冬の寒さが増してくると、マフラーやニット帽・手袋が大活躍しますよね。
「ニット帽」は英語で “beanie”、「手袋」は “gloves” ですが、「マフラー」を英語で言えますか?
いかにも英語っぽい響きの「マフラー」は英語でも通じるのでしょうか?
「マフラー」は英語で何て言う?
「マフラー」って英語っぽい響きなので、英語でも “muffler” かと思いきや、そうではないんです。
「マフラー」は英語で、
scarf
と言うのが一般的です。複数形は “scarves” です。
「マフラー」も「スカーフ」も “scarf”
「マフラー」が “scarf” って日本人にはちょっと違和感があるかもしれません。
日本語では「マフラー」と「スカーフ」は別のものを想像しますよね。でも、英語の “scarf” とは、
a strip, square, or triangle of cloth, worn around the neck, head, or shoulders to keep you warm or to make you look attractive
Cambridge Dictionary
という意味なので、首や頭・肩のあたりに巻くものは全部 “scarf” なんですね。
「マフラー」も “scarf”、シルクの「スカーフ」も “scarf”、おしゃれアイテムの「ストール」も “scarf”、そして宗教的な理由などで髪を隠すための “hijab(ヒジャブ)” も “headscarf(もしくは head scarf)” と呼ばれることがあります。
なので、冬に使う「マフラー」と厳密に言いたい場合は “winter scarf” や “warm scarf”、“woolly/wool scarf” みたいに言えば伝わると思います。ただ、それほど厳密に言い分けることはないような気もします…。
ちなみに、上半身をくるっと包み込むように巻いて使う大判のものは “wrap” とも呼びます。また、マフラーみたいだけど輪になっている「スヌード」は英語でも “snood” と言いますよ。
「マフラー」は和製英語ではない
では私たちが呼んでいる「マフラー」って、どこから来たのでしょうか?
私は和製英語かと思ったのですが、実は “muffler” は英語のようです。ただ、英英辞書にはこう書かれているんです↓
(old-fashioned) a thick scarf (= long piece of cloth worn around the neck)
Cambridge Dictionary
old fashioned、つまり古い言い方なんですね。いつぐらいまで使われていたのかは分かりませんが、私自身はマフラーのことを “muffler” と言うネイティブスピーカーに出会ったことがありません。
そこで試しにgoogleで画像検索してみると、エルメスのウェブサイトでカシミアのマフラーが “muffler” として売られている画像が1つ出てきましたが、他は全く違う画像ばかり出てきました。
その違う画像とは、車やバイクの「マフラー」です。“muffler” はこの意味で使われるのが一般的かなと思います。
車やバイクの「マフラー」と首に巻く「マフラー」の共通点
車の「マフラー」と首に巻く「マフラー」は、似ても似つかないですよね。では、なぜ同じ名前なのでしょうか?
これは英語の “muffle” という動詞の意味を知れば納得なんです。“muffle” とは英英辞書によると、
ロングマン現代英英辞典
- to make a sound less loud and clear, especially by covering something
- to cover yourself or another person with something thick and warm
「cover=覆う」がポイントで、何かで覆うことで音を小さくする1番の意味で使われると、車の排気音を抑制する「muffle するもの=muffler」となります。
そして2番の意味は、厚みのある暖かいもので人を覆う、です。“be muffled up in 〜” で「〜にくるまって暖かくして、〜をしっかり着込んで」のような意味で使うので「(首元を)覆って(包んで)暖かくするもの=muffler」ということですね。
覆う(包み込む)もの、のイメージが2つの「マフラー」の共通点です。
■冬には欠かせない「フリースジャケット」。「フリース」の意味とは?
■着膨れしている人に「何枚着てるの?」って英語で何て言う?
■「フェイクファー」を英語で表す時によく使われる、“fake fur” ではない言い方とは?