“rinse(リンス)” ってどんな意味で使っていますか?
昔は「リンス」や「リンスinシャンプー」というものがありましたが、今は「リンス」って見かけないですよね。
この「リンス」は英語の “rinse” から来ています。でも実は、英語の “rinse” はもっと活用範囲の広い単語なので、今回は “rinse” の意味と使い方を取り上げたいと思います!
もやしを “rinse” する?
先日、料理中にふと目に留まった、もやしのパッケージ。「調理の前にはサッと水洗いしてください」と書いてありました。
この「サッと水洗いする」を英語で言うと、もちろん “wash” とも言えるのですが、実は “rinse” がしっくりくるんです。
“rinse” の意味とは
“rinse” には大きく分けて二つの意味があります。
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
- to remove the soap from something with clean water after washing it
- to wash something with clean water only, not using soap
1つ目の意味は「すすぐ」「ゆすぐ」ですね。「(キレイな水で)洗剤を洗い流す」のニュアンスです。
例えば、洗剤が付いたお皿を「すすぐ」や、ハンドソープの泡を水で「洗い流す」、シャンプーを「洗い流す」も全部 “rinse” です。
また、”rinse” は「口をゆすぐ」の意味でも使われます。ニュージーランドでは歯磨きをした後に「水でゆすがない方が(フッ素が残るので)歯にいい」という考え方があるので、
- After brushing your teeth, just spit, do not rinse (your mouth).
歯を磨いたらペッと出すだけで水でゆすがないで
のように言われます。そう言われても私はゆすがずにはいられません…。
“rinse” には「水洗いする」の意味がある
そして、2つ目の意味は少し違います。「洗剤を使わずに水だけで洗う」という意味もあるんです。
「サッと水洗いする」を表す時に特によく使われるので、もやしのパッケージにあった「調理の前にはサッと水洗いしてください」はこんなふうに言えます↓
- Rinse before cooking
ちなみに「もやし」は英語で “mung bean sprouts” と言いますよ。
そして、もう旬は過ぎてしまいましたが、イチゴを「洗う」も “wash” と “rinse” の両方使えます。私はいつも “rinse” して食べるので、
- I always rinse strawberries under the tap before eating.
イチゴを食べる前にはいつも流水でサッと洗います
みたいに言えます。”rinse” には名詞の「すすぎ」の意味もあるので、”Rinse them.(それ、水でサッと洗って)” は、
- Give them a rinse.
とも言えますよ。
そして、私が「え?英語ではそれも “rinse” で表す?」と驚いた食材があります。何だと思いますか?
それは…「お米」です。ニュージーランドではオーストラリアの大手お米会社のお米がスーパーで簡単に手に入るのですが、パッケージに書いてあるお米の炊き方の手順に、
- Rinse rice with cold water
と書かれているんです。お米は「研ぐ」のに、英語では “rinse” なんだ…と思った記憶があります(”wash” とも言います)。
また、ペットボトルなどをリサイクルごみに出す前に「水で洗う」も “rinse” がよく使われる場面です。
- Rinse out before recycling
リサイクルする前に水で洗って下さい - Rinse thoroughly before recycling
リサイクルする前にしっかり水で洗って下さい - Rinse well before recycling
リサイクルする前によく水で洗って下さい - Rinse plastic bottles / milk cartons before recycling
ペットボトル/牛乳パックをリサイクルする前に水で洗ってください
副詞を使うと「さっと洗う」以外の「水でしっかり洗う、よく洗う」も表せますね。
■「資源ごみ」や「生ごみ」「ゴミ箱」など、ゴミにまつわる英語表現はこちらにまとめています↓
洗剤をすすがない、ニュージーランド・オーストラリアの食器の洗い方
最後に、私がオーストラリアとニュージーランドでホームステイをした時にものすごく驚いた “rinse” にまつわる話を。
日本では食器を洗う時に、食器についた洗剤を水でキレイに洗い流すのが当たり前ですよね。ところが、ニュージーランドやオーストラリアでは洗剤がついた食器をすすがない、という習慣が根強く存在しているんです。
もちろん全員が全員ではないのですが、私がホームステイしたオーストラリアとニュージーランドの家庭、どちらも「すすがない派」だったので、初めて見た時はものすごくギョッとしました。
洗い方はこうです。シンクにお湯を張って洗剤を入れ、かき混ぜます。その中で食器を洗って(たいていは “dish brush” と呼ばれるブラシでゴシゴシする)、あとは水切りラックで乾燥させる、もしくは布巾(”tea towel” と呼ばれる)で拭いておしまいです。
なかなか衝撃的じゃないですか?私はどうしてもこのやり方に慣れず、ホストファミリーが見ていない時にこっそり自分のマグだけ水でゆすいでました(笑)
ニュージーランドのAirbnbなどの民泊でも、食器洗いスポンジが見当たらない…ということが多々あります。そんな場合は、下の写真のようなブラシがあるはずなので、これが食器洗い用です。
国が変われば、色んな習慣も違ってくるんですね。
ちなみに「洗剤を洗い流す」は英語で、”rinse the soap off” と言いますよ。