英語ってハッキリとモノを言うイメージがありませんか?でも実は、英語にも「やんわり」表現する方法があります。
遠回しに言ったほうが相手に対してやわらかい印象を与えるのは、英語でも日本語でも同じです。
特に注意したいのが、相手の意見を否定する時。「この言い方でいいのかな?」と、自分の言い回しが心配になったりすることもあるかと思います。
そこで今回は、私がニュージーランドでネイティブから学んだ【やんわりと相手の意見を否定する言い方のコツ】を紹介したいと思います。
とっても簡単なので、今日から早速使えますよ!
相手を否定しないよう主語に注意
まずは日本語で想像してみて下さい。
「君、間違ってるよ」
「君の言っている事は間違ってるよ」
この2つのうち、どちらの方が否定されている感じが強いですか?
私は一つ目の「君、間違ってるよ」という文だと思います。
よっぽどのことではない限り、否定するのはあくまでも「相手の言っている事」であって「相手の人」ではないはずです。
これは英語でも同じで、“You’re wrong.” よりも、
- That’s wrong.
の方が、相手にムッとされにくいです。でも、“That’s wrong.” もまだまだズバッと度合いが高いですよね。
もっとやわらかい表現にする方法を見てみましょう。
【not+反対語】使って否定する
これはネイティブと話をしていて、私がいつも感じることなのですが、相手の意見を否定する時には、
not+反対語
をとても上手に使います。どういうことかと言うと、例えば「間違ってるよ」と言う場合には “That’s wrong.” と言われることはあまりなく、
- That’s not right.
- That’s not correct.
という表現をよく耳にします。
「間違っている」は “wrong” や “incorrect”という単語がちゃんとあるのですが、そこで敢えて遠回りをして、“wrong” の反対語 “right” や、“incorrect” の反対語 “correct” を使って、それを “not” で打ち消すんですね。
他にも「そのアイデアはいまいちだね」も “That’s a bad idea.” とは言わずに、
- That’s not a good idea.
と言ったり「私はその意見に反対です」と言う時にも、ズバッと “I disagree with you.”と言うのではなく、
- I don’t agree with you.
と少し遠回りした言い回しにします。

“very/really/quite” などを使って否定する
【not+反対語】を使うときには、 もう一つポイントがあります。
それは、“very/really/quite/entirely/exactly” などを一緒に使って、
not+very/really/quite/entirely/exactly+反対語
にすると、もっと柔らかく否定する印象になります。例えば、
- That’s not a good idea.
→ That’s not a very good idea. - That’s not right.
→ That’s not quite right.
→ That’s not entirely right. - It’s not what I want.
→ It’s not exactly what I want.
みたいな感じですね。
「自分の意見は違う」と伝える
一番最初の “You’re wrong.” よりはだいぶやわらかい印象になってきましたが、もっと間接的にすることができます。その方法は、
「それはこうではない」と事実関係を否定するのではなく「私はそうは思わない」と、自分の意見にしてしまう
という方法です。そうすると、相手が間違っているどうのこうの、というのではなく、あくまでも「自分の意見は違うんです」と相手を否定せずに伝えることができます。
これを英語にしたら難しそうですか?
そんなことはありません。とっても簡単です。
文の一番前に “I don’t think” をつけて、後ろの部分を肯定形に変えるだけ。
- That’s not a very good idea.
→ I don’t think that’s a very good idea. - That’s not quite right.
→ I don’t think that’s quite right.
となります。どうですか?“You are wrong.” と言われるより、こう言われた方がズバッと斬られた感じがしませんよね。
こう言われると、相手の意見はどうなんだろうと自然と耳を傾ける気持ちにもなってくるから不思議です。
他にも「あくまでも自分の意見は〜なんです」と伝えるには、
- In my opinion, 〜.
- Personally, I think/don’t think 〜.
なんかもシンプルですがよく使われますよ。
曖昧な表現で否定することも
相手の意見にやんわりと反対するには「よく分からない」という表現を使うこともあります。
違うと言わない代わりに、賛成してもいないという曖昧な立場をとる感じですね。例えば、
- I’m not sure I agree with you.
- I’m not sure about that.
- I’m not so sure.
のようなフレーズがよく使われます。
“I’m not sure” は本当に「よくわからない」という意味で使われることもありますが、賛成していないことを暗に伝えるニュアンスで使われることも多いんです。
時と場合によって使い分けて
もちろん、いつでもどこでも「やんわり」否定した方がいい、という訳ではありません。ズバッと言わないと伝わらない場面もあります。
でも、相手があまり親しくない人の場合や「これって失礼じゃないかな?」と、相手の気持ちを考えながら丁寧に否定したい時には、今回紹介したコツは役に立つのではないかと思います。
最後にもう一つだけポイントを挙げるとしたら、
いったん共感しておいてから “but 〜” で反対意見を述べる
という方法なんかもよく使われますよ。例えば、
- I see what you mean, but 〜
- I see your point, but 〜
- That’s a good point, but 〜
のような感じです。but の後ろの「〜」の部分には、
- I have a slightly different perspective.
- I see things differently.
なんかをワンクッション置いてから、その後ろで自分の意見を言う方法もありますね。
難しい単語を覚えるのも大切ですが、知っている単語を上手に使いこなすのも会話上手への第一歩です!
■“not the best idea” のように “not the best 〜” という婉曲的な表現もよく使われます↓