以前『となりのトトロ(My neighbor Totoro)』を日本語音声&英語字幕で見ていたら、ちょっと気になった部分がありました。
それは、物語の最初の引っ越しをしてくる場面。
大きな荷物を運んできた男性が「これ、どこへ運びます?」とお父さんに尋ねる場面で、英語字幕は “Where shall I put this?” となっていました。
実はこんな「どこに置けばいいですか?」「どこに片付けたらいい?」と英語で聞くような場面では、誰もが知っているあるシンプルな単語が役に立つって知っていましたか?
「どこに置く?」「どこにしまう?」をシンプルな英語で
ある物を「これ、どこに置けばいい?」と人に尋ねる場面を想像してください。何かを片付けたり置いたりするイメージです。
冒頭に出てきたような場面以外にも、例えば、本がいっぱい入っている本棚に、本を1冊しまうような場面だったり、拭いた食器を食器棚に戻す場面でもOKです。
どこにしまったらいいのか、どこに置いたらいいのか分からない時に、人に尋ねる時には「置く=put」ももちろん使えますが、他に私がもっとよく耳にするのは、
Where does this go?
のように、”go” を使った表現です。
直訳すると「これはどこに行くの?」です。物が “go” するという表現にちょっと違和感を覚えるかもしれないのですが、この “go” は「行く」とはちょっと違うんです。
「いつもの場所、正しい場所に置かれる」”go”
“go” には “move” や “travel” という大きなイメージがありますよね。
でも、この「どこに置く?」と尋ねる時に使う “go” は、こんな意味なんです↓
to be put in a particular place, especially as the usual place
Cambridge Dictionary
「特定の場所、いつもの場所に置かれる」という感じですね。”belong” のイメージに似ています。
なので、色んなものを「これ、どこに置けばいい(どこにしまう、片付ける、戻す)?」と聞く時や「それはここだよ」と正しい位置を教える時に使えるんです。例えば、
- Where does this go?これ、どこに置くけばいい?
これ、どこに片付ければいい? - It doesn’t go there.
それはそこじゃないよ(その場所じゃないよ) - Where does everything go?
これみんな、どこにしまえばいい? - This goes here and that goes there.
これはここで、あれはそこだよ - Where do these plates go?
このお皿、どこに置く(しまう)? - They go on the second shelf of the cupboard.
戸棚の2段目だよ - The book goes on the bottom shelf.
その本は一番下の棚だよ
みたいに、日常生活のちょっとした時にすごく便利な表現です。
わざわざ新しい単語を覚えなくても、”go” を活用するだけなので覚えやすくないですか?
「どこに置く?どこにしまう?」を別の表現で
先ほども少し触れましたが、絶対に “go” を使わないといけないわけではありません。
「これ、どこに置く?」「これ、どこにしまう?」は、
- Where do you want this?
- Where would you like me to put this?
- Where do I put this?
と言ってもだいたい同じことが聞けますが「本来の場所に戻す」というよりは、単純に「どこに置く?」「どこに置いて欲しい?」というニュアンスもあります。
「元の場所はどこ?」「正しい場所はどこ?」というニュアンスで聞くなら、”belong” を使って、
- Where does this belong?
と言うこともできますよ。その物の「本来あるべき場所はどこ?」という感じです。
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