「解雇される」「クビになる」
できれば縁のない言葉であってほしいですが、残念ながら英語で表現する機会があるかもしれません。
そしてこの「クビになる」「解雇される」の英語表現、実はたくさんあるんです。
ニュアンスの違いやイギリス英語・アメリカ英語の違いもあるので、よく使われるものを中心に紹介したいと思います。
“be/get fired” で表す「クビになる」
「クビになる」の英語でパッと思いつきやすいのは、
be fired
かもしれません。”fire 〜” で「〜をクビにする、解雇する」という意味なので、映画やドラマで上司が、
- You‘re fired!
君はクビだ!
と怒りながら言うセリフが出てきたりしますよね。
“fire” には「突然、強制的に辞めさせる」というニュアンスがあります。有無を言わせず「はい、あなたクビね」という感じなので、何か重大なことをやらかして「クビになる」によく使われるのが “be/get fired” です。
これはダイレクトで強めの表現なので、センセーショナルにニュースの見出しなんかにもよく登場します。
- He was fired.
彼はクビになった(解雇された) - Shohei Ohtani’s interpreter Ippei Mizuhara fired −mlb.com
大谷翔平の通訳、水原一平氏、解雇
“be/get sacked” で表す「クビになる」
“fire” はイギリス英語でも使われますが、もっとよく使われる「クビになる、解雇される」が、
be sacked
get sacked
です。これも従業員側に問題あって(問題があるとみなされて)「クビになる、解雇される」を表します。
- I got sacked yesterday.
私は昨日クビになりました(解雇されました) - He‘s been sacked for gross misconduct.
彼は重大な不正行為でクビになった(解雇された)
“sacked” は話し言葉だけではなくニュースの見出しにもとてもよく登場するものの、インフォーマルな単語です。
アメリカ英語では馴染みがないかもしれませんが、イギリス英語圏ではよく使われるので、ニュージーランドでもとてもよく使われていました。
“be dismissed” で表す「解雇される」
そして、上に出てきた “be/get fired” や “be/get sacked” よりもフォーマルな「解雇される」が、
be dismissed
です。”dismiss” は正式な文書で使われたり、主に書き言葉で目にするカタい「解雇する、解任する」のイメージです。
- She was dismissed for gross misconduct.
彼女は重大な不正行為で解雇された
遠回しな表現 “let 〜 go”
「クビにする」の “fire” の遠回しな表現で、より口語的なのが “let 〜 go” です。
“let 〜 go” とは「〜を解放する、自由にする」が直訳なのですが、遠回しに「〜を解雇する」という意味にもなるんです。なんて遠回しな表現なんでしょうか。
ダイレクトではない分、柔らかい印象になるので、直球で言うのは憚られるような本人を目の前にして言う場合にもよく使われます。
- Ken, I’m sorry, but we’re going to have to let you go.
ケン、申し訳ないけど辞めてもらわないといけないことになる - Microsoft said it was letting go of 10,000 employees.
マイクロソフトは1万人の従業員を解雇すると発表した
この “let 〜 go” が受け身になったのが、
be let go
で「解雇される」を表します。
- He was let go a few days ago.
彼は数日前に解雇された
「リストラされる」の英語表現はこちら
今回は「クビになる、解雇される」というニュアンスが伝わるような表現をお届けしましたが、特にそのニュアンスを込めずに単に「失業した」と言いたい場合には、
- I lost my job.
- He lost his job.
なんかで十分通じますし、実際にとてもよく使います。
また、リストラや人員整理で「クビになる、解雇される」には別の英語表現が使われます。詳しくは以下のコラムで紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。