先日ふと思ったのですが、日本語の「気をつける」「気をつけて」って便利な言葉だと思いませんか?
危ないから「気をつけて」、体に「気をつける」、誰かを見送るときの「じゃ、気をつけてね」や、足元に「気をつける」など、いろんな場面で幅広く使えますよね。
でも、そんな便利な日本語だからこそ、英語にすると思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあるんです。
今回は、特によく使われる「気をつける」「気をつけて」の英語表現をいくつか紹介します!
“be careful” で表す「気をつけて」
冒頭に出てきたいくつかの「気をつける」場面すべてで “be careful” を使っている人はいませんか?
「be careful=気をつける」と学校でも習いましたし、確かによく使うフレーズです。でも実は、”be careful” は何か危険があるから気をつけて、慎重にねという意味での「気をつけて」なんです。
“careful” を英英辞書で引いてみると、
giving attention or thought to what you are doing so that you avoid hurting yourself, damaging something or doing something wrong
(オックスフォード現代英英辞典)
と書いてあるように、危険を回避したり何かよくないことをしないように、注意を促すといったニュアンスですね。
- Be careful when you drive a car.
車を運転する時は気をつけてね - Be careful not to burn yourself.
火傷しないように気をつけてね - Be careful with what you drink, not just what you eat.
食べ物だけじゃなくて飲み物にも気をつけなさい
と、こんな感じで使われますが、目の前にいる人に一言「気をつけて!」と言う場合には “Be” を省略して “Careful!” とだけ言うことも多いです。
![](https://kiwi-english.net/wp-content/uploads/2020/11/10469-2.jpg)
“watch” で表す「気をつけて」
意外かもしれませんが、日常生活の中での「気をつけて」で一番よく使われるかもしれないのが “watch” を使った表現なんです。
“watch” には「じっと見る」以外にも、こんな意味があります。
look out or be on the alert for. Be careful
これも危険が目の前にあるときに使う「気をつけて」ですが、”be careful” よりも切迫した「注意!」「危ない!」を表すときによく使われます。
「ちゃんと見て」というニュアンスが含まれることも多いです。
- Watch your step!
足元に注意! - Watch out! (Watch it!) A car is coming!
危ない!車が来てるよ - Watch where you’re going!
ちゃんと前を見て歩いて! - Watch out for fake invoice scams.
架空請求詐欺に気をつけて
“take care” で表す「気をつけて」
“take care” は、どちらかと言うと「体に気をつけてね」という意味での「気をつけて」によく使われます。
例えば、誰かと会った別れ際に挨拶として、
- Bye! Take care!
じゃあね。気をつけて。
と言ったり、ちょっと体調が良くない人に、
- Take (good) care of yourself.
お大事にね
なんていうふうに声をかけることも。
“take care” も “be careful” と同じように「注意を払って」という意味で使われることもありますが、その逆はありません。つまり、風邪を引いた人に「お大事にね」のつもりで “Be careful” とは言えないんですね。
■体調が悪い人には “Take things easy” もよく使われます↓
![Lydia in Bed](https://c3.staticflickr.com/3/2592/3848916426_5856a7043a_z.jpg)
見送るときの「気をつけて」
次に、人を見送るときに言う「気をつけて」も紹介しておきましょう。
これから車を運転する人や、旅に出る人に「気をつけてね」と声をかけるときには、こんなフレーズをよく耳にします。
- Drive safe/safely.
運転気をつけてね - Have a safe trip.
- Safe travels.
(これから旅をする人に)気をつけてね
これらの詳しい解説と他の表現は以下のコラムで紹介しています↓
あるいは、日本で出会った海外出身の友達が「来週、国に帰ることになったんだ」なんていうシチュエーションでは、
- Have a safe trip back home.
気をつけて帰ってね
もよく使われるので覚えておいてもいいかもしれません。
「以後、気をつけます」は英語で?
最後は、ビジネスのシーンでも出てきそうな「以後、気をつけます」のような「気をつける」です。
直訳すると “I’ll be careful from now on” で良さそうですが、これは「これからは注意します」という気持ちを表した文章になります。
でも、仕事で大きなミスをしてしまった時にこの対応では、ちょっと頼りないというか「注意します、じゃ済まないんだよ!」という上司の怒鳴り声が聞こえてきそうです。
そんな時には「こんなミスは二度と起こらないようにします」という意味で、
- It won’t happen again.
- I’ll make sure it doesn’t happen again.
などがよく使われますよ。
今回は様々な「気をつける」を紹介しましたが、それぞれの表現のニュアンスを感じ取って、上手にシチュエーションごとに使い分けてみてください!
こちらのコラムも合わせてどうぞ!
■「用心して、警戒して」というニュアンスの「慎重に気を付ける」は “cautious” もよく使われます↓
■”watch” で表すいろんな「気をつけて」は、こちらで詳しく紹介しています↓
■会話で頻出の “make sure” の使い方はこちらからどうぞ↓