街で売っていた靴下のラベルに面白いことが書かれていました。
そこには英語で「フリーサイズ」的なことが書かれていたのですが、よくある “one-size-fits-all” ではなかったんです。
「ほとんどの人にピッタリです」という意味で “one-size-fits-○○” と書いてあったのですが、○○に入るのは “most” でしょうか?それとも “almost” でしょうか?
今回は “most” と “almost” の違いをおさらいしてみましょう!
“almost” が表す「ほとんど、ほぼ」
Cambridge Dictionaryで “almost” を調べてみました。すると、
nearly
と書いてあります。めちゃくちゃシンプルな定義ですね(笑)でも、これが “almost” が持っているイメージそのままなんです。
“almost” は「ほとんど」と訳されますが、これは「もうちょっとで完全にその状態になるのに、あとほんのちょっと足りない」という意味での「ほとんど」です。
なので、ちょっと例を挙げてみると、
- It’s almost six o’clock.
→あとほんのちょっとで6時 - I eat almost anything.
→「何でも食べられる」とは言い切れないけど、それに限りなく近い状態 - I almost forgot our anniversary.
→「忘れる」ほんの一歩手前だった
というニュアンスになります。
“almost” の「ほとんど」は理解できましたか?では次に、”most” を見てみましょう。
“most” が表す「ほとんど、ほぼ」
“most” の意味をオックスフォード新英英辞典で調べてみると、こう書いてあります。
the majority of
“most” が表す「ほとんど」は、何かの「大部分」という意味での「ほとんど」です。”almost” の「ほとんど」とは全然違いますよね。
これもちょっと例を挙げてみると、
- Most hotels accept credit cards.
→たくさんあるホテルの「大部分」 - He spent most of his life in India.
→彼の人生の「大部分」 - She ate most of it.
→それの「大部分」を食べた
ということです。さらに、
- Most people have mobile phones.
→世の中の「大部分の人」が携帯電話を持っている
ということになります。
では、冒頭に出てきた靴下のラベルに話を戻しましょう。
“one-size-fits-○○” の○○に入るのは “almost” か “most”、どちらでしょうか?もうお分かりですよね。
“most” と “almost” の違い
「フリーサイズ」を表す “one-size-fits-all” の代わりにラベルに書かれていたのは、
one-size-fits-most
でした。そもそも、洋服などのサイズを表す “one-size-fits-all” の “all” は「すべての人」ということですが、もちろん本当にすべての人のサイズに対応しているわけではありません。
そこで「大部分の人のサイズに対応している」というニュアンスで “most” が使われているわけですね。”one size fits most” は省略して “OSFM” と書かれることもあります。
「ほとんどの人」は “most people” と言うことはできても、”almost people” とは絶対に言いません。「人間までもうちょっと、あと一歩で人間」みたいになってしまいますからね…
その代わりに “almost everyone” や “almost all people” で「ほとんど全ての人」を表すことがありますが、これは “almost” の「ほんのちょっと足りない」イメージをしっかり掴めていると、すんなり理解できると思います。
また、世間一般の「ほとんどの人」という場合には “most people”、もっと限定された人たちの中、例えば「このグループでほとんどの人」なら “most of the people in this group” のように “most of the 〜” を使います。
今回紹介した “almost” と “most” は「ほとんど」という日本語訳で暗記するのではなく、それぞれの単語が持っているイメージをしっかり掴んでくださいね!
「ほとんど」「だいたい」の英語表現
“most” や “almost” 以外で表す「ほとんど」「だいたい」もあります。
場面によっていろんな表現があるので、こちらもぜひあわせてご覧ください!
■”almost” と “nearly” の違いは、こちらで紹介しています↓
■”pretty much” は口語でとてもよく使われる「だいたい」です↓
■年齢や時間を「だいたい〜ぐらい」と表す時に使われる “-ish” も口語でよく出てきます↓