何かに時間がかかることが予め分かっている時や、すでにお待たせしているけどもう少し待ってほしいと伝える時には、
「今しばらくお待ちください」
「もうしばらくお待ちください」
「もう少しお待ちください」
みたいに言いますよね。これって英語でどんなふうに表現するのでしょうか?
ビジネスでとてもよく目にする、”wait” を使わないフレーズを紹介します!
「今しばらくお待ちください」を英語で言うと?
「しばらくお待ちください」の英訳として、”Please wait for a while.” などを思い浮かべた人もいらっしゃるかもしれませんが、今回紹介するのは “wait” を使わずに表現する方法です。
そのフレーズは特にここ半年ぐらいで私自身もとてもよく目にしたものです。
新型コロナの拡大で、私の住む街でも感染した人が自己隔離が必要だったり、その同居家族も隔離が必要とされたりで、いろんな業種で人手不足になり、サービスが回らなくなっていました。
こんなシチュエーションで「今しばらくお待ちください」を表す時にとてもよく使われるのが、
Please be patient.
です。
“Please be patient” で表す「お待ちください」
“patient” は名詞なら「患者」という意味がありますが、形容詞では「我慢強い、辛抱強い」という意味があります。
英英辞書で “patient” を引いてみると、こうも書いてあります↓
able to wait for a long time or accept annoying behaviour or difficulties without becoming angry
(オックスフォード現代英英辞典)
「怒らずに長い間待つことができる」これがポイントです。
なので「しばらくお待ちください」の直訳ではないですが、長く待たされても怒ったりしないで辛抱強く待ってください、というニュアンスで “Please be patient.” がよく使われるんですね。
逆に「少々お待ちください」のような、ほんの少しだけ待たせるような場合に “be patient” は使いません。
“Please be patient.” の使い方
このフレーズはビジネスの場面でとてもよく使われます。
サービスの提供などに相手を長い間待たせることがすでに分かっている場合に、予め注意を喚起するためのメッセージやメール・レターなど、書き言葉でとてもよく使われますよ。
- Please be patient, couriers may take longer than expected to pick up or deliver items.
荷物の集荷・配達に通常よりも時間がかかる可能性があります。今しばらくお待ちください - There are longer wait times, so please be patient.
待ち時間が長くなっています。今しばらくお待ちください
こういった場合に日本語で「ご辛抱ください」とはあまり言わないように思うのですが、英語では “Please be patient with 人」で「(人)に対してご辛抱ください」という使い方もよくします。
これも「長く待たせますが、人に対して怒ったりイライラせずに待って下さい」という根本の意味は変わりません。
- Please be patient with us and allow for longer delivery times.
配達にはいつもより日数をみて、今しばらくお待ちください(ご辛抱ください) - We are currently experiencing high volumes of calls. Please be patient with our team.
現在電話が混み合っており繋がりにくくなっています。今しばらくお待ちください(ご辛抱ください)
また、名詞の “patience(忍耐力、我慢強さ)” を使って表現することもできます。
実際に先日、宅配業者が待てど暮らせど集荷に来なかったので問い合わせたところ、人手不足で遅延が発生していますと書かれたメールの最後に、
- Thanks for your patience and understanding.
という一文がありました。日本語にすると「ご理解のほどよろしくお願いします」だけで表されそうですが、ここにも「イライラしないでしばらくお待ちください」という意味が含まれています。
■「待って下さいね、辛抱して下さいね」は “bear with us/me” というフレーズもよく使いますよ↓
■口語でよく使われる「少々お待ちください」の英語表現はこちら↓