本物の毛皮みたいに見えるように作られた偽物の毛皮のことを「フェイクファー」と呼びますよね。
冬になるとフェイクファーのコートやジャケット、マフラーやアクセサリーなんかを目にするようになります。
では、この「フェイクファー」って英語で何て言うと思いますか?実は “fake” ではない別の単語がよく使われるんです。
「フェイクファー」を英語で言うと?
「フェイクファー」は “fake fur” とも言いますが、もっとよく使われるのが、
faux fur
という言い方です。
“faux” の詳しい意味は次に紹介しますが「ファー」のスペリングが意外と間違えやすいので注意してくださいね。”far” ではなくて “fur” です。
では、”faux” ってどんな意味なのでしょうか?
“faux” の意味と発音は?
“faux” という単語は日常的によく使う単語というわけではありません。
むしろ、目にしたり耳にしたりする機会はあまり多くないと思います。ところが「フェイクファー」を英語で表す場合にはとてもよく使われるんです。
英和辞書には「人造の、模造の」という日本語訳が載っていたりしますが、英英辞書で “faux” の意味を見てみると、
artificial, but made to look real
(ロングマン現代英英辞典)
と書かれていて、”artificial” は「人工の、人工的な、作り物の」という意味なので「作り物だけど本物に見えるように作られた」ということですね。
フェイクファーはまさに「本物に見えるように作られた人工の毛皮」なので “faux fur” というわけです。
他にも、本物ではない「人工皮革、合成皮革(合皮)」を日本語で「フェイクレザー」と呼んだりしますよね。これも “fake leather” とも言えますが、”faux leather” がよく使われます。
ちなみに、”faux” の発音は /fəʊ/ で「フォウ」に近い感じです。最後のx(エックス)は発音しないので注意してくださいね。
“faux” と “fake” の違いは?
「フェイクファー」は “faux fur” でも “fake fur” でも、どちらでも通じます。そうなると、”faux” は “fake” とどう違うのかが気になりますよね。
そんな時こそ英英辞書の出番です。英英辞書で “fake” の意味を調べてみると、
made to look like a real material or object in order to deceive people
(ロングマン現代英英辞典)
と書かれています。”faux” との違いは定義の後半部分に注目です。「人をdeceive(だます)ために」とありますよね。
つまり、”fake” も “faux” も「本物に見えるように作られている」という点では同じです。ただ、”fake” には「人を騙そうとして本物を装った」というニュアンスがあります。なので「偽造の、偽物の」と訳されるんです。
例えば「fake ID(偽造ID)」や「fake passport(偽造パスポート)」なんかは明らかに人を騙すためのものです。それに比べると、フェイクファーやフェイクレザーは人を騙す意図はないかもしれませんが、”fake” はそのニュアンスを含む場合があるというのは覚えておいてもいいかもしれません。なので、商品を販売しているサイトなんかでは特に “faux” が使われるんですね。
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