英会話に必要な「瞬発力」の鍛え方

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以前、読者の方から一通のメールをいただいたことがありました。
そこには英語の勉強法に関する「ある質問」が書かれていました。

その質問とは「英会話の瞬発力を鍛える一人で出来る方法はありますか?」でした。

そこで今回のコラムでは英会話における「瞬発力」について書いてみようと思います。

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英会話に「瞬発力」は必要か?

英会話に「瞬発力」は必要だと思いますか?”Yes” か “No” かで答えると、私は “Yes” だと思います。

読み書きだけの英語力なら、それほど瞬発力は必要ではないかもしれません。
テキストで文法の練習問題をしたり、英語の文章を読む時には、試験ではない限り瞬発力が問われることはあまりないように思います。

でも、誰かと会話するということは、言葉のキャッチボールです。
何かを聞かれて、どんなに完璧な答えが浮かんだとしても、3分かかってしまったら会話は途切れてしまいますよね。

話す内容もさることながら、何かしら即座に反応して言葉にしないとスムーズに進まないのが「会話」です。

「英会話の瞬発力」って何だろう?

「英会話の瞬発力」とは、皆さんも想像している通り「会話ですぐに返せること」だと思いますが、なぜ英語で話す時は瞬発力がなくなるのでしょうか?

一つの原因として挙げられるのは、相手の話(質問)を英語→日本語に訳し、自分の意見も日本語→英語に直すのに時間がかかっていることだと思います。

なので、基本的には日本語を介さずに相手の話を英語で理解して、自分の発言もいきなり英語で話すことができれば「瞬発力」は上がるはずです。

でも、それってなかなかすぐにはできないですよね。できたら誰も苦労しません。

そこで大事になってくるのは、できるだけ「英語で理解する癖」と「英語で考える癖」をつけることです。

いつもオススメするEnglish Grammar in Use英英辞書は、日本語を挟むことなく英語で英語を理解するという点で、ものすごく役に立ちます。


ただ、文法書を最初から順番に勉強しているだけでは会話の瞬発力は上がりにくいです。

そこで、私がやっていたオススメの方法をご紹介します。誰にでも効果があるかどうかは分かりませんが、そんな方法もあるんだ、ぐらいのスタンスで読んでもらえたらと思います。

会話の「瞬発力」を鍛える学習法・練習法

まずは相手の言っていることが聞き取れることが前提です。
相手の言っていることが全く分からないと「瞬発力」も何もありません。固まります。

聞き取れるようになってくると、そこで初めて「瞬発力を上げたい」と思うようになると思います。
聞き取れたのに答えがスッと口から出て来ない、言いたいことがすぐに表現できずに「う〜ん…」「え〜っと…」となる感じ、ありますよね。

会話の瞬発力は一朝一夕には高まらないですが、以下の3つのことを継続していると着実に高まっていくのではないかと私は思います。

①すぐに使えるネイティブ表現を増やす(アウトプットを意識して)

上にも書いたように、言いたいと思ったことを日本語から英語に直していると、どうしても時間がかかってしまいます。

なので、英語の単語やフレーズなどを学ぶ(=インプットする)時に「これはどんな場面で使えるか?」と常にアウトプットを意識しておくことが大切です。

また、最初は誰かのマネでもいいので、話す「型」を持つことはとても有効だと思います。

例えば、私が実際にやっていたのは、DVDを英語字幕で見ながら使えそうな表現が出てきたら、その一文をまるごとノートにメモする→ノートを常に持ち歩いて覚える、という方法をひたすら繰り返していました。
自分が使えそうと思ったものだけでいいのですが、ただ書き写すだけではなく、実際に使えるように口に出して練習して例文で覚えてしまうんです。

そんなたくさんの使える「型」を持っていると、英語で入ってきたものに対してだんだん英語で反応できるようになってきます。

もちろん表現方法なんて人それぞれなので、それだけが正解な訳ではありません。でも、英語で瞬間的に返すのに苦労している時には、まずは「型」を使って『会話で返せるようになった!』という体験を積み上げていくのも大切だと思います。

そして、少し慣れて余裕が出てきたら、使ってきた「型」を外してみて、違う言い方や自分らしい表現を身につけていけばいいと思います。

あのイチローでも、

最初はマネごとみたいなところから始まりますよね。いろんな人のフォームをマネたりして、何となく今の自分がいるという感じはあります。

と話しています。

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この日刊英語ライフでは、私がニュージーランド生活で出会った【実際に使われているネイティブ表現】をたくさん紹介しています。自分で使えそうなものがあれば口に出して覚えて、どんどん会話に活かしてもらえると嬉しいです。

