この英語っぽいのに通じない単語シリーズは毎回「○○編」というタイトルでお届けしていますが、今回は「セレブ」という言葉にしぼってみたいと思います。
「セレブ」という言葉、日本語でもすっかり定着してますよね。
もちろん英語から来ている言葉なのですが、実はこの「セレブ」は英語で使うときにはちょっと注意したい単語なんです。
「セレブ」の意味とは?
「セレブ」という言葉を聞いた時、どんな人を思い浮かべますか?
ハリウッドスターや世界的に有名なスーパーモデルなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。
では、こういった人たちに共通している「セレブ」のイメージって何でしょうか?
それは《ゴージャスでお金持ち》なイメージですよね。
友達がモナコに10日間行ってきたと聞いて「うわっ!セレブー!」と言っても、日本語では変な会話ではないですし、日本には『鼻セレブ』をはじめとして「セレブ」が商品名に入っている物も発売されています。
そんな「セレブ」もやっぱり《お金持ち・上流階級・高級感・贅沢感》というイメージで使われています。
英語の “celeb” ってどんな意味?
日本語の「セレブ」は言うまでもなく英語の “celeb” から来ています。
そして “celeb” とは “celebrity” の略です。
その “celebrity” を早速、英英辞書で調べてみました。すると、こんな定義が書いてあるんです↓
a famous person, especially in entertainment or sport
(オックスフォード新英英辞典)
ハリウッドスターも世界のスーパーモデルも間違いなく “celebrity” で、何かあった時にマスコミに騒がれるような「有名人・著名人」たちが “celebrity” です。
でも、ここで間違ってはいけないのはお金持ちであるかどうかは関係ない、ということです。有名な人であれば “celebrity” なので、極論を言えば貧乏な “celebrity” も十分存在します。
でも、有名人はたいていがお金持ちだったりするので、日本語の「セレブ」はそこから意味が派生したのかもしれませんが、英語本来の意味で正しく使われていないという点では「セレブ」は和製英語になってしまいます。
“celebrity” の使い方
基本的にはスターや有名人を指して “celebrity (celebrities)” という使い方をしますが、テレビを見ていると “celebrity chef” という人たちもよく登場します。
これって、どんな人をイメージしますか?
日本語の「セレブ」のイメージだと、セレブなシェフ?とイメージしにくいですが、イタリアンの落合シェフやフレンチの鉄人の坂井シェフは “celebrity chef” です。他にもたくさんいらっしゃるはずですが思い浮かびません…。
そんな有名シェフを日本語では「セレブなシェフ」とは言いませんよね。でも、英語では “celebrity chef(有名シェフ)” と表現するんです。
また、”celebrity” はアクセントにも注意です。
日本語の「セレブ」は「セ」にアクセントがありますが、英語の “celebrity” は /səˈlebrəti/ なので「レ」にアクセントがあります。
「セレブ」と “celeb/celebrity” の違い
日本語の「セレブ」と英語の “celebrity (celeb)” の違いは何となく掴めましたか?
日本語で話す場合には全く問題ありませんが、モナコに10日間行った海外の友達に “You’re a celeb!” と言うと、ちょっと話が通じなくなってしまいます。
どんなにお金持ちでゴージャスでも、有名ではない人に “celebrity” は使いません。ましてや、物に対しては絶対に使わないので注意してくださいね。
「英語っぽいのに通じない単語」シリーズ
こんな感じで、英語っぽいのに通じない単語たちを少しずつ紹介しているこのシリーズ。
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