“Karen”。
どこからどう見ても人の名前ですが、実はある特別な意味を込めて使われるんです。少し前からネットでとてもよく見かけます。
そこで今回は “Karen” とは一体何なのか?どんな意味で使われるのか?というお話です。
“Karen” の意味とは?
“Karen” はネットニュースなどのタイトルにこんなふうに登場します↓
- Karen refuses to wear a mask
(カレンはマスクの着用を拒んだ) - Karen throws tantrum
(カレンは癇癪をおこした)
でも、これらは “Karen” さんという名前の人がやったことではありません。
ザックリ言うと “Karen” とは、自分が気に入らないことがあると、自分の権利を主張して文句を言い、暴走する迷惑な中年の白人女性のことを指す言葉なんです。
“Karen” とはどんな人?
典型的な “Karen” のイメージとしては、レストランや店で何か気に入らないことがあると、すぐに「上司(責任者)を出して」と言う中年の白人女性が挙げられます。
店のスタッフをぞんざいに扱い、自分は常に正しい・自分の主張や権利は受け入れられて当然という態度ですぐ「上の人を出して」と言う人っていますよね。
そんな “Karen” ですが、最近よくニュースで目にするのは「マスク着用を拒否するKaren」です。
コロナ対策でマスクの着用が義務化されると、マスクなしで店に入ろうとすると当然ながら店の人に止められます。そうすると「私は絶対にマスクを着けないわ。私には自由に選ぶ権利がある」などと主張して店側と揉めたり「店に入れないなら警察を呼ぶわよ」とか「訴えるわよ」と言って大暴走する中年の白人女性が “Karen” と形容されます。
周りの人には単なる傍若無人なわがままに聞こえますが、本人たちは自分の主張が正しいと信じ込み、自分は不当な扱いを受けたと思っているのが大きな特徴です。
私が “Karen” の使い方を知ったのは、ネットでよく使われるようになってからですが、この “Karen” はアメリカで以前から使われていたようです。
そんな “Karen” にはいくつかの特徴があって、
- レストランや店でスタッフを見下したような横柄な態度をとる
- 自分には特別な権利があると信じている
- 人種差別的な態度をとる(white privilege)
- すぐに権力に頼り「警察を呼ぶわよ」や「上司・責任者を出しなさい」「訴えるわよ」と言う
こんな白人の中年女性が典型的な “Karen” と呼ばれます。そして、
- She’s such a Karen.
- Karen behavior
- #karen
はどれも、こんな女性のことや言動を指します。
(”Don’t start with me.” は「(その話は)やめてくれ」みたいな、嫌なこと・聞きたくないことを言ってきた相手を牽制するフレーズです)
“Central Park Karen”、”Karen and Ken” とは?
5月に話題になったのはニューヨークのセントラルパークに出現した “Central Park Karen” です。
ある白人女性が犬にリードを付けずにパーク内を散歩させていました。その場でバードウォッチングをしていた黒人男性が「(このエリアの規則に従って)犬にリードを付けて」と注意すると、素直に従うどころかヒステリーを起こして「私は今、アフリカ系アメリカ人の男に脅されている」と警察に通報したんです。
このやりとりを収めたビデオが拡散されると「人種差別だ」と批判が殺到し、彼女には “Central Park Karen(セントラルパークのカレン)” というニックネームがつけられました。
他にも、家の前を通ったデモ隊(黒人が多く参加)に対して、白人の夫婦がライフルと拳銃を向けた動画が拡散されると、この白人の夫婦は “Karen and Ken” と呼ばれるようになりました(”Ken” はKarenの男性版の名前の1つ)。
ミームとして知っておくのはいいと思うけど…
今回取り上げた “Karen” ですが、本当の名前が “Karen” の人は切なすぎますよね…。実際にその名前の人が存在するのに「こんなイメージ」というネガティブなステレオタイプとして使うのってどうなんだろう?と個人的には思います。
今回は、自分では使わないかなと思いつつも、ニュースにもよく出てくるし、私も最初は「Karenって誰?」と思ったので紹介しました。
■”OK, Boomer” も一時期とてもよく耳にした言葉です↓