②独り言で会話の練習をする

いざ会話になれば「言いたいことはあるのに口から英語が出てこない…」なんてことはしょっちゅうあります。私もネイティブではないので、未だに「どう表現したらいいかな?」と考えることがあります。

英語を習得しようとする人は誰もが通る道なので、それで凹む必要は全然ありません。ただ、そうは言ってもそんな場面が続いてばかりだと、さすがにメンタルがやられます。

そこでオススメなのが【独り言】です。自分で会話のシチュエーションを想定して、英語で一人二役するんです。

トピックは何でもOKです。例えば、週明けに誰かと会う場面を想定するとしたら、絶対に聞かれるのが “How was your weekend?” です。それにどう答えるか、いくつかのパターンを独り言で練習してみます。

  • How was your weekend? −Oh, it was awesome. I went to Shinjuku and had lunch with a friend from high school. It’s always nice to catch up with friends over a good meal. How was YOUR weekend?
    「週末はどうでしたか?」「楽しかったです。新宿に行って高校時代の友達とランチをしました。美味しいご飯を食べながら友人と久しぶりに話をするのはいつも楽しいです。あなたの週末はどうでしたか?

みたいな感じでパッと考えて、これにさらに自分で答える、みたいな練習です。

また、会話に限らず、生活の中での自分の行動や思ったことを英語で【独り言アウトプット】するのもオススメです。例えば、天気のいい日に洗濯物を外に干しながら、

  • What a perfect day for putting the washing out!

みたいにつぶやく感じです。独り言練習は実際にやってみると、これが意外と難しいんです。

でも、独り言練習をするなかで、自分に足りていない表現が分かったり、それを調べて自分で言えるようにすることで新しい「自分で使いこなせる表現」が増えていきます。

会話の瞬発力を鍛えるのに、地道ながら一番効果的な方法だと私は思っています。一人でいつでもできるので、生活の中に常に取り入れるクセをつけると英語脳を作る練習にもなります。

③実際に英語で会話をする

そして3つ目は、実際に英語で会話をすること。
これは「瞬発力」を高めるには絶対に必要なことだと思います。

いろんな場面に遭遇して、どんな時にどう返していくか、アウトプットの練習をとにかくたくさん積み重ねていくことが大事です。上でも少し触れましたが「使える表現」にするためには「実際に使うこと」がとても大切なんです。

そして、相手を目の前にした実際の会話は、自分が知らない新たな表現に出会える「インプットの絶好のチャンス」でもあります!耳をダンボにして、分からなかったフレーズや単語はカタカナでいいのでさっとメモして、あとで調べましょう。

最初はもどかしい思いをたくさんしますが、とにかく数を重ねていくと、本当によく使われるフレーズや表現方法がだんだん分かってきます。

また、会話のスピードの英語が聞き取れるようになるためにも【相手がいる実際の会話】は絶対に必要です。こればっかりは独り言練習しているだけでは伸びません。

今回紹介した①〜③を意識しながら英語と関わっていれば、会話の「瞬発力」がついてくるのではないかと思います。繰り返しになりますが、常にアウトプット(自分が使う場面)を想定しておくことがとっても大事ですよ。

つなぎのフレーズを上手に使ってみる

とは言え、話したいことが瞬間的に出て来ないことなんて、誰にでもあります。

でも、無言で固まってしまうと、相手は何を考えているのか、もしくは何も考えてないのか、言ったことが理解できなかったのか、なぜ無言なのか分からず、awkwardな空気が流れてしまいます。

そんな時には “Hmm…” や “Well…” などと言いながら時間を稼ぐのも一つの方法です。間をつなぐフレーズは以下のコラムで紹介しているので、参考になれば嬉しいです。

単語しか思い浮かばなければ、無言でいるよりも単語を言ってみましょう。それで笑うネイティブはいませんよ。会話なので相手が「こういうこと?」と英語で言ってくれることもよくあります。その表現をまたメモして自分の「使える表現」をだんだん増やしていけばいいだけの事です。

アウトプットを意識してインプットするようになると、「使える表現」は飛躍的に増えます。そうすれば「瞬発力」が自然と身についてくるのではないかと思います。

■「いつまでたっても英会話が上達しないなぁ」とお悩みの方は、こちらのコラムもどうぞ↓

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