私がニュージーランドに来た当初に全く慣れなかったのが「相手の名前を呼ぶこと」です。
この「お互いの名前を呼び合うこと」はニュージーランドを含め、英語圏で生活するなら必ず付いて回ることです。
そんな、日本とはちょっと違うけれどとっても大切な、英語で話す時の習慣のお話をしてみようと思います。
名前を覚えるのに一苦労
日本では、友達や特に親しい人を除いては「姓、苗字(名字)」で社会が成り立っていますよね。
会社でも近所でも苗字で認知されて、初めて会った人に自己紹介をするときも、例えば「鈴木です」のように苗字で名乗ります。
でも、ニュージーランドでは違います。
会社でも近所でも苗字ではなく、多くの場合ファーストネーム(下の名前=名)で呼び合います。初めての人に名乗るときも “I’m John.” のようにファーストネームを言うことがとても多いです。
簡単な名前だといいのですが、あまり馴染みのない名前だと聞き取るのと覚えるのが本当に大変です。
そして、日本にはない「ある習慣」が、それをさらに難しくさせているんです。
ファーストネームで名乗る社会の大変さ
日本はファーストネームで名乗る社会ではなく苗字で名乗る社会なので、覚える名前の数が少なくて済みます。
例えば、山田花子ちゃんのお父さんは花子ちゃんの友達の親に自己紹介をする時は「花子の父です」「山田です」と言うと思います。そこで新しく覚える名前は発生しません。
また、田中さんの奥さんが田中さんの会社の人に挨拶をする場合は「田中の妻です」と言いますよね。会社の人は「田中」という名前はすでに知っているので、ここでも新しく覚える名前はありません。
でも、ニュージーランドでは違います。
Davidくんの父親のJohnさんが名乗るときは “I’m John.” です。そして、Johnさんの奥さんが自分のことを名乗る時は “Hi, I’m Kate.” です。
何が言いたいのかというと、ファーストネームで呼び合う社会では、覚えなくてはいけない名前の数が単純に増えるんです…。
そして、もっと大きな習慣の違いが、日本人を苦しめます。
わざわざ名前を呼び合う習慣
「相手の名前を口に出して呼び合う習慣」これが最大のクセモノです。
日本では友達に会った時に「おはよう」という挨拶は普通ですよね。
でも、こちらの習慣では “Morning, John” や “Hi, John. How are you?” などといちいち名前を呼びます。
他のコラムでも紹介しましたが “Thank you, John.” などと、ここにも名前を入れて言うことが多いんです。
そして「名前で呼び合う大切さ」を実感した出来事がありました。
カフェでコーヒーを飲んでいたら、私の横でtake away(持ち帰り)用コーヒーを注文したお客さんがバリスタさんと立ち話をしていました。
そして、話の最後にこんなやりとりがあったんです↓
お客さん:I’m Matt, by the way. Nice talking to you.
バリスタさん:I’m Richard. Nice talking to you, Matt.
と、自分のファーストネームを名乗った上で、最後にお客さんの名前をちょっと強調しながら、お互いガッチリ握手です。
私もカフェで働いていた時は、見知らぬお客さんと話をすることもしょっちゅうでした。
そして最後にお客さんから “What’s your name?” と聞かれ、相手もファーストネームで名乗ってきて “Nice talking to you, Yoko.” と言われることも多かったです。
ファーストネームで呼び合うことの意味
お客さんと店員さんがちょっとした小話をするのは、ニュージーランドでは日常ですが「小話」から「会話」になると、お互いに名前を名乗って認知し合うという習慣があるように思います。
そういった意味で、ちゃんと「相手の名前を呼ぶ」というのは、思った以上に重要です。
特に日本人にとっては習慣が違うので、最初は意識しないとかなり難しいと思いますが、そんな習慣の違いを知ることこそが英語学習の醍醐味だったりします。
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