先日ショッピングセンターに行ってきました。
いくつかの洋服屋さんやアパレルのお店でセールをしていたのですが、その店頭の看板を見てちょっとした衝撃を受けました。
店頭のPOPに書かれた「2点お買い上げで10%OFF」という日本語の上に、目を引く大きな文字でドドーンと書かれた「2BUY 10%OFF」の文字。残念ながら、英語ではこうは言いません。
正しい英語が浸透しますようにという願いを込めた、今回のコラムです。
「2個買うと」「2点ご購入で」「2点お買い上げで」は英語で何て言う?
「2BUY 10%OFF」のPOPが残念なところは、最初の「2BUY」の部分です。
「2個買うと」「2点ご購入で」「2点お買い上げで」という意味なんだろうなぁというのは分かりますが、それなら英語では、
BUY 2
が正解です。「2つ買う」なので「BUY 2」です。「2」と「BUY」の順番が違うだけのことですが「2BUY」という語順にはとても違和感があります。
そして「2点お買い上げで10%オフ」なら、
BUY 2 GET 10% OFF
のように「GET」を入れるのが一般的です。
日本では「2BUY 10%OFF」でも通じるんだからいいじゃん、と思う人もいるかもしれませんが、ちょっと直すだけで正しい英語になるので、正しい英語が広まればいいなと思います。
「2BUY more 10%OFF」とは?
さらに日本では「2BUY more 10%OFF」みたいな謎の表記もあるようですね。
これも英語としては違和感しかないなのですが、私はこれを見た時にどんな意味なのか悩みました。
- 2個以上買ったら10%オフ
- 2個買ったら更に10%オフ
のどちらとも取れるなぁと思ったのですが、どちらにしても英語では違う表現をします。
まずは「2点以上お買い上げで10%オフ」という意味なら、
BUY 2 OR MORE, GET 10% OFF
のように書いたり、もしくは「10% OFF WHEN YOU BUY 2 OR MORE ○○」みたいに書いてあるのもよく見かけます。「2 or more(2個もしくはそれ以上)」なので2個も含まれます。
この “or more” はアイテム数だけではなく「○円以上」にも使える表現で、
- 10% OFF when you spend 5,000 yen or more
5,000円以上お買い上げで10%オフ - Spend 10,000 yen or more and get a free 〜
10,000円以上お買い上げで〜をプレゼント
みたいに表せてしまうので、ぜひ覚えておきたい表現です。
ちょっと話が逸れましたね。「2BUY more 10%OFF」に話を戻しましょう。
もう一つの可能性「2個買ったら更に10%オフ(すでに安くなっているけど更に安くなる)」という意味なら “more” ではなく、
BUY 2 GET EXTRA 10% OFF
のように “extra(追加の)” で表します。たまに “additional” という単語が使われているのを目にしますが、これも意味は同じで、すでに値引きされた価格から更に値引きされますよということです。おトクですね。
「一度のお会計で」って英語で何て言う?
上に出て来たようなセールの際には、小さい字で「一度のお会計で」という条件が書かれていることってありますよね。「一度のお会計で5,000円以上ご購入の場合10%オフ」みたいな感じです。
では「一度のお会計で」って英語でどう言うのでしょうか?
「お会計」をどう表すかがポイントですが、こんな場合には、
in one transaction
という表現がよく使われています。”transaction(取引)” で表すんですね。なので、
- Save $20 when you spend $100 or more in one transaction
と書かれていたら「一度のお会計で100ドル以上お買い上げで20ドル引き」という意味になります。
「お会計」は結構厄介な表現で、英語で言う場合にはその意味とシチュエーションに合わせて使う単語が変わります。この場合には「一度のお会計=一度の取引」なので “transaction” がピッタリですが「お会計は〜円です」や「お会計をお願いします」と言う時に “transaction” は出てきません。
「2個で100円」「2個目半額」「1個買うともう1個もらえる」は英語で?
今回紹介した以外に「2個で100円」「どれでも3個500円」「1個買うと2個目半額」「1個買うと1個もらえる」「○円引き」のような売り方にまつわる英語表現は以下のコラムで紹介しています。
とてもよく使われる表現ばかりなので、ぜひ合わせてご覧ください!