「マジックテープ」と言えば、靴や服・ケーブルを束ねるバンド、その他にもいろんなところでよく使われていますよね。
では、この「マジックテープ」。英語でも通じると思いますか?
英語圏の国で “magic tape” と言うと、ちょっと違うものを想像されるかもしれません。
「マジックテープ」の名前の由来は?
「マジックテープ」は「面ファスナー」と呼ばれることもありますよね。
私はいつも「マジックテープ」と呼んでいるのですが、ニュージーランドでマジックテープを買おうとした時に、英語では “magic tape” とは言わないことを知りました。
実は「マジックテープ」とは、日本のクラレという会社が販売している面ファスナーの登録商標なんですね。(以下、クラレのウェブサイトより引用)
日本では1960年、2本の布がピタリとくっつき、着脱が自在な『魔法のテープ』という意味の「マジックテープ」という商品名で、クラレが最初に生産・販売を開始しました。
<マジックテープ>の名が全国に広がったのは、1964年に華々しくデビューした東海道新幹線の客席のヘッドレストカバーのファスナー(留め具)に採用され、一躍注目を浴びたのがきっかけでした。
今や、面ファスナーの代名詞でもある「マジックテープ」は、実はクラレの面ファスナーの登録商標なのです。
英語でも通じそうな「マジックテープ」という商品名が広まったことで、逆にややこしくなりましたね…。
「マジックテープ」は英語で何て言う?
では「マジックテープ」は英語で何と呼ぶのかというと、
Velcro
と呼ぶことがすごく多いです(発音は /ˈvel.krəʊ/) 。
全然違うじゃん!と思った方、私も最初そう思いました(笑)
実はこれも、Velcroというグローバル企業が販売している面ファスナーの商標登録なんです。(ちなみに、クラレは日本ベルクロ株式会社を吸収合併しています)
日本の「マジックテープ」と同じく、商標名が広く知られすぎて、普通名詞として使われるようになってしまったパターンですね。”Velcro” を使わない他の呼び方は、その構造から、
- hook and loop
- hook and loop fastener
- hook and loop tape
のようなものもありますが、私の周りのニュージーランドの人たちはVelcro社のものに限らず “Velcro” と呼んでいます。
“Magic Tape” は英語で別の意味がある
そんなややこしい「マジックテープ」ですが、さらにややこしいことがあります。
実は英語で “Magic Tape” と呼ばれるものが別にあるんです。
3M(スリーエム)という有名な企業がありますよね。アメリカに本社を置く世界的な大企業です。その3Mの「スコッチ」というテープのブランドをご存知でしょうか?
実は、そのスコッチブランドで販売されているメンティングテープの商品名が “Magic Tape” なんです。
メンディングテープとは、普通のセロテープとは違って表面につや消し加工がされている白い半透明のテープで、みなさんも一度は見たことがあると思います。
この “Magic Tape” を日本で発売するにあたって、日本ではすでに上に出てきたクラレの面ファスナーが「マジックテープ」として販売されていたので「メンディングテープ」という名前で発売されたようです。
ちなみに、Scotchブランド以外のメンディングテープは英語で、
- invisible tape
という名前で売られていることが多いように思います。紙に貼った時にセロテープのようにテカテカ光らず、ほとんど見えなくなることから付いた名前ですね。
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