「コールドブリューコーヒー」をご存じでしょうか?
私が初めてコールドブリューコーヒーに出会ったのはニュージーランドでしたが、コーヒー好きの我が家は日本に帰国してからも普通のアイスコーヒーではなくコールドブリュー派です。
先日スタバに行った時にふと「コールドブリューって英語では通じないだろうなぁ」と思いました。
では、なぜ通じないのでしょうか?
「コールドブリューコーヒー」とは?
「コールドブリューコーヒー」は英語で書くと、
cold brew coffee
です。普通のコーヒーやアイスコーヒーはお湯で淹れますが、これは熱を加えないで、水で半日ほどかけてじっくり抽出するコーヒーです。「水出しコーヒー」とも言いますね。
こうすることで、苦みや渋みのもとになる成分は溶け出しにくく、旨みはゆっくり溶け出してまろやかな味になるんだそうです。なるほど、だからいくらでも飲めてしまうんですね。
そんな「コールドブリューコーヒー」は英語から日本語に訳されたのは間違いなさそうです。なのに、なぜ英語では通じないのでしょうか?
“brew” は「ブリュー」ではない
通じない理由は “brew” の読み方です。英語の発音は、
/bruː/
なので「ブリュー」ではなく「ブルー」です。カタカナ読みで「ブルー」だと “blue” に聞こえてしまう可能性はありますが「ブリュー」よりは伝わりやすいのではと思います。
そもそも “brew” とは、コーヒーを「淹れる(入れる)」を表します。挽いたコーヒー豆にお湯を注いでコーヒーを抽出するという動作を表します(紅茶を茶葉から「淹れる」にも使います)。
それに対して、水で抽出するのが “cold brew” なんですね。
ちなみに “brew” はビールなどを「醸造する」も表します。セブンイレブンで売っているビール「THE BREW」のパッケージには「ザ・ブリュー」とカタカナで書いてありますが、英語の発音は異なります。
また、ビールの醸造所は “brewery” ですが、日本では「ブリュワリー」と呼んだりもしますよね。実はこれも英語では /ˈbruːəri/ なので「ブルーアリー」に近いかもしれません。
上の写真は、スターバックスリザーブで飲んだ「ナイトロ コールドブリューコーヒー」です。「ナイトロ」は「窒素=Nitrogen(/ˈnaɪtrədʒən/)」のことです。窒素ガスが入っていて、超クリーミーでまろやかな口あたりがクセになります!
外資のスタバがなぜ「ナイトロ」は英語読みで「ブリュー」の部分は英語読みではないメニュー名を採用したのか気になるところですが、おそらく「コールドブルー」だと何のことか分からなくなってしまうからではと想像します。
“-rew” は「リュー」ではなく「ルー」に近い
“brew” を「ブリュー」と読んでしまう気持ち、実はとてもよく分かります。
“-rew” で終わる単語は他にもありますが、何を隠そう私も “screw” を「スクリュー」と読んでいました。
実はこれも英語では「スクリュー」だと通じなくて、/skruː/ つまり「スクルー」なんです。
“screw” は「ネジ」という意味もありますが、動詞で「大失敗する、やらかす、しくじる」というスラングの意味で出てくることも多いです。
- I screwed up.
私、やらかしちゃった - I’m so screwed.
(やばい…)やっちゃった ※もうダメだ…的なニュアンス
他にも “-rew” が語尾に来る単語でパッと思い浮かんだのは、
- threw(throw の過去形)
- grew(grow の過去形)
- drew(draw の過去形)
などがありますが、どれも発音は「リュー」ではなく「ルー」です(/θruː/、/ɡruː/、/druː/)。
女優の「ドリュー・バリモア」さんもDrew Barrymoreなので「ドリュー」と発音してしまうと英語ではなかなか通じません。
名前関連で言うと、”Andrew” さんという名前も「アンドリュー」ではなく/ˈændruː/ です。言う人によっては「アンジュー」みたいに聞こえますが「リュー」ではないのでご注意を。
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