今回のテーマの “Nice to meet you.” と “Nice to see you.” は、どちらも誰かに会った時に使う挨拶のフレーズです。
“meet” と “see” には共通した日本語訳がありましたよね。
それは「会う」です。”meet” だけでなく、“see” にも「人に会う」という意味があります。
では、“Nice to meet you.” と “Nice to see you.” の違いは何なのでしょうか?
“meet” と “see” の違い
ポイントは “meet” と “see” の違いにありそうなので、これらの違いを見てみましょう。
「“meet” は約束をして会うことで、“see” は偶然誰かに会うこと」何となくこう思っている人はいませんか?
確かに “meet” は、約束をして会う時に使われることが多いです。例えば、
- Meet me at the office at 3pm.
オフィスで3時に会いましょう - Why don’t we meet for lunch tomorrow?
明日、会ってランチしない?
のような使い方をします。
では、“see” はどんなふうに使われるのでしょうか?
- I saw him at the station.
彼を駅で見かけた - I’ll see you on Monday.
月曜日に会いましょう - I’d like to see Dr.Brown.
ブラウン先生に見てもらいたいのですが
のような使い方もしますよね。
「(人に)会う」という意味では “meet” と “see” の使い分けって微妙です。
上の例文を見る限りでは、約束しているか偶然なのかで区別しているのではなさそうです。
“Nice to meet you” と “Nice to see you” の違い
- Nice to meet you.
- Nice to see you.
これらは両方とも誰かに会った時に使うフレーズですが、“Nice to meet you.” だけは「はじめまして」という意味で、初めて会った人に対して使うフレーズだと習いませんでしたか?
“meet” も “see” も「(人に)会う」という意味があるのに、どうして初対面の人には “Nice to meet you.” なのでしょうか?
実は、そこにはちゃんとした理由があるんです。その理由を知っていると、初対面ではない人に “Nice to meet you.” と言ってしまうとおかしい理由がわかります。

“meet” と “see” の違い
ここで英英辞書を引いてみましょう。
そうすると、“meet” の定義にこんな一文があることに気付きます↓
to see and talk to someone for the first time
Cambridge Dictionary
「誰かと初めて会って話す」という意味です。
“Nice to meet you.” が初めて会う人にしか使えないのは、”meet” にはこの意味があるからなんですね。なので、以前に会ったことがある人に “Nice to meet you.” と言ってしまうと、かなり失礼になってしまいます…。
一方で “see” の定義には、
meet (someone one knows) socially or by chance
と書いてあります。「知っている人に会う」となってますよね。
なので、すでに会ったことのある人には、
- Nice to see you.
- Nice to see you again.
が使われるんです。
“Nice to meet you again.” なんて聞いたことないですよね。それもそのはず、そんな言い方はありません。「初めて会う」のに “again” にはなり得ないからです。
私の個人的な感じでは “Nice to see you again.” よりも、
- Good to see you again.
のほうがよく耳にするかなという印象があります。
“meet” のニュアンス
ネイティブは “meet” と言われると「会う」の意味だけでなく「初めて出会う」というニュアンスを感じるようです。なので、友達カップルのなれそめを聞くために、
- Where did you two meet?
2人はどこで出会ったの?
と聞いたりしますが、“Where did you two see?” は絶対に言いません。また、
- I met her at the restaurant.
そのレストランで初めて彼女に出会ったんだ
とは言いますが、この意味で “I saw her at the restaurant.” とは言いません。
「初めて出会う」には絶対に “meet” しか使えません。逆に言えば「初めて」という表現をわざわざしなくても「初めて会う」というニュアンスになり得るんですね。
別れ際には “Nice meeting you.” も使える
誰かと初めて出会って、少し話をした後の別れ際には、
(It was) nice meeting you.
お会いできてよかったです
が使われることもあります。ただ、この “(It was) nice meeting you.” は、出会った時の最初の挨拶(はじめまして)としては使えないので注意してくださいね。別れ際の時にだけ使えます。
そして実は、別れ際にも、
(It was) nice to meet you.
と言っても全くおかしくないんです。例えば、“It was so nice to meet you, Ben(相手の名前).” みたいな感じですね。私はむしろこちらを耳にすることが多いです。
“lovely to meet you” も使える!
イギリス英語では “Nice to see you.” や “Nice to meet you.” と言う場面で、
と言うこともあります。ニュージーランドもイギリス英語の影響が強いので、“lovely” をめちゃくちゃよく使います。
■“lovely” について詳しくはこちらを参考にしてみてください↓
■“meet” と “see” の違いをもっと詳しく知りたい方はこちら!↓
■“Nice to meet you.” と言われたらどう返す?
■「会う」と言えば、誰かと道で「ばったり会う」にはこちらのフレーズがとてもよく使われます↓
■誰かと会って「知り合いになった」と言う場合には “become” は使わずに、あるフレーズを使います↓
■初対面の人の名前を聞くナチュラルな方法、自己紹介で使えるフレーズはこちらで紹介しています↓