?
どこで会う?(待ち合わせする?) - What time should we meet?
何時に会う?(待ち合わせする?) - Hey, are you free tomorrow? Let’s catch up. −Sounds great! I’ll meet you for coffee tomorrow.
「明日ひま?会って話さない?」「いいね!じゃあ、明日お茶しよう(会おう)」
シチュエーションによっては「落ち合う」「集まる」がしっくりくることもありますね。
“meet” に「ばったり会う」「偶然会う」の意味がないわけではありませんが、上の2つの意味で使われることがとても多いです。
■「友達と会う、集まる」には “meet up with 〜” や “get together” もよく使われます↓
“see” で表す「会う」
まず、とっても大事なのは、”meet” と違って “see” には 「〜に初めて出会う」という意味はない、ということです。知っている人に「会う」という意味で使われるのが “see” です。
“see” という単語が持っているイメージは「見える」ですよね。
「会う」という意味での “see” は「出会う」という瞬間の動作ではなく「顔を合わせて話をする、一緒に時間を過ごす」というところにポイントがあります。
立ち話程度のものすごく短い時間でも、何時間でも、それは “see” で表せるんですね。
“see” がよく使われる2つの場合を見てみましょう。
①会ったことがある人に「会う」の “see”
知っている人と話をしたり、一緒に楽しく時間を過ごすという意味での「会う」には “see” を使います。
冒頭に登場した、友人のBenと一緒に食事したという意味での「こないだBenに会ったよ」がこれです。
- I saw Ben the other day.
Benとは「初めて会った」わけではありません。そして、待ち合わせをして、ただ「出会った」ということでもなく「友人と一緒に時間を過ごした」なので “see (saw)” がナチュラルなんですね。
他に “see” を使う例を挙げてみると、
- Good to see you (again)!
また会えて嬉しいよ - It would be lovely to see you soon.
また近いうちに会えるといいな - I‘m seeing Ken today.
今日ケンと会うよ - Can I see you tomorrow?
明日会える? - It’s been so long since I last saw you.
前回会ってからしばらくだね(しばらく会ってないね) - I haven’t seen him for ages.
彼にはもう何年も会っていない
のような場合に “see” が使われます。どれも「初めて会う」「待ち合わせをする」ということを言っているのではありませんよね。
これを派生させると「〜と付き合う」に “see” が使われるのも納得できるのではないかと思います。
- I‘ve been seeing Mike for two years now.
マイクと付き合って2年になります - Are you seeing anyone right now?
今付き合っている人はいますか?
②会いに行く(visitする)「会う」の “see”
“see” は、誰かがいる所に「こちらから会いに行く(こちらに会いに来る)」という “visit” の意味でも使われます。
「出会う、待ち合わせをする」のではなく「会いに行って(来て)話をする、一緒に時間を過ごす」というニュアンスですね。
- I went to see my grandma at the weekend.
週末におばあちゃんに会いに行った - I’m going to see the doctor tomorrow.
明日医者に行くつもりです - I see my therapist every two weeks.
セラピストに隔週で会います
“see” のイメージは「見える」なので「見かけた」場合にも使われますが、会話の流れでどちらか判断できることが多いと思います。
- I saw Lisa yesterday. She was on the other side of the street.
→見かけた(の可能性が高い) - I saw Lisa yesterday and she told me …
→会った
友達に「会った」に “see” がよく使われる理由
では、上で紹介した “meet” と “see” の意味と使い方をふまえると、
- I met Ben the other day.
と言ってしまった場合、相手はどんな意味で受け止めると思いますか?
- 先日ベンに初めて会った
- 先日ベンと待ち合わせをした
の可能性がありますが、”meet” の過去形 “met” は「初めて出会った」と誤解されることが多いので、友人と会って話をしたり一緒に時間を過ごしたことを表すには “saw” が使われることが多いんですね。
実際の会話では “I met Ben the other day.” の一文だけではなく、前後に何を話すかで相手は意図を汲み取ってくれると思うので、それほど神経質になることはないと思います。
ただ、”meet” と “see” の使い分けが曖昧だなぁという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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