“go to school” と “go to the school” の違いは?

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“go to school” というフレーズを習った時に、“school” には “the” をつけてはいけないと教わった記憶はありませんか?

「学校に行く」は必ず “go to school” で、“go to the school” は間違っている、と。

でも、実は必ずしもそうではないんです。“go to the school” が正しい場合もあるんです。

今回は “the” のある・なしで意味が変わる例を取り上げたいと思います。

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“go to school” と “go to the school” の違い

例えば、こんな2つの文があります。

1)Hanako goes to school.
2)Hanako goes to the school.

1は何の問題もなく理解できると思います。
でも、冒頭で触れたとおり、状況次第では2も間違いではありません(解説は後ほど)。

では、次の2つはどうでしょうか?

3)Hanako’s father went to school to speak to Hanako’s teacher.
4)Hanako’s father went to the school to speak to Hanako’s teacher.

3と4ではどちらが正しいと思いますか?これも両方とも正解だと思いますか?

そうではないんです。この場合は4番だけが正解なんです。
たった1つ “the” という単語が入るか入らないかだけで、意味は大きく変わってきます。

“the” のある・なしで変わる意味

もう一度、1番から4番の例文を並べてみましょう。

1)Hanako goes to school.
2)Hanako goes to the school.
3)Hanako’s father went to school to speak to Hanako’s teacher.
4)Hanako’s father went to the school to speak to Hanako’s teacher.

この中で不自然なのは3番だけです。 それはなぜなのでしょうか?この違いは、English Grammar in Useできちんと解説されています(分かりやすくするため、引用元の文を少し編集して説明していきます)。

まずは1番の “Hanako goes to school” については、こんなふうに解説されています。

We say a child goes to school (as a pupil).
We are not necessarily thinking of a specific school. We are thinking of school as a general idea.

English Grammar in Use

go to school” は生徒として「勉強をしに行く」という意味で、この “school” はある特定の学校の建物を指しているわけではありません。学校としての本来の目的を表す概念のことを言っているんですね。

次に、2と3は飛ばして、4番の “Hanako’s father went to the school to speak to Hanako’s teacher.” です。
これも日本語に訳すと1番と同じ「学校に行く」ですが、その目的が微妙に違うんです。

Hanako’s father is not a pupil. He doesn’t ‘go to school’.
He goes to the school (= Hanako’s school, a specific building).

この “go to the school” とは勉強をしに行くわけではなく、ある特定の “school” という「建物へ行く」という意味です。なので “the school” になるんですね。

そうすると、3番の “Hanako’s father went to school to speak to Hanako’s teacher.” が不自然な理由もすんなり分かるのではないかと思います。父親が先生と話をしに “go to school” するのはおかしいですよね。

School day

では、残った2番の “Hanako goes to the school.” ですが、これはなぜ正しいのでしょうか?

一般的な「勉強しに行く」という意味では、この文は不正解とされます。でも、話し手と聞き手の間ですでに「ある特定の学校」の話がされていて、花子ちゃんが「その学校に通っている(=specific building)」と表現する場合には正解になるんです。

“school” に “the” はつかない、と丸暗記していたのは「勉強をしに学校に行く」を表す場合だけの話だったんですね。

church, prison, hospital も “the” に注意

“school” のように、“the” がついたりつかなかったりする単語が他にもいくつかあります。どれも上の法則さえ頭に入っていれば、使い分けは難しくありません。

■church

教会は何をするところでしょうか?お祈り・礼拝ですよね。
なので、一般的な「お祈り・礼拝に行く」を表す場合には “go to church” ですが、観光目的の「教会に行く」は、建物としてのある特定の教会を表すので “go to the church” となります。

■prison

では、刑務所は何をするところでしょうか?服役ですよね。
そうすると、一般的に囚人として「刑務所に入る」を表すのは “go to prison”、囚人の面会に訪れるための「刑務所に行く」は “go to the prison” になるのが理解できると思います。

■hospital

“hospital” も同じです。“go to hospital” は「(患者として治療されに)病院に行く」、“be in hospital” は「(患者として)入院している」ですが、“the” を伴って “go to the hospital” と言えば、面会やお見舞いのために、ある特定の建物を意識した「病院に行く(病院を訪れる)」になります。

ただ、これはイギリス英語での話で、アメリカ英語では患者としての場合にも “the” がつきます(“go to the hospital”、“be in the hospital”)。ややこしいですね…。

これらの他にも、“university” や “college” も同じように “the” がついたりつかなかったりします。

また、同じ理屈で考えると “go to bed” と “go to the bed” の違いもすんなり分かると思いますし、“sit on the bed” に “the” が必要なのも理解できるのではないかと思います。

“the” は限定する働き

たかが “the”、されど “the”。英語では “the” のあるなしで意味が大きく変わってしまうことが多々あります。

今回紹介したように、本来の目的や機能を表す場合には “the” は使われず、建物(や物)として特定のものを指す場合には “the” が使われます。

私たち日本人にはちょっと悩ましい “the” ですが、実際の例を見て1つ1つ理解していくと、少しは親しみやすくなるかもしれないので、以下のコラムもぜひ参考にしてみてください。

■“Do you have time?” と “Do you have the time?” の違い↓

■“last year” “the last year” にも違いがあります

■ところが、“The giraffe is the tallest of all animals.” は一頭のキリンを表すわけではありません↓

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