雨が多い季節になってきましたね。
足元がベタベタになる憂鬱を解消してくれる「レインブーツ」。私は「長靴」と言ってしまう派ですが、今はとってもおしゃれな長靴・レインブーツがたくさん売られていますね。
今回はそんな「長靴」のお話です。これって英語でもそのまま “rain boots” って言うのでしょうか?
「長靴、レインブーツ」を英語で言うと?
辞書を引くと「長靴」は “rain boots” と出てきます。
そうなんです。英語でもそのまま “rain boots” と言います。
辞書によっては “rubber boots” とも書かれていますが、”rubber” は「ゴム」という意味なので「ゴム製のブーツ」ということですね。日本語でも「ゴム長」と言うのに似ています。
でも実は、ニュージーランド・オーストラリア・イギリスでは “rain boots” ではなく別の名前で呼ばれているんです。
ニュージーランド・オーストラリアでの呼び方
ニュージーランドでは「長靴」のことを、
gumboots
と呼びます。辞書によっては〔やや古〕と書かれていますが、そんなことはありません。今でもニュージーランドの人たちは「長靴」を “gumboots” と呼び続けていますよ。
私はニュージーランドで初めてこの単語を耳にしたときに「ガンブーツって何だろう?gun?銃?」と思ったのですが、”gun” ではなくて “gum” だということが分かって納得でした。ゴムでできているから “gumboots” なんですね(ワンワードです)。
“gum” は「ガム」と読みたくなりますが、/ˈɡʌmbuːt/ なので「ガンブーツ」と聞こえます。”September” も「セプテムバー」とは言いませんよね。
略すのが好きなニュージーランド人・オーストラリア人は “gumboots” を略して “gummies” とも言います。
イギリスでの「長靴」の呼び方
ニュージーランドもオーストラリアもイギリス英語の影響を強く受けているので、物の呼び方もイギリス英語と同じことが多いのですが「長靴」に関しては違うようです。
イギリスでは “gumboots” ではなく、
Wellington boots
と呼ばれます。略して “wellies” とも言いますよ。
なぜそんな名前?と疑問に思うような名前ですよね。これはナポレオンに勝利した英国の軍人であり、後に首相もつとめた「初代ウェリントン公爵(Duke of Wellington)」の名前から来ていると言われています。
彼が靴職人に作らせたブーツは、足にフィットするよう柔らかい子牛の皮で作られていて、防水のためにロウが塗られていたそうです。このブーツは馬に乗る時だけでなくインフォーマルなイブニングウェアとしても使われ、彼の人気も相まって “Wellington boots” と呼ばれて流行ったそうです。
そしてのちにこのデザインを基にしてゴム製の「長靴」が発明されると、これが “Wellington boots” という名前で残り、今でもこう呼ばれているというわけです。 「長靴」の呼び方一つにも歴史があるんですね。