ちょっと意識したい “can” と “do” の使い分け

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今回は問題からスタートしてみましょう。以下の文章を英語にしてみて下さい↓

「あなたはお酒が飲めますか?」

さて、あなたはどんな文章を作りましたか?
今回は日本人が混乱してしまいがちな「〜できる」にまつわるお話です。

この記事の目次

「〜できますか?」は英語で?

「飲めますか?」は「〜できますか?」なので、”can” を使って “Can you drink alcohol?” という文章を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。

でも実は、“drink” には「〜を飲む」という意味の他に「お酒を飲む」という意味もあるので、わざわざ “drink alcohol” と言わなくてもいいんです。

これは日本語でも一緒ですよね。「今日飲みに行く?」と言えば、お酒のことです。「何を飲みに行くの?」と聞き返したりはしませんよね。

だからと言って、私の周りのネイティブは “Can you drink?” と聞いてくることはありません。

それはなぜなのでしょうか?

そもそもの “can” の意味

「アルコールを飲める?」という意味で “Can you drink?” は間違いではないかもしれません。実際に、

  • I can’t drink at all.
    私は全く飲めません
  • I can’t drink much.
    私はあまり飲めません

などと言うことはあります。でも、”can” が表す「〜できる」は「〜する能力がある」という意味なので、人に尋ねる時に使うと少し露骨な印象を与えることがあります。

そこで、もっと別の聞き方をすることが多いんですね。

能力ではなく習慣があるか聞いてみよう

ちょっと想像してみて下さい。

ある人と初めて食事に行ったとします。まずはドリンクの注文です。
自分は「やっぱり最初はビールだな」と思っていても、相手がお酒を飲めるか分からなかったら、ちょっと気を遣ってこう聞きませんか?

「お酒は飲まれますか?」「お酒、飲みますか?」と。

この「飲まれますか?」は、もちろん「飲むことができますか」ということを意図しているのですが、実は「飲む習慣があるかどうか」を聞いてます。

こんなふうに「習慣があるかどうか」を尋ねる方がナチュラルなので、英語ではよく使われるんです。それを英語にしてみると…

Do you drink?

ですね。シンプルに現在形を使えば、習慣をあらわすことができます。

そうすると、お酒が飲めなくて飲まない人も、実際には飲めるけど「今は飲まないようにしている」ような人も “No, I don’t drink” と答えることができます。

Deschutes Beer

ちなみに、”Can you drink” がよく使われるのはこんな場合ではないかと思います↓

  • Can you drink the tap water?
    水道水は飲めますか?
  • Can you drink coffee while pregnant?
    妊娠中にコーヒーを飲んでもいいですか?

後ろに「〜を」が入って「〜を飲んでもいい」というニュアンスで使うことが多いように感じます。

「日本食は食べられますか?」を英語で

「〜は食べれますか?」

これも「お酒は飲めますか?」とよく似た類いの文章ではないかと思います。これも、その習慣があるかどうかと質問するとうまく伝わりやすいです。

  • 日本食は食べられますか?
    → Do you eat Japanese food?

のような感じですね。もし “Can you 〜?” と聞いても間違っている訳ではないので、心配しないで下さい。その場合は “Yes, I can. But I don’t.” という答えが返ってくることがあるかもしれません。

また、相手が食べられる(飲める)かを聞きたい時には「好き?」と質問することも多いです。

  • 日本食は食べられますか?
    → Do you like Japanese food?
  • 納豆は食べれますか?
    → Do you like natto?
  • ビールは飲めますか?
    → Do you like beer?

そうすると「食べたことがない」「お寿司が好き」「あまり食べない」「飲めるけど普段は飲まない」などと答えてくれるからです。

納豆のように日本独特の食べ物だったり、あまり海外では食べないような食材の場合は “Have you eaten natto before?” のように「食べたことある?」と聞いてみてもいいですね。

natto-maki

また、友達を家に呼んで夕食をごちそうするような時に「食べれないものある?」と聞いたりしますよね。これも、

  • Is there anything you can’t eat?
    →アレルギーや医者に止められているなどの理由があって食べることができないものを聞く
  • Is there anything you don’t eat?
    →嫌いなものや習慣的に食べないものも含めて聞く

という違いがあります。

■海外のレストランのメニューで見かけるアレルギー表示、さらに店員さんが接客で使えるフレーズはこちらで紹介しています↓

“Can you speak English?” か “Do you speak English?” か

「英語が話せますか?」と聞きたい時に “Can you speak English?” と言うと失礼になるので、”Do you speak English?” を使ったほうがいいと聞いたことありませんか?

その理由もこれと同じです。

英語という「言語を話す」という習慣があるかないかを聞く時に、能力を問う “can” に不自然さを感じる人もいます。なので、

  • 何カ国語話せますか?
    → How many languages do you speak?
  • 私は英語と日本語が話せます
    → I speak English and Japanese.

のような「話します」「話しません」がよく使われるんです。

直訳は危険なことも

日本語の文章をそのまま英語に直訳してしまうと、何だか不自然な文章になってしまうことってよくあります。

単語を覚えることも大事ですが、単語単体でなく、フレーズで覚えたり、こんな場面ではこういう言い方をする、といったように実際に使われている英語表現から学ぶというのは「伝わる英語を身につける」ためにも、とても大切なことだと思います。

直訳と実際に使われているフレーズが違うものを紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください!↓






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