友達に「ちょっとテーブルの上にある本とってもらえる?」と言われて、その本を渡してあげる時、日本語では「はい」と言いながら手渡しますよね。
もうちょっと丁寧に「はい、どうぞ」と言う人もいるかもしれません。
この「はい」「はい、どうぞ」って英語で何て言うんでしょうか? “Here you are.” しか思い浮かばない方にぜひ読んでいただきたい、今回のコラムです。
「はい」「はい、どうぞ」の表現は色々ある
「どうぞ」を英語で言う時、何かと “please” を使ってしまう人がいますが、”please” は基本的にはお願いをする時に使うフレーズなので、誰かに物を手渡すような場面で言う「はい、どうぞ」に使うのはちょっと変です。
また、以前にネイティブがよく使う「どうぞ」の表現というコラムで紹介した “go ahead” で表す「どうぞ」は、何かをしてもいいか尋ねられた時に返す「もちろん、どうぞ」なので、これもここでは使えません。
日本語ってすごいですね。「どうぞ」は色んな場面・ニュアンスで使える便利な言葉です。
今回は、何かを手渡す時の「はい、どうぞ」の英語表現を紹介したいと思います。
“Here you are.” で表す「はいどうぞ」
学校で習ったのは確か、
Here you are.
だったと思います。何かを手渡しながら「はい、どうぞ」というニュアンスで使われると教わった気がします。
なので「はい、どうぞ」を英語で、と言われると “Here you are.” を思い浮かべる人も多いかもしれません。
私も “Here you are.” しか知りませんでした。でも、ニュージーランドで生活するようになって、また、働き始めて気が付いたことがあります。
それは、”Here you are.” を耳にする機会が意外と少ないということです。
もちろん国や地域、個人によって差があるので一概には言えないと思うのですが、私はなぜかあまり耳にしません。
その代わりに、例えばお店で商品やお釣りを渡される時によく耳にするのはこんなフレーズです。
- Here you go.
- There you go.
- There you are.
Here you go、There you go、There you are の違い
そうなると、気になるのはそれぞれの違いですよね。
“Here you are.” が一番丁寧だと感じる人もいるようですが、実際のところ特別な違いはないようです。
念のため英英辞書を見てみると、こんなことが書かれてありました↓
We can use here you are and there you are (or, in informal situations, here you go and there you go) when giving something to someone. Here and there have the same meaning in this use
Cambridge Dictionary
“go” を使った “Here you go.” や “There you go.” はインフォーマルな場面で使われるんですね。カジュアルなカフェやレストランでは、注文したものを持ってきてくれる店員さんもよく使っています。
“There you go”、”There you are” にはこんな意味・使い方も
“There you go.” は「はい、どうぞ」とは別に、こんな使い方もあります。
例えば、子どもに靴ひもの結び方を見せながら教えていて、子どもが自分で出来たときなどに “There you go!” という感じで使います。
日本語で上手く説明するのが難しいのですが、何かを説明したりやって見せたことを相手がちゃんと出来たときの “You did it right!” といったニュアンスになります。
英語の先生から発音を教わっていて、自分が言ってみて上手に言えた時に “There you go!” みたいに言われる感じです。何となく伝わるでしょうか?
また “There you are!” は「はい、どうぞ」以外では、誰かを探していて、その人がふと現れたときに「あ、そこにいたの!」のようなニュアンスでもよく使われます。
まずは「はい、どうぞ」から
日本語では「はい、どうぞ」と言わないような場面でも、英語では上で紹介した「はい、どうぞ」の表現がよく使われます。
例えば日本では、カフェでウェイトレスさんがドリンクをテーブルに置きながら「はい、どうぞ」とはあまり言わないですよね。また、お釣りをお客さんに渡すときにも「はい、どうぞ」とは言いません。
でも、英語ではこんな時にも上で紹介したような「はい、どうぞ」の表現が使われます。
何か手渡すときには無言で渡すよりも、どれか一つ言うように心がけるといいと思います。
また、イギリス英語の影響が強いニュージーランドでは、お釣りや注文した商品を「はいどうぞ」と手渡したら、お客さんが “Lovely.” や “Cheers.”と言うことも多いです。
これらの使い方は以下のコラムで詳しく紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね↓
■「〜してもいい?」「どうぞ」のような「どうぞ」。ネイティブがよく使う表現はこちら↓
■「お先にどうぞ」を表すフレーズ4つはこちら↓
■お客さんに席を勧める時の「どうぞお座りください」「どうぞおかけになってください」の英語表現はこちら↓