『シンデレラ』というお話がありますよね。ほとんどの人がご存知だと思います。
有名なのはディズニーのものですが、シンデレラといえば女の子が憧れるようなキラキラしたお姫様、というイメージではないでしょうか。
でも「シンデレラ」の本当の名前は「シンデレラ」ではなく、あだ名の「シンデレラ」にはそんなキラキラしたイメージとはほど遠い意味があるって知っていましたか?
「シンデレラ」の本当の名前は?
意地悪な継母にいじめられるシンデレラが、ある日魔法でキレイになって舞踏会へ行き、そこで王子様と出会いながらも、魔法が解けてしまう夜12時になったので急いで帰ることに。
その途中で脱げてしまったガラスの靴が決め手となって、シンデレラは王子様と再会することができ、結婚して幸せに暮らしました。
…というのが大まかなストーリーですよね。
「主人公の名前は?」と聞かれたら、誰もが「シンデレラ」と答えると思います。
でも、私が持っているディズニーの子供向けの洋書『Cinderella』によると、シンデレラの本当の名前は「シンデレラ」ではないんです。この本は、こんなふうに始まります↓
Once upon a time, in a faraway kingdom, there lived a widowed gentleman and his lovely daughter, Ella.
「奥さんに先立たれた紳士と美しい娘Ella(エラ)が住んでいました」とありますよね。
そうなんです、Ella(エラ)こそがシンデレラの本当の名前なんです。
エラがなぜ「シンデレラ」に?
では、なぜElla(エラ)という名前があるのに「シンデレラ」になったのでしょうか?
エラが「シンデレラ」と呼ばれるようになったのは、エラのお父さんが亡くなってからなんです。
お父さんが亡くなった後は継母のやりたい放題で、エラを小さな屋根裏部屋に追いやり、家事を全部押し付けました。
その家事の中に暖炉の掃除もあったのですが、これが「シンデレラ」と呼ばれるようになった由来なんです。
その経緯もちゃんと本に書いてありました↓
The stepmother gave Ella a little room in the attic, old rags to wear, and all the housework to do.
Soon everyone called her Cinderella, because she got so covered with cinders from cleaning the fireplaces.
着るものとして古い敷き物を与えた…ってどこまで意地悪なの?という感じですが、暖炉(fireplace)の掃除で “cinders” まみれになっていたことから “Cinderella” 呼ばれるようになった、と書いてあります。
では、”cinders” とは何かと言うと…「灰」です。
つまり “Cinderella” は “cinder+Ella” で「灰まみれのエラ」という、かなり残酷なあだ名なんです…
ディズニーランドにいる、あのキラキラしたシンデレラからは想像できないですよね。
「ガラスの靴」は “glass slippers”?
私が『シンデレラ』の本を読んでいて、もう1つ気になったことがあります。
それは、シンデレラが舞踏会に行けるようにと魔法使いがシンデレラを変身させたシーンです。そこに、こんなことが書いてありました↓
With a wave of her wand, she turned Cinderella’s rags into an exquisite gown. On Cinderella’s feet were tiny glass slippers.
魔法の杖を一振りすると、着ていたボロ布がとっても綺麗なドレスになったのは分かります。でも、足にガラスの “slippers” ってちょっと変じゃないですか?シンデレラといえばガラスの「靴」ですよね。「スリッパ」じゃないです。
そこで気になって調べてみたら、なんと “slipper” にはこんな意味がありました↓
A light slip-on shoe, especially one used for dancing (Oxford Dictionaries)
紐やベルトのついていない、舞踏会に履いていくようなスポッと履ける靴のことを “slipper(s)” と呼ぶんですね。
もちろん “slippers” には普通の「スリッパ」の意味もありますが、ここでは違います。
実写版『シンデレラ』も面白い
実は「シンデレラ」の本名がElla(エラ)であるというのは、諸説あるうちの1つのようです。
が、ディズニーの絵本だけでなく、2015年に公開されたディズニーの実写映画『シンデレラ』にも、Ellaが “Cinderella” と呼ばれるようになった経緯がちゃんと登場しています。
そして、この実写映画もなかなかおすすめなんです。
ストーリーが頭に入っていると、英語で見てもそんなに疲れないので、英語音声(や英語字幕)で見ると面白いと思いますよ。
この映画の中にも、ガラスの靴を “glass slippers” と表現している箇所が出てくるので、気になる方はぜひチェックしてみてください↓
とても読みやすい英語で書かれている子供向けの洋書「Cinderella」。
20ページちょっとの薄い本なので、途中で挫折する心配もなく読破できる1冊です↓
DVDを使ったオススメ勉強法
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