ズボンの「チャック」、カバンの「チャック」など、いろんな「チャック」がありますよね。
若い人は「ジッパー」と言う、というのを聞いたことがありますが、私は若くないので「チャック」派です(笑)
そんな「チャック」は英語で言うと、”chuck” …ではないんです。
英語ではなんと呼ばれるのか、さらに、実在する英単語 “chuck” の意味と使い方も紹介します!
「チャック」は英語ではない
ご存じの方が多いかもしれませんが、ズボンなどについている「チャック」を英語では「チャック」とは言いません。
では何と呼ぶのかと言うと、
zipper
zip
です。”zipper” のほうが日本ではよく知られていますが、イギリス英語の影響が強いニュージーランドでは “zip” と呼びます。
では「チャック」ってどこから来たのでしょうか?
それは、チャックの世界的メーカー『YKK』のウェブサイトに書いてありました↓
1927年に尾道で「巾着(きんちゃく)」からもじって、ファスナーを「チャック印」として販売したところ評判になり、「チャック」という名前が定着しました
「チャック」とは、ファスナーの商品名だったんですね。その名残で今でも「チャック」と呼ばれているようです。
ちなみに、ズボンのチャックが付いている「前あき部分」は “flies(アメリカ英語では fly)” とも言います。
- Your flies are undone.
- Your fly is open.
前が開いてるよ
(ズボンのチャック開いてるよ)
英語の “chuck” はこんな意味
「チャック」という意味ではありませんが、英語には “chuck” という単語が存在します。
私が初めて “chuck” を耳にしたのは、オーストラリアでホームステイをしていたときで、
- Chuck it out.
- Chuck it in the bin.
のように言われたのですが、そのときは “chuck” という単語を知らなかったので「チャック???」と頭の中が真っ白になりました。
英語の “chuck” はカジュアルな表現で、大きく分けて2つの意味で使われます。
1. to throw something in a careless or relaxed way
(ロングマン現代英英辞典)
2. to throw something away because you do not want it anymore
「ポイッと投げる」「捨てる」ですね。上に出てきた文章は「それ(ゴミ箱に)捨てなさい」という意味だったんです。
そして、先日会った友人はこんなふうに “chuck” を使っていました↓
- I’ll go chuck this in the car.
これ、ちょっと車に入れてくる
“chuck” には他にも「(仕事)を辞める、恋人を振る」の意味で使われることもありますが「ジッパー」の意味はありません。
「ファスナー」と「ジッパー」の違い
ちょっと話は戻りますが、先ほど「ファスナー」という言葉が出てきましたよね。「チャック」は「ファスナー」の商品名だった、と紹介しました。
「ファスナー(fastener)」 はちゃんとした英語です。
では、”fastener(ファスナー)” と “zipper/zip(チャック・ジッパー)” の違いは何だと思いますか?
簡単に言うと、”zipper/zip” は “fastener” の一種なんです。
“fastener” は “fasten(留める、締める)” という動詞から来ていて「留め具、締め具」という大きなカテゴリーを表します。そして、その中に、
- チャック:zipper/zip
- マジックテープ:velcro
- スナップボタン:snap, snap fastener, press stud
- ボタン:button
- ホック:hook and eye
などが含まれている、ということです。
最後に。”zip” と言えば、日本人の中には “zip code(郵便番号)” を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
でも、イギリス英語の影響が強いニュージーランドでは、おそらく多くの人が “zip code” ではなく「チャック」を思い浮かべると思います。
その理由は、”zip code” はアメリカ英語で、ニュージーランドではもっぱら “postcode” と言うからです。
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