「’」←こういう記号のことをアポストロフィ(apostrophe)と呼びますが、皆さんは英語の「アポストロフィ」の使い方に悩んだことはありませんか?
短縮するときに使ったり、「〜の」を表すときに使われたりもしますよね。でも、普段何となく使っているという方も多いかもしれません。
そこで今回は【短縮形を作るアポストロフィ】の使い方をまとめておさらいしたいと思います!
■所有を表すアポストロフィの「’s」「’」についてはこちらをご覧ください↓
アポストロフィの使い方3つ
まずは「アポストロフィ」は大まかに分けると、以下の3つの使い方があります。
- 短縮形を作る
I’m、She’s、He’ll、They’d など - 所有を表す
Tom’s、my sister’s、children’s など - 文字などの複数形を表す
There are two i’s in ‘Hawaii’.
これらの3つの中でも、今回は1番の短縮形(縮約形)を作るアポストロフィの使い方をおさらいします!
短縮形を使う時、使わない時
“I am” と “I’m” や、”I will” と “I’ll” のように短縮形を使うときと使わないときってどうやって使い分けていますか?
“I’m” や “I’ll” などは単に「短縮した形」とだけ習ったような気もしますが、実際の口語では、その「短縮した形」がとてもよく使われます。
つまり、”I’m / You’re / It’s / He’ll / I’ve / I’d” のような短縮した形が使われるんですね。発音も短縮形のままになるので、” ’m/ ’re/ ’s/ ’ll/ ’ve/ ’d” などのアポストロフィの後ろの音は弱く発音します。
「アイ アム」「ヒー ウィル」「アイ ハヴ」「アイ ウッド」のようにハッキリ離して発音することって、実はかなり少ないです。逆に、強調する場合には口語でも “I am 〜” や “It is 〜” のように言います。
また、短縮形はインフォーマルなので、フォーマルな手紙・メール・論文などでは避けられます。
■詳しくはこちらで紹介しています↓
アポストロフィを使った短縮形一覧
アポストロフィを使った短縮形(縮約形)には、こんなものがあります。
- ’m:am
- ’re:are
- ’s:is、has
- ’ve:have
- ’ll:will
- ’d:would、had
皆さんもよくご存じのものばかりだと思います。
でも、分かっていても意外と混乱しやすいのが、上で太字にした “ ’s” と ” ’d” のように、異なる単語なのに短縮すると同じ形になるものです。
“is” と “has” は短縮すると、どちらも ” ’s” になります↓
- He’s arrived. (=He has)
- John’s gone to work. (=John has)
- He’s sick. (=He is)
- She’s shocked. (=She is)
- It’s going to rain. (=It is)
みたいな感じですね。同じように ” ‘d” も、
- He said he’d call me. (=he would)
- I’d never seen it before. (=I had)
のように “would” と “had” の両方があるので、これらは後ろに来ている単語と文脈で判断するしかないです。
ちなみに、”I have a dog.” のような動詞の “have” は短縮形にできません。助動詞の “have” だけが短縮形できて、” ’ve/ ’s/ ’d” と形を変えます。
- She has a dog.
- She’s a dog.(She is a dog. の意味なら◯)
Who/What/Where/How+短縮形、That/Here/There+短縮形
上の一覧で紹介した短縮形(特に ’s)は、who/what/where/how などにもくっついてよく使われます。例えば、
- Who’s that guy? (=Who is)
- What’s that? (=What is)
- Where’s she gone? (=Where has)
- How’ve you been? (=How have)
のような感じですね。同じように、that/here/there+短縮形も使われますが、これも ” ’s” や ” ’ll” が多いです。
- Here’s a question. (=Here is)
- There’s been a misunderstanding. (=There has)
- That’ll be fine. (=That will)
would/could/should/must+ ’ve
過去のことに対する「〜した/だったかもしれない」「〜できたかもしれない/あり得たかもしれない」「〜すべきだったのに」「〜した/だったに違いない」を表す【would/could/should/must+have+過去分詞】の形は会話にとってもよく登場します。
この真ん中に挟まれた “have” は口語では必ずと言っていいほど ” ’ve” と短縮されることが多く、”I’ve” の場合と同じように弱い「ヴ」で発音されます。
- It would’ve been better. (=would have)
- He could’ve called me. (=could have)
- I should’ve told you. (=should have)
- You must’ve eaten something bad. (=must have)
生活の中のちょっとした後悔を表すときによく使われる “should’ve” は、こちらのコラムで詳しく紹介しています↓
否定形(not)の短縮形 “n’t”
否定の “not” も短縮して “n’t” という形になることがとても多いです。
この “not” の短縮形の作り方は簡単。たいていの場合は、後ろに “n’t” をくっつけるだけです。
- is not → isn’t、are not → aren’t、was not → wasn’t
- do not → don’t、does not → doesn’t、did not → didn’t
- have not → haven’t、has not → hasn’t、had not → hadn’t
- will not → won’t、cannot → can’t
- would not → wouldn’t、could not → couldn’t
否定形の短縮でちょっと注意したいのは、上の太字にした部分です。
“will not” は短縮すると “willn’t” ではなく “won’t” になります。
また、”can’t” の短縮しないバージョンは “can not” だと勘違いしがちですが、実はワンワードの “cannot” が正解です。
短縮形が使えるのは強調されない場合だけ
次の2つの文章を、よく見てみてください。
- Are you hungry? -Yes, I’m.
- Does John like coffee? -No, he doesn’t.
1と2もどちらも短縮形を使って答えていますが、どちらか1つは間違った使い方をしています。
簡単でしたね。2はナチュラルな使い方ですが、1のような形で短縮形が使われることはありません。1の文章では通常、”Yes, I am.” の “am” を強く発音するので、短縮することはできないんですね。
- Do you know what it is?
- I don’t know who they are.
なども文末の “is” “are” を強く読むので、”what it’s” や “who they’re” と言うことはできません。
皆さん何気なく使いこなしていると思いますが、上の方でも紹介した「強調する場合は短縮しない」というルールに基づいているんですね。
“o’clock” のアポストロフィは一体何?
今回はかなり長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
最後に一つ、小話を。”o’clock” のアポストロフィってなぜあるのかご存知ですか?
実はこれは “of the clock” を短縮してるので、アポストロフィが使われているんですね。これも短縮のアポストロフィの1つです。
アポストロフィにまつわるコラム
■ “There is 〜” は “There’s 〜” と略して書くこともありますが、”There are 〜” は “There’re 〜” とは書きません↓
所有の「〜の」を表すアポストロフィの使い方って、意外とうろ覚えだったりしませんか?
■【–’s】と【–’】の使い分けは、こちらで詳しく紹介しています↓
■「〜の」を表す【–’s】と【of】の使い分けについては、こちらも合わせてご覧ください!
■’Tis the season. の ’tis とは何の略?