本当に宇宙旅行を実現してしまった、ZOZOの創業者である前澤友作さん。
3年前、宇宙開発を手掛けるアメリカの企業SpaxeX社が開いた会見で、前澤さんが宇宙旅行に行くことを発表していました。
その記者会見の自己紹介の中で “You can call me ‘MZ’.” と言っていましたが、この「MZ」、あなたならどんなふうに読みますか?
今回はアルファベットの「Z」の読み方のお話です。
「Z」の読み方は「ゼット」じゃない
「アルファベットの『Z』は何て読む?」と聞かれたら、日本では「ゼット」と答える人が多いかもしれませんね。
でも、学校では「英語でZは『ズィー』と読む」と習ったと思います。
そして、冒頭に出てきた前澤氏も、自己紹介の中で「You can call me MZ(エムズィー)」と言っていました↓
辞書を引いてみても、確かに /ziː/ という発音が載っています。
でも、実は「Z」には /ziː/ 以外の読み方もあるんです。
「Z」の発音は必ずしも「ズィー」ではない
学校で /ziː/ と読むと習った「Z」は、ニュージーランドでは /ziː/ とは発音しません。
では、なんと発音するのか?
答えは /zed/ です。
「Z」を /zed/ と発音するのはニュージーランドだけでなく、イギリス・オーストラリアなどでも同じです。つまり「Z」の読み方は、
/zed/ → イギリス英語
/ziː / → アメリカ英語
という違いがあるんですね。
学校で習ったのはアメリカ英語だったわけです。
「Z」の日本語読み「ゼット」はイギリス英語が変化して広まったのかもしれないですね。
「Z」の読み方は zed、なニュージーランド
ニュージーランドでは、New Zealandを省略した「NZ」がいろんなところで使われていたり、ウェブサイトのURLが「〜.co.nz」で終わるものも多く、とにかく「NZ」という言葉をよく耳にします。
発音はもちろん /en zed/ です。
大手銀行の「ANZ」は /eɪ en zed/、テレビ局の「TVNZ」も /tiː viː en zed/ というふうに読みます。
↓ ニュージーランドではおなじみの「The Cylinder Guy」という企業のCM。軽快な「♪ cylinderguy.co.nz(dot co dot nz)」というフレーズがしつこいぐらい流れます(笑)
イギリス英語の意外な盲点?
アメリカ英語とイギリス英語の違いと言えば、スペルや発音の違い、使う単語の違いなどがよく挙げられます。
でも、アルファベットの読み方というこんな基本的なところにも違いがあったんですね。
私はニュージーランドに来てすぐの頃、「Z」を /zed/ と発音することを知りませんでした。
そんな時、上に出てきたANZという銀行に行きたくて、街行く人に場所を聞いたものの /eɪ en ziː/ と言っていたのでなかなか通じなかったことを、今回の前澤氏の動画を見てふと思い出しました。
イギリス英語圏では「Z」を /ziː/ と読むと伝わりにくい、また逆にアメリカで /zed/ が伝わりにくいこともあるかもしれないので、気をつけてくださいね。
「H」の発音は「ヘイチ」?
ちょっと変わった発音は「Z」だけでなく、ニュージーランドやオーストラリアでは「H」も「エイチ」と発音しない人が結構多いんです。
では、どう発音するのか?
それは「ヘイチ」です。ビックリしますよね。私も初めて聞いたときは耳を疑いましたが「ヘイチ」と言う人が多いんです。
名前などのスペリングを説明するときにも、例えば「Hannah」さんだったら「ヘイチ、エイ、〜」のようになります。
もちろん全ての人が「ヘイチ」と言うわけではなく「エイチ」と言う人もいて、どちらでも通じますが「ヘイチ」と言う人に出会ったら「あぁ、Hのことだな」と思い出してみてくださいね。
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