こんな場面を想像してみて下さい。
学生時代の同窓会が地元で開かれることになりました。
同級生の中には、遠く離れた場所へ引っ越した人もいれば、地元に残っている人たちもいます。
同窓会当日、みんなが続々と会場に集まってきました。
「久しぶり!元気にしてた?」から始まり「今日はどうやってここに来たの?」という話になり、みんながそれぞれ「車で来たよ」「飛行機で来たよ」「歩いて来たよ」と答えるとします。
これらの「来たよ」、あなたなら英語でどんなふうに表現しますか?
「車で来た」「歩いて来た」を英語で言うと?
上のシチュエーションで急に英語になるのはヘンだということはさておき「ここへは車で来たよ」を英語にすると、
- I came here by car.
という文が思い浮かびましたか?
では「昨日の夜、飛行機で来たよ」はどうなるでしょうか?「来た=came」「飛行機で=by airplane」「昨日の夜=last night」なので、
- I came by airplane last night.
でしょうか?また、近所に住む地元在住の友達は「家から歩いて来たよ」と言っています。「歩いて」は “on foot” というフレーズがありましたよね。そうすると、
- I came here on foot.
でいいでしょうか?どの文も、特に文法で悩むことのなさそうな簡単な文ですよね。
私も以前はこう言っていましたが、よーく聞いているとネイティブはこういう表現をあまり使っていないことに気付いたんです。
“by car”、“on foot” より自然な表現
私の以前の職場はホテルだったのですが、ニュージーランド国内から来るお客さんもいれば、国外からの人もいます。
お客さんたちと話をしていると、旅行の話題になることも多かったんです。
そんな中でよく出てきた「車で/飛行機で/歩いて来る(行く)」という表現には、”come (go) ” がほとんど出てこないことに気付きました。“by car”、“by airplane”、“on foot” もあまり耳にしなかったんです。
その代わりによく耳にしたのが、こんな表現です↓
- I drove here.
(ここに)車で来ました - I flew in last night.
昨日の夜、飛行機で来ました - I walked here.
(ここに)歩いて来ました
「来る、来た」という日本語を直訳してしまうと、一番最初に思い浮かべる単語は “come” や “came” になってしまいますが、
- 車で行く(来る)→ drive
- 飛行機で行く(来る)→ fly
- 歩いて行く(来る) → walk
のように、それぞれで違う動詞を使ったほうが自然です。“came by car”、“came by airplane”、“came on foot” でももちろん通じますが、上のような表現の方がスッキリするので、実際とてもよく使われます。
ちなみに、“drive” を使うと、お酒をすすめられて断る場合にはこんなふうに言えるんです↓
- No, thank you. I’m driving (tonight).
結構です。(今夜は)車で来ているので。
実際に使われている表現を学ぶことが大切
私が日本で英語の勉強をしていた時には「文法が正しいかどうか」を重視しすぎていたように思います。
でも、ネイティブの人たちと話をしていると、自分が正しいと思う文法で話していても、“Do you mean 〜?” と聞き返されることがあります。
それを聞いて「そうか!そうやって言えばいいのか!」と一つずつ覚えていくのですが「正しい文法=自然な英語」とは限りません。特に会話では、こねくり回した長い言い回しよりもシンプルな表現の方が通じやすい、ということが多々あります。
文法を勉強して自分なりに言葉を紡ぎ出せるようにすることはもちろん大事ですが、それと同時に「実際に使われている英語にふれる」ということも、ものすごく大切だなぁだと思います。
「行く」「来る」に関するコラムはこちら
■ネイティブがよく使う、“make it” で表す「行ける」「行けない」↓
■“head” を使った「行く」もぜひ覚えておきたいですね↓
■“pop” も「行く」「来る」を表す時に使えます↓
■「行けたら行く」「来れたら来て」って英語でなんて言う?
■「どの航空会社で行くの?」「ANAで行くよ」も “fly” を使って表します↓