「気が緩む」「危機感が薄れる」って英語で何て言う?

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ニュージーランドは世界の国と比較するとコロナを抑え込めていますが、それでも忘れた頃に市中感染者が見つかっています。

そんなときの報道や、気が緩んでコロナ対策を以前ほどきっちりしていないということを表すときによく使われる単語があります。

それが “complacent” です。でも、この単語自体に「気が緩む」という意味があるわけではないんです。

この記事の目次

“complacent” の使い方

これだけコロナが長引いてくると、以前は危機感をもってきっちりしていた対策もだんだん緩くなってきたりしますよね。

特に、感染者が減ったときなんかは「あぁ、もうこれで大丈夫だ」とどこかで安心してしまうこともあると思います。

そんな時に英語でよく使われるのが “complacent” です。意味はあとで紹介しますが、先に使い方を少し見てみましょう。

例えば、ニュージーランドではロックダウンに入って2週間が過ぎた頃に新規感染者が目に見えて減り始めたのですが、そこで保健省長官が、

  • We’ve started well but now is not the time to be complacent. We need to be extra vigilant to move out of Alert Level 4 as soon as possible

と記者会見で述べました。またその後、久しぶりに市中感染者が確認されたときには、

  • People have become complacent.

という表現がよく使われたり、

  • Don’t get complacent.

という注意喚起の言葉もよく聞かれます。では、”complacent” ってどんな意味なのでしょうか?

“complacent” の意味とは

“complacent” は形容詞で、/kəmˈpleɪsənt/ と発音します。英和辞書で引いてみると、こんな意味が書かれています↓

悦に入った、自己満足の、のん気な、心配のない

(ジーニアス英和大辞典)

「自己満足した」と訳されることが多いのですが、そうするとコロナの新規感染者が減ってきて “Don’t get complacent(自己満足するな)” ってちょっと意味が分かりにくいですよね。

私も最初にニュースで使われているのを見てイマイチ意味が掴めなかったのですが、だんだん「気が緩んだ」とか「油断した」といったニュアンスを表すときに使われていることに気が付きました。と言うのも、”complacent” を英英辞書で引いてみると、

(usually disapproving) too satisfied with yourself or with a situation, so that any change is necessary

(オックスフォード現代英英辞典)

[disapproval] A complacent person is very pleased with themselves or feels that they do not need to do anything about a situation, even though the situation may be uncertain or dangerous.

(Collins Dictionary)

too confident and relaxed because you think you can deal with something easily, even though this may not be true

(Macmillan Dictionary)

と書かれています。確かに「自己満足した」なのですが「(危険や不確かな要素があるのに)これでいいや、これで大丈夫」と現状に満足しきっている状態というニュアンスです。「楽観的すぎる」とも言えるかもしれません。

言い換えると、現状に満足して何もしなくていいと感じている危機感が欠如した状態みたいなネガティブな満足で「慢心した」がしっくりくるのではないかと思います。

なので、感染状況が少し落ち着いてきたときに「大丈夫だ」と慢心し、気を緩めて対策を怠ったり、危機感が薄れたり、油断してコロナ前の生活様式に戻ってしまっているような場合に、

  • People have been complacent.
  • Don’t get complacent.

と言われるんですね。”complacent” 自体に「気が緩んだ」「油断した」「危機感が薄れた」という意味があるわけではないですが、慢心からくるこれらを表すことができるのだと思います。

人々が以前ほどコロナ対策をしっかりやらなくなっているときにとてもよく使われている単語です。

名詞は “complacency”

“complacent” の名詞で “complacency” という単語もコロナの報道でよく目にします。

これも「自己満足」という意味で辞書に載っていることが多いですが、ニュアンスは上で紹介したとおりです。現状を変える必要がないと満足している感情で、これもネガティブな意味で使われるので「慢心」がしっくりくると思います。

  • Covid-19: Experts warn against complacency ahead of Labour Day weekend −RNZ
  • NZ could lose Covid-19 gains ‘very quickly’ if complacency sets in, experts warn −TVNZ
  • Health Minister Chris Hipkins has appealed to New Zealanders to use the contact tracer app, saying he believes there is a degree of complacency in this country, even as the risk grows every day. −TVNZ
  • Prime Minister Boris Johnson has said the threat from coronavirus has not faded and that “complacency could be our undoing”. −BBC

ニュージーランドでは市中感染はもうほとんど見つかっていない状況で、実際のところ自分も含めて人々の危機感はかなり薄くなっているなと感じます。

その結果、上の例文にもあるように、立ち寄った店のQRコードを接触確認アプリでスキャンする人が目に見えて減っていたり、店頭の手指消毒液を使う人も以前に比べると少なくなっているように見えます。

ただ、忘れかけた頃に感染者が見つかってニュースになるので、その度に “complacent” になってはいけないなと自分に言い聞かせています。なかなか終わりが見えないコロナですが、皆さんもどうぞお気をつけください。

■「コロナ疲れ」を英語で言うと?

■新型コロナ関連の英語表現の一覧はこちら↓

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