普段の生活の中で「おすすめ」という言葉、よく使いませんか?
美味しいレストランを発見したら、友達に「あの店、すっごくおすすめだよ」と言ったり、飲食店では「本日のおすすめ」なんていうメニューがあったりしますよね。
また、日刊英語ライフでもおすすめのテキストや書籍を紹介したりしてきました。
そんなよく使う「おすすめ」という表現、英語でも言いたくないですか?
“recommend” という単語はたいていの人が知っていると思いますが、この単語、正しく使えていますか?
「その本、おすすめだよ」を英語で言うと?
友達と話をしていて、最近話題になっている本の話になったとしましょう。
あなたはその本をすでに読んだことがあって「その本おすすめだよ」と友達に言いたいとき、英語で何と言えばいいでしょうか?
早速、”recommend” を使ってみましょう。
- I recommend the book.
これが一番シンプルですよね。もしくは、
- I recommend reading the book.
とも言えます。つまり「おすすめする物・こと」を “recommend” のすぐ後ろにもってきて、
recommend+名詞
recommend+動名詞(動詞の-ing形)
という形になります。他に例を挙げると、
- I recommend the restaurant.
そのレストランをお勧めします(そのレストランはお勧めです) - I recommend staying there.
そこに滞在することをお勧めします
みたいな感じですね。
「(人)が〜するのをおすすめする」を英語で言うと?
では、次はもう少しややこしくてみましょう。
ちょっと変な日本語ですが「私はあなたがその本を読むのをおすすめします」を英語で言うとどうなるでしょうか?
「誰・何・どうする」が一つの文章の中に同時に出てきたら、急に頭の中がごちゃごちゃになりませんか?
下の2つのうち、どちらが自然な英語か選んでください。
- I recommend you to read the book.
- I recommend that you read the book.
どちらだと思いましたか?
ネイティブが聞いて自然に聞こえるのは、圧倒的に2の、
I recommend that you read the book.
もしくは “that” を省略した、”I recommend you read the book.” なんだそうです。
“I recommend you to” は間違い?
“I recommend you to read the book.” って普通に使えそうな気がしますよね。でも、ネイティブはこうは言わないようです。
「言わないようです」と書いたのは理由があります。
文法書やテキストによってはこの使い方を可としているものもあるので、ニュージーランド人の英語の先生に聞いてみたのですが、”recommend you to read” は自然な英語ではないので、ネイティブの耳にはとても不自然に聞こえると教わりました。
その後も気になってネイティブが話しているのを注意して聞いてみても、やはり私が耳にする限りでは “recommend you to do something” の形は使われていません。
厳密な「正解・不正解」というよりも、どちらのほうが「より自然に聞こえるか・伝わりやすいか」と言うと、
recommend+that+人+動詞の原形
となります。この “that” はカジュアルな会話ではよく省略されますが、ポイントは後ろに続いている「人+動詞」の部分には動詞の原形が入ることです(普段のカジュアルな会話では原形にならないことも)。
- I recommend you go there.
そこに行くことをお勧めします - I recommend you try it.
それを試してみるのをお勧めします - I recommend she go on her own.
彼女が一人で行くのをお勧めします
動詞が原形になる理由は、本来「recommend+that+人+should+動詞の原形」の “should” が省略されているからです。なので、”recommend” の部分が過去形になっても変わらず原形のままです。
- A friend recommended (that) I read* this. *read は原形
友達が私にこれを読むのを勧めました - My doctor recommended that I be tested for 〜.
私のお医者さんは私に〜の検査を受けるように勧めました
また、”I would recommend 〜” のように “recommend” の前に “would” を入れることもあります。
- I would recommend (that) you give them a call beforehand.
(レストランや店などに)事前に電話しておくのをお勧めします
“would” が入ることで少し柔らかい控えめなニュアンスになるので、こちらもよく使われますよ。
“recommend 〜 to” の使い方に注意
“recommend you to read” とは言わないからと言って、”recommend” と “to” は絶対に一緒に使わないということではありません。これがまた混乱しがちなので、注意が必要です。
「誰に」おすすめするのかを表す時には「to 誰」という表現になります。
recommend+おすすめする物+to you
です。一番最初に出てきた「reccommend+おすすめする物」の形を思い出してくださいね。これに「to+誰」がくっついただけです。
- She recommended the restaurant to me.
彼女はそのレストランを私にすすめた - I wouldn’t recommend it to anyone.
それは誰にもおすすめしないわ
といった感じです。”I recommend you the restaurant.” とは言えないので注意してくださいね。
“recommend” の使い方まとめ
注意点が多すぎて頭がこんがらがりそうなので、まとめてみましょう。
- recommend+おすすめする物
- recommend+おすすめする物+to 誰
- recommend+(that)+誰+動詞の原形
頭で覚えようとするとこんがらがってしまうので、どれもセンテンスを口に出して覚えてしまいましょう!
ちなみに、レストランやカフェで店員さんにおすすめを聞きたい場合には、
- What do you recommend?
何がオススメですか?
でOKです。また、現地の人に食べ物や観光スポット、お土産など「何かお勧めはありますか?」と聞きたい時には、
- Do you have any recommendations (for 〜)?
なんかもよく使うので、覚えておくと便利です!
■おすすめを伝える時には “recommend” という単語を使わずに表現することもできます↓
■日刊英語ライフではこれまでに、おすすめの勉強法や参考書などをいくつか紹介してきました。そんなコラム一覧はこちらからご覧いただけるので、何かの参考になれば嬉しいです。