「以前は(昔は)〜した/〜だった」を表すフレーズ・単語に “used to” と “would” があります。
この2つ、どうやって使い分けていますか?
“used to” のほうが出番が多いような気もしますが、それにはちゃんと理由があるんです。
今回は、“used to” と “would” の違いを見ていきたいと思います!
“used to” の意味と使い方
「(今とは違って)以前はよく〜した」「(今とは違って)以前は〜だった」のように【過去に習慣的に行っていたこと】や【過去のしばらく続いた状態】を表すのが “used to” です。
発音は「ユーズト」と濁るのではなく、/ˈjuːst/ です。使い方は、
- I used to play football when I was a child.
子供の頃はよくサッカーをした - I used to live in New York but moved to Chicago last year.
前はニューヨークに住んでいたけど、去年シカゴに引っ越しました - I didn’t use to like coffee.
昔はコーヒーは好きじゃなかったんだ
のような感じですね。「今はもうしていない」「今はそうではない」と付け加えて言わなくても、すでにそのニュアンスを含んでいるのが、“used to” の大きな特徴です。
なので、現在と過去の違いを表現するときによく使われるんですね。
“would” の意味と使い方
“would” も「以前はよく〜したものだった」という【過去に習慣的(定期的)に行っていたこと】を表す場合に使います。例文を挙げると、
- I would play in the garden whenever I went to my grandma’s house.
おばあちゃんの家に行くたびに庭で遊んだものだ - When I was young, I would sleep in on Sunday mornings.
若い頃、毎週日曜の朝は遅くまで寝ていたものだ - We would often go camping on summer weekends.
夏の週末はよくキャンプに行ったものだ
みたいな感じですね。「いつ、どんなとき」を表すフレーズと一緒に使うことが多く、頻度は “used to” よりも低くなる場合も。
そして、3つ目の例文のように “often” と一緒に使われることも多いです。
また、“would” は “used to” と違って「(〜の時は)…したもんだなぁ」という、昔のことを懐かしく思い浮かべるような場面でよく使われます。
ただ、“would” を使って「以前は〜だった」という状態を表すことはできません。これは後でもうちょっと詳しく解説します。
“used to” と “would” の大きな違い
ここからは私が感じる “used to” と “would” の大きな違いを書いてみたいと思います。
この2つ、両方とも昔(以前)のことを表すときに使われる、という点では同じですよね。ただ、焦点が当たっている場所が少し違うような気がします。具体的にどういうことかと言うと、
- used to:「今は違うけど、昔は〜だった」
つまり、昔のことを言いつつもポイントは「今はそうではない」という【現在】にある - would:「昔はよく〜したものだった」
つまり、昔のことにポイントがある
ということです。“would” を使う場面で “used to” を使うこともできますが、そうすると「今は違う」という【現在】にポイントが置かれるように思います。
“used to” しか使えない場合
先ほどちらっと触れましたが、過去と現在の状態の違いを表す場合には “used to” しか使えません。“would” は使えないんですね。
- There used to be a bookshop over there.(× There would be 〜)
あそこには昔本屋さんがあった - Didn’t you use to have long hair?(× Wouldn’t you have 〜)
以前はロングヘアじゃなかった? - I used to like dogs.(× I would like dogs)
昔は犬が好きだった - I used to live in the UK.(× I would live in 〜)
昔、イギリスに住んでいました
どれも、状態を表す動詞が使われていることに注目してくださいね。そして「今は違う」ということにポイントがあるのを思い出してください。
つまり、今とは違う【過去の習慣】も【過去の状態】もどちらも表せるのは、“used to” だけ、ということになります。なので “used to” を使う機会の方が多いんですね。
“used to” も “would” もどちらも使わない場合
最後に、意外と間違えやすい “used to” も “would” も使わない場合を少しだけ見てみましょう。
「どれぐらいの期間」を表す具体的な表現が入っている文では、シンプルに過去形を使って、
- I lived in Canada for fifteen years.
カナダに15年住んでいました
(I used to live in Canada for many years. はOK)
となりますのでご注意を。
■“used to do/be” と “be used to 〜” は間違えやすいので注意です↓