“borrow” の意味は?と聞かれたら、ほとんどの人が「借りる」と答えると思います。
辞書を見てみても「(物・金)を借りる」という意味の使い方が詳しく載っています。
でも実は、これ以外にも “borrow” を使う場面があるんです。
“borrow” の意味は「借りる」
まずは “borrow” の意味をサッとおさらいしてみましょう。
基本的な “borrow” の意味は、
to take and use something that belongs to somebody else, and return it to them at a later time
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
です。イメージとしては誰かのものを自分の手元に移動させてきて使う、そして使い終わったらまた相手に戻すのが “borrow” です。なので、動かせる物を「借りる」に使いますよね。
- Can I borrow your pen?
ペン借りてもいい? - Can I borrow $10?
10ドル借りてもいい? - Can I borrow your phone?
あなたの携帯電話借りてもいい?
みたいに、携帯電話ではなくて固定電話を借りる場合には “Can I use 〜?” の方がいいです。これは「トイレを借りる」も同じですね。動かさずにその場で使う「借りる」は “use” です。
“lend” とごちゃごちゃになりやすいですが、これは「貸す」なので意味は反対です。ただ「貸してくれる?」と言う場合には、
- Can you lend me $10?
10ドル貸してもらえる?
とも言うので、確かに混乱しやすいですが、”lend me(私に貸す→私は借りる)” になっているだけです。
また、”rent” も「借りる」ですが、これはお金を払って「借りる」に使われます。例えば、家・部屋や車などですね。イギリス英語ではレンタカーやレンタル自転車などを「借りる」には “hire” を使うことが多いですよ。
ちょっと “borrow” の話から逸れましたが、次は辞書に載っていないけどネイティブがよく使う “borrow” の意味を見てみましょう。
“borrow” は「人」にも使える
辞書には載っていない “borrow” の意味も「借りる」です。
でも、上で紹介したような「(物やお金)を借りる」ではなく「(人)を借りる」なんです。
例えば、仕事で他の部署の人に手伝ってもらいたいことがあったときに、その部署の人に「少しの間、○○さん借りてもいいですか?」みたいに言うことってありますよね。そんな場合に “borrow” を使って、
- Bob, can I borrow Sam for a minute?
ボブ、ちょっとの間サムを借りてもいい?
みたいに言えるんです。人に何かを手伝ってもらいたかったり、助けを借りたいときによく使われる、カジュアルな表現です。
“borrow” の「動かせるものを借りてきて、使い終わったら返す」のイメージを思い出してくださいね。また、
- Can I borrow you for a sec(=second)?
もよく使われるフレーズで「ちょっといい?」「ちょっと手を貸してくれる?」みたいなニュアンスになります。
- Sam, can I borrow you for a second? I’m having trouble receiving emails.
サム、ちょっといい?メールが受信できなくて困ってるんだ
みたいな感じですね。もちろん、”borrow him/her/them” とも言えるので、
- I’ll ask Sam if we could borrow him for a bit.
少しの間手伝ってもらえるかサムに聞いてみるよ
みたいに使うこともできますよ。
アイデアや言葉も “borrow” できる
そして、”borrow” は「物」や「人」にだけでなく「アイデア」や「言葉」などの形のないもの・触れないものを「借りる」にも使えるんです。
この場合は「あとで返す」ことはなくて、実質的には “take” と同じなので「借用する」というニュアンスですね。
- Thanks! I think I’m going to borrow your idea.
ありがと。あなたのアイデア借りようかな - English has many borrowed words from other languages.
英語には他の言語からの借用語がたくさんある
この使い方はたいていの辞書に載っていますが、”borrow someone” とあわせて「borrow は物以外にも使える」ということを頭の片隅に入れておいてくださいね。