先日ふと思ったのですが、日本語の「気をつける」「気をつけて」って便利な言葉だと思いませんか?
危ないから「気をつけて」、体に「気をつける」、誰かを見送るときの「じゃ、気をつけてね」や、足元に「気をつける」など、いろんな場面で幅広く使えますよね。
でも、そんな便利な日本語だからこそ、英語にすると思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあるんです。
今回は、特によく使われる「気をつける」「気をつけて」の英語表現をいくつか紹介します!
“be careful” で表す「気をつけて」
冒頭に出てきたいくつかの「気をつける」場面すべてで “be careful” を使っている人はいませんか?
「be careful=気をつける」と学校でも習いましたし、確かによく使うフレーズです。でも実は、”be careful” は何か危険があるから気をつけて、慎重にねという意味での「気をつけて」なんです。
“careful” を英英辞書で引いてみると、
giving attention or thought to what you are doing so that you avoid hurting yourself, damaging something or doing something wrong
(オックスフォード現代英英辞典)
と書いてあるように、危険を回避したり何かよくないことをしないように、注意を促すといったニュアンスですね。
- Be careful when you drive a car.
車を運転する時は気をつけてね - Be careful not to burn yourself.
火傷しないように気をつけてね - Be careful with what you drink, not just what you eat.
食べ物だけじゃなくて飲み物にも気をつけなさい
と、こんな感じで使われますが、目の前にいる人に一言「気をつけて!」と言う場合には “Be” を省略して “Careful!” とだけ言うことも多いです。
“watch” で表す「気をつけて」
意外かもしれませんが、日常生活の中での「気をつけて」で一番よく使われるかもしれないのが “watch” を使った表現なんです。
“watch” には「じっと見る」以外にも、こんな意味があります。
look out or be on the alert for. Be careful
これも危険が目の前にあるときに使う「気をつけて」ですが、”be careful” よりも切迫した「注意!」「危ない!」を表すときによく使われます。
「ちゃんと見て」というニュアンスが含まれることも多いです。
- Watch your step!
足元に注意! - Watch out! (Watch it!) A car is coming!
危ない!車が来てるよ - Watch where you’re going!
ちゃんと前を見て歩いて! - Watch out for fake invoice scams.
架空請求詐欺に気をつけて
“take care” で表す「気をつけて」
“take care” は、どちらかと言うと「体に気をつけてね」という意味での「気をつけて」によく使われます。
例えば、誰かと会った別れ際に挨拶として、
- Bye! Take care!
じゃあね。気をつけて。
と言ったり、ちょっと体調が良くない人に、
- Take (good) care of yourself.
お大事にね
なんていうふうに声をかけることも。
“take care” も “be careful” と同じように「注意を払って」という意味で使われることもありますが、その逆はありません。つまり、風邪を引いた人に「お大事にね」のつもりで “Be careful” とは言えないんですね。
■体調が悪い人には “Take things easy” もよく使われます↓
見送るときの「気をつけて」
次に、人を見送るときに言う「気をつけて」も紹介しておきましょう。
これから車を運転する人や、旅に出る人に「気をつけてね」と声をかけるときには、こんなフレーズをよく耳にします。
- Drive safe/safely.
運転気をつけてね - Have a safe trip.
- Safe travels.
(これから旅をする人に)気をつけてね
これらの詳しい解説と他の表現は以下のコラムで紹介しています↓
あるいは、日本で出会った海外出身の友達が「来週、国に帰ることになったんだ」なんていうシチュエーションでは、
- Have a safe trip back home.
気をつけて帰ってね
もよく使われるので覚えておいてもいいかもしれません。
「以後、気をつけます」は英語で?
最後は、ビジネスのシーンでも出てきそうな「以後、気をつけます」のような「気をつける」です。
直訳すると “I’ll be careful from now on” で良さそうですが、これは「これからは注意します」という気持ちを表した文章になります。
でも、仕事で大きなミスをしてしまった時にこの対応では、ちょっと頼りないというか「注意します、じゃ済まないんだよ!」という上司の怒鳴り声が聞こえてきそうです。
そんな時には「こんなミスは二度と起こらないようにします」という意味で、
- It won’t happen again.
- I’ll make sure it doesn’t happen again.
などがよく使われますよ。
今回は様々な「気をつける」を紹介しましたが、それぞれの表現のニュアンスを感じ取って、上手にシチュエーションごとに使い分けてみてください!
こちらのコラムも合わせてどうぞ!
■「用心して、警戒して」というニュアンスの「慎重に気を付ける」は “cautious” もよく使われます↓
■”watch” で表すいろんな「気をつけて」は、こちらで詳しく紹介しています↓
■会話で頻出の “make sure” の使い方はこちらからどうぞ↓