会社に海外からのお客様が来た、海外の人が家に遊びに来た、なんていう場面を想像してみてください。
部屋に入ってきて席をすすめる「どうぞ座ってください」「お座りください」「どうぞおかけください」って英語でなんて言うのでしょうか?
“Please sit down.” は失礼、とも言われたりしますが、本当に失礼なのでしょうか?
“Please sit down.” は失礼?
「座ってください」を英語にするとしたら、多くの日本人が思い浮かべるのは「座る=sit down」「〜ください=please」を合わせた、
- Please sit down.
だと思います。でも、”Please sit down.” は相手に失礼な言い方になる、というのを聞いたことがある方もいるかもしれません。
では、なぜ “Please sit down.” は失礼になるのでしょうか?
“sit down” は「座る」という意味で、”please” がついているので一見丁寧な表現っぽいですが、これは「座る」という動作を相手に要求することになります。
なので、声のトーンや表情などにもよりますが、ちょっと強制的なニュアンスに響いたり、人によっては「命令されている」と感じることもあるかもしれません。
でも、絶対に使わないかと言うと、実際には親しい友人などに使うことはあります。ただ、相手が知らない人やビジネスの場面では、もっと丁寧な表現を選んだほうがいいかもしれません。
“Have a seat.” は丁寧で柔らかい表現
相手に失礼のない丁寧な表現として最もよく使われるのは、
- Please have a seat.
です。相手にダイレクトに「座って」と言うのではなく「(よろしければ)どうぞ」「どうぞお掛け下さい」と席を勧めるニュアンスが出ます。
病院に行った時にも、お医者さんの部屋に入ると “Have a seat.” と言われました。
会社で海外からのお客様をもてなす場合には “Please have a seat.” が失礼にならずに丁寧でいいと思います。
カジュアルな “Take a seat.”
また、”have a seat” と似ている表現に、
- Please take a seat.
というのもありますが、こちらはどちらかと言うと「座ってください」というお願いを少しだけ丁寧にした感じの、インフォーマルな表現になります。
カフェやフレンドリーなサービスのレストランでは、店に入ると店員さんに、
- Take a seat. I’ll be with you in a minute.
のように言われることがありますが、これは「座ってください」「席についてください」というニュアンスですね。似た表現に、
- Grab a seat.
というのもありますよ。とてもカジュアルな表現ですが、かしこまらないサービススタイルの店ではよく耳にします。
その他にも、
- Please be seated.
もありますが、これは多くの人に向かって言う「ご着席ください」のようなニュアンスです。
言い方としてはフォーマルで丁寧ですが「座ってください」と指示する表現になります。
声のトーンにも気をつけよう
今回は、相手に席に座るように「どうぞ」と勧める時の表現を紹介しましたが、”Please sit down.” は絶対に間違いかというと、そうではありません。
それよりも、言う時の声のトーンだったり、言い方や表情もすごく大切だと思います。
表現を使い分けながら、これらもちょっと意識してみてくださいね。
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■家や部屋の中に招き入れる「どうぞ入って」「中へどうぞ」は “come on in” というフレーズもよく使われます↓
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