「エコ」「環境にやさしい」「地球にやさしい」といった言葉を目にしたり耳にする機会は多いですよね。
そこで今回はこれらを英語で何と言うのかを紹介したいと思います。
地球環境を守るためには、節電・節水する、資源を無駄使いしない、買い物にはマイバッグを持参する…などいろんな方法がありますが、今回は特に「ゴミ」に焦点を当てた英語表現も紹介します!
「環境にやさしい」「地球にやさしい」「エコ」を英語で言うと?
日本では環境保護や環境に配慮したという意味で「エコ」が広く知られていますよね。
英語でも「地球、環境にやさしい」を表すときに使われる、”eco-friendly” という形容詞があります。
“eco-” は「環境の、生態の」、そして “-friendly” で「〜にやさしい、〜に配慮した」を表すので、”eco-friendly” が「環境にやさしい」になるんですね。
- I use eco-friendly products whenever possible.
私はできる限り環境にやさしい商品を使っています
日本語では「エコ」ですが、英語の発音は /iːkəʊ/ なので注意してくださいね。
「環境にやさしい」を表す別の表現には、”environmentally-friendly” もあって、これが結構よく使われます。
“environmentally(環境的に)” に “-friendly” がくっついているので、そのまま「環境にやさしい」を表すんですね。
- Excessive packaging is not environmentally-friendly at all.
過剰包装は全然環境にやさしくない
さらに、”green” も「環境にやさしい、環境に配慮した」という意味で使われます。
- I’ve decided to go green.
エコになる(エコな生活をする)ことにしたんだ - Green products are gaining in popularity.
環境にやさしい製品(エコ製品)は人気が高まってきている
“eco-friendly” にまつわる英語表現
以前、ウミガメの鼻にプラスチックストローが刺さった動画が世界的に話題になりましたよね。また、死亡したクジラの体内から大量のプラスチックごみが発見されたこともありました。私は海洋プラスチック問題に詳しいわけではないですが、それでもこのままではいけないと感じました。
SDGsという言葉も耳にタコができるぐらい皆さんよく耳にしていると思いますが、ゴミ問題は一番身近で取り組みやすい課題かもしれません。
そこで次はゴミ問題の観点から、エコ関連でよく使われる英語表現をいくつか挙げてみたいと思います。
● reusable:再使用できる、繰り返し使える
“reuse” が「再び使う→再使用・再利用する」なので、それができる(-able)という意味で「繰り返し使える」物を表すときに使われます。
ゴミの削減の話になると、必ずと言っていいほど出てくる単語です。
- reusable bag :エコバッグ、マイバッグ
- reusable (coffee) cup:マイカップ
- Cloth nappies are reusable.
布おむつは繰り返し使える
ちなみに、日本語でも「リユース」と言ったりしますが、英語で「リユース」と言うと名詞の「再利用すること」を指します。動詞の「再利用する」は /ˌriːˈjuːz/ なので「リユーズ」に近いです。スペリングは全く同じ “reuse” ですが、発音が変わるので注意が必要です!”reusable” は /ˌriːˈjuː.zə.bəl/ と濁りますよ。
● recyclable:リサイクルできる、再生可能なもの
“recycle(リサイクルする、再生利用する)” に “-able” がついて「再生利用できる」という意味で使われたり、”recyclables” で「再生可能なもの」という名詞にもなります。
- Cardboard boxes are recyclable.
段ボール箱はリサイクルできる - Here’s a list of recyclables.
これがリサイクル可能な物の一覧です
● biodegradable:生物分解性の
とても読みにくい単語ですが、これは “bio-(生物の、バイオの)+degrade(分解する)+-able(できる)” なので「バイオの力で分解できる」という意味の単語です。
石油由来ではなく、トウモロコシやサトウキビのデンプンから作られる植物由来のプラスチックでできている製品を表す時によく使われて、例えば使い捨てストロー・スプーン・フォーク・食品用トレイ・ビニール袋・カップなどに書かれていることがあります。
“biodegradable plastics” は一見したところ普通のプラスチックと変わりないように見えますが、適切な処理をすれば微生物が二酸化炭素と水に分解してくれると言われています。日本語では「生分解性プラスチック」と呼ばれるようです。
● compostable:堆肥にできる
“compost(堆肥にする)” と “-able” から出来上がっている言葉で、そのまま「堆肥にできる」ということです。
これも使い捨てのコップなどに書かれていることがありますが、適切な堆肥化施設で処理すると、分解されて栄養のある堆肥にすることができると言われています。
これも複数形の “-s” をつけて “compostables” にすると「堆肥化できるもの」という名詞になりますよ。
● alternative to 〜:〜に代わるもの
ニュージーランドではプラスチックストローに代わって紙製や金属製のストローが出現したり、店でプラスチック性レジ袋を配布するのが違法になったので、それに代わってエコバッグ・マイバッグを持参するのが当たり前になっています。
そんな、これまでにあったものに代わるものを表すときにとてもよく出てくるのが、”alternative to 〜” です。
- Stainless steel straws are an eco-friendly alternative to single-use plastic straws.
ステンレス製ストローは使い捨てプラスチックストローのエコな代替品だ - The most well-known alternative to plastic bags is reusable bags.
ビニール袋に代わる最もよく知られたものはマイバッグだ
● sustainable、sustainability:サステナブル、サステナビリティ
日本でも「サステナブル」や「サステナビリティ」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
英語での発音は /səˈsteɪnəbəl/ ですが、環境について話すときには避けて通れないキーワードだと思います。
“sustainable/sustainability” とは英英辞書によると、
【sustainable】using methods that do not harm the environment so that natural resources are still available in the future
【sustainability】the idea that goods and services should be produced in ways that do not use resources that cannot be replaced and that do not damage the environment
(Cambridge Dictionary)
という意味で、日本語では「持続可能な」「持続可能性」と訳されたりしますよね。SDGs(Sustainable Development Goals)も日本語では「持続可能な開発目標」です。
このまま環境を破壊し続けていくと、温室効果ガスによって気候変動が深刻化したり、生態系が変わってしまったり、天然資源もなくなってしまいます。これはサステナブルではありません。
そうならないために環境に害を及ぼさないような物やサービス・方法・社会の仕組みなど考えて実行していこう、ということですね。
環境のためには “Reduce waste” が大切
近年、ゴミを減らすためにいろんな工夫がされています。
上で紹介したような、使い捨ての物を “compostable” や “biodegradable” にするのも、その一つだと思います。そのままだと半永久的にゴミとして残り続けるものを何とかして減らそうという動きですね。
こういった製品を選んで使えばエコな感じがしますが、実はそれほどエコではないと指摘されています。
堆肥化するためには家庭用ではない堆肥化処理施設で管理された条件下で処理しないと堆肥にならなかったり、適切な処理方法を取らないと自然に還らない上にメタンガスが出るとも言われています。そして、海に流れてしまうと分解されません。結局はゴミになるんですね。
そこで、環境のためにとても大切なのは【reduce waste】だと私は思います。ゴミにならないものを作る・使うのではなくて「ゴミを出さない、減らす」ということです。
「Reduce, Reuse, Recycle」という有名な標語がありますが、最も大切なのは3つの中の最初にきている “reduce” です。”recycle” もきちんとした方法でやらないと、結局ゴミになってしまったり、リサイクルのためにさらなる資源が必要になったりします。
必要のないものや使い捨てのものはできる限り買わない・使わない。そうすることで輸送やゴミ処理の際に出る二酸化炭素の排出量が減らせたり、製品を作る際に必要な水の使用量を削減することもできます。
ゴミから地球環境を守るためには、物を作る側・サービスを提供する側だけではなく、使う側の責任も大きいです。本当に必要なものを見極めて、繰り返し使う(reuse)、ゴミを減らす(reduce waste)のが「環境にやさしい」行動になるのではないかと思います。
…とは言え、習慣を急に変えるのは難しかったりしますよね。価格が安いほう・便利なほうについ流れてしまうこともあると思います。
まずは、常にマイバッグを持ち歩く、繰り返し長く使えるものを買うなど、自分にできそうなことから始めてみませんか?
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