“respect(リスペクト)” の本当の意味

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「リスペクト」って、いつからか日本語でも使われるようになりましたよね。

「◯◯さんをリスペクトしています」「まじリスペクト!」のように、誰かを「尊敬する」という意味で「リスペクト」はよく使われていると思います。

でも、英語の “respect” が表すのはそれだけではないんです。

今回はぜひ理解しておきたい “respect” のお話です。

この記事の目次

“respect” には大きく分けて2つの意味がある

英英辞書で “respect” を引いてみると、動詞の1つ目にこんな定義が出てきます↓

to feel or show admiration for someone or something that you believe has good ideas or qualities
・I deeply respect David for what he has achieved.

Cambridge Dictionary

誰か(何か)を “admire” する、なので「賞賛する、高く評価する」ということですね。日本語の「リスペクト」はここから来ているのではないかと思います。

ただ、日本語の「リスペクト」の憧れている感じを出すには、”respect” ではなく “admire” の方がしっくりくる気がします。

でも、英語の “respect” は日常的にものすごくよく使われる単語なんです。その理由は、”respect”  のもう一つの意味にあります。

“respect” が持つもう一つの意味

この意味は一言でズバッと表現するのが難しいのですが、Macmillan Dictionaryにいい定義が載っていました↓

to show that you understand the importance of something by not doing anything against it

これ、どんな意味だと思いますか?これは誰かがスゴい人だから「尊敬する」というのとはちょっと違います。
もうちょっと分かりやすいのが、この意味での “respect” の名詞の定義です。

 the belief that something or someone is important and should not be harmed, treated rudely etc

ロングマン現代英英辞典

何か(誰か)は価値のあるものであって、傷つけられたり無礼に扱われたりされるべきではない、と信じることですね。

大雑把に言ってしまうと、何か(もしくは誰か)そのものを価値のあるものだと認めて大切にしましょう、という考えではないか私は思っています。

軽んじたり無視したり、バカにしたり、ぞんざいに扱うべきではないという考えとも言えるかもしれません。

日本語ではいろんな言い方があると思いますが「尊敬」ではなく「尊重(する)、敬意(を払う)、大切にする」といった感じのニュアンスになるかと思います。

respect

「尊重(する)」”respect” の使い方

“respect” が使われる例をざっと挙げてみると、

  • respect one’s opinion/decision/wishes
    〜の意見/決断・決定/願いを尊重する
  • respect one’s privacy
    〜のプライバシーを尊重する
  • respect other cultures
    異なる文化を尊重する
  • respect human rights
    人権を尊重する
  • respect one’s feelings
    〜の感情を大切にする
  • respect the environment
    自然環境を大切にする
  • respect public property
    公共物を大切にする
  • have respect/no respect for 〜
    〜を尊重、大切にする(しない)
  • show respect/no respect for 〜
    〜に敬意を示す(示さない)
  • with respect
    敬意をもって
  • mutual respect
    お互いを尊重し合う気持ち

などがあります。これらの “respect” の大きなポイントは、”respect” する対象が「優れている」「スゴい」「いいと思う」から “respect” するという基準ではないことです。

上も下もなく、好きも嫌いもなく、そもそも比べるものでもありません。

そして、英語の “respect” が日本語の「リスペクト」とはやっぱりちょっと違うなと改めて感じた出来事がありました。

教育の現場で重視される “respect”

私が身近なところで感じたのは、娘の幼稚園での教育です。先生たちが、子どもが自分で決めたことを “respect” している現場に遭遇しました。

例えば、こんなことがありました。

ある日のこと、先生が「今日はかぼちゃスープを作りますよ。一緒に作りたい人は手を洗いましょう」と言いました。でも、次にこう言ったんです。

  • If you don’t want to, that’s OK.
    もしやりたくなかったらそれでいいですよ

また別の日には、先生が「今日は図書館から○○さんが本を読みに来てくれるので、メッセージカードを用意しました。テーブルの上に置いておくから書きたい人はメッセージを書いてね」と。でも、やっぱりその後には、

  • It’s up to you. If you don’t want to, that’s fine.
    (書くか書かないかは)あなた次第です。もし書きたくなかったらそれでいいですよ

でした。「する/しない」という個人の選択を “respect” しているんですね。

子ども達はこうして個人の自由な選択は “respect” されるものだと身につけていきます。そして、それと同時に他の子ども達の選択も “respect” されるべきものなんだと学びます。

他にも、ニュージーランドは移民が多い国ということもあって、”show respect for other cultures” というフレーズを耳にしたり、他の子の物を勝手に触ったりしないことを “respect other people’s property” と教えたり、”show respect for others/our community” のように「大切、尊重していることを示す」ということを教えている場面によく出会います。

英語の “respect” から学べること

私は、この “respect” から学ぶことがたくさんあるなぁと思います。

それぞれの価値観であったり、発想や考えなどは「自分と違っていて当然。それはそれで大切なものとして認められるべき」という考え方が欧米には基本的にあるように感じます。

そして、文化や習慣が違ったり、人と違うところがあったとしても、それだけの理由でないがしろにしたり認めなかったりせず、お互いに “respect” が根底にあれば、もっと住みやすい社会になるのではないかと思います。

“respect” をもって議論することと、”respect” がないことは全く違います。

そんなことは理想論だと言われるかもしれませんが、英語の “respect” ってものすごく大切な概念だと思ったので記事にしてみました。

■”respect” がないと “judgmental” になってしまいがちです↓

■「人それぞれ」という意識も大切です↓

■とっても素敵な絵本『It’s Okay to Be Different』↓

英語の意味とはちょっと違うカタカナ語

“respect” は日本で使われている「リスペクト」とかぶる部分もありますが、カタカナ語の中には英語の本当の意味とは少し違っているものもあります。

以下のコラムでは、そんなカタカナ語を取り上げているので、ぜひあわせてご覧ください!

■「テンション」と “tension” の違いについてはこちら↓

■「ジュース」と “juice”、「サイダー」と “cider” の違いについてはこちら↓

■「セレブ」と “celeb” の違いについてはこちら↓

■「ゴージャス」と “gorgeous” の違いについてはこちら↓

■「アニバーサリー」と “anniversary” の違いについてはこちら↓

■レストランのメニューでよく見かける「コース」と “course” の違いについてはこちら↓

■「ハンディー」と “handy” の違いについてはこちら↓

